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地方公務員の年金はいくら?共済年金・厚生年金の受給額・仕組みを徹底解説【2026年版】

公務員
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「地方公務員の年金って実際いくらもらえるの?」「民間企業の厚生年金とどう違うの?」老後の生活設計を考える上で、年金制度の理解は欠かせません。

地方公務員の年金制度は2015年に大きく変わり、従来の「共済年金」から「厚生年金」に統合されました。

しかし、依然として「職域加算」に代わる「年金払い退職給付」など、民間とは異なる独自の仕組みも残っています。

本記事では、地方公務員の年金制度について、受給額の目安、計算方法、民間企業との違い、将来の見通しまで、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。

老後の生活設計に役立つ実践的な情報をお届けします。

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地方公務員の年金制度の基本

2015年の制度統合とは

2015年10月1日に、それまで別々だった公務員の「共済年金」と民間企業の「厚生年金」統合されました。

統合前(2015年9月まで)

  • 地方公務員:共済年金(1階部分の基礎年金+2階部分の共済年金+3階部分の職域加算)
  • 民間企業:厚生年金(1階部分の基礎年金+2階部分の厚生年金)

統合後(2015年10月以降)

  • 地方公務員も民間企業も:厚生年金(1階部分の基礎年金+2階部分の厚生年金)
  • 地方公務員のみ:年金払い退職給付(3階部分、職域加算の代替)

この統合により、基本的な年金制度は官民で同じになりましたが、地方公務員には「年金払い退職給付」という独自の上乗せ制度が残っています。

地方公務員が加入する年金制度

地方公務員が加入する年金制度は以下の通りです。

1階部分:国民年金(基礎年金) 全ての国民が加入する基礎的な年金制度

2階部分:厚生年金 会社員や公務員が加入する報酬比例の年金制度

3階部分:年金払い退職給付 地方公務員のみが加入する上乗せ制度(2015年10月以降の期間が対象)

経過措置:旧職域加算 2015年9月以前に公務員として勤務していた期間については、旧制度の職域加算が支給される

保険料の負担

地方公務員の年金保険料は以下の通りです。

厚生年金保険料

  • 保険料率:18.3%(労使折半、本人負担は9.15%)
  • 給与(標準報酬月額)に対して計算される
  • 上限:月額65万円(それ以上の給与でも保険料は同額)

年金払い退職給付の掛金

  • 掛金率:給与・ボーナスの約1.5%(労使折半、本人負担は0.75%)
  • 厚生年金保険料とは別に徴収される

合計で、給与の約9.9%(9.15% + 0.75%)が本人負担として天引きされます。

地方公務員の年金受給額はいくら?

平均的な受給額

地方公務員OBの平均年金月額(2023年度データ)

国民年金(基礎年金)部分: 約6.5万円(満額加入の場合)

厚生年金部分: 約12万円~15万円(勤続年数や給与水準による)

年金払い退職給付: 約2万円~3万円(2015年以降の勤務期間による)

合計:約20万円~24万円

ただし、これは退職時の給与が比較的高かった世代のデータです。

現役世代の将来の受給額は、制度改正や給与水準の変化により異なる可能性があります。

勤続年数別の受給額目安

【勤続10年の場合】

  • 基礎年金:約2.5万円(10年/40年分)
  • 厚生年金:約4万円
  • 年金払い退職給付:該当なし(2015年以降10年未満) 合計:約6.5万円/月

【勤続20年の場合】

  • 基礎年金:約5万円(20年/40年分)
  • 厚生年金:約8万円
  • 年金払い退職給付:約1万円 合計:約14万円/月

【勤続30年の場合】

  • 基礎年金:約6万円(30年/40年分)
  • 厚生年金:約11万円
  • 年金払い退職給付:約1.5万円 合計:約18.5万円/月

【勤続38年(フルキャリア)の場合】

  • 基礎年金:約6.5万円(満額)
  • 厚生年金:約14万円~17万円
  • 年金払い退職給付:約2万円~3万円
  • 旧職域加算:約1万円~2万円(2015年以前の期間分) 合計:約23.5万円~28.5万円/月

これらは標準的な昇給・昇進を経た場合の目安であり、個人の給与水準や勤務期間によって大きく異なります。

役職による違い

最終役職によって厚生年金額は大きく変わります。

一般職員(係長級): 月額約20万円~22万円

課長補佐級: 月額約22万円~24万円

課長級: 月額約24万円~26万円

部長級: 月額約26万円~30万円

役職が高いほど給与が高く、それに比例して厚生年金額も増加します。

年金の計算方法

基礎年金(国民年金)の計算

基礎年金は、加入期間に応じて計算されます。

満額(40年加入)の場合: 年額816,000円(月額68,000円)※2024年度額

計算式: 受給額 = 816,000円 × (加入月数 ÷ 480ヶ月)

具体例: 38年(456ヶ月)加入の場合 816,000円 × (456 ÷ 480) = 774,720円/年(月額64,560円)

厚生年金(報酬比例部分)の計算

厚生年金は、在職中の給与額と加入期間に基づいて計算されます。

基本計算式: 厚生年金額 = 平均標準報酬月額 × 5.481/1000 × 加入月数

平均標準報酬月額: 在職中の全期間の給与(標準報酬月額とボーナスを月割りした額)の平均値

具体的な計算例

【ケース1】平均標準報酬月額35万円、勤続38年の場合 350,000円 × 5.481/1000 × 456ヶ月 = 875,005円/年 月額:約72,900円

【ケース2】平均標準報酬月額45万円、勤続38年の場合 450,000円 × 5.481/1000 × 456ヶ月 = 1,125,007円/年 月額:約93,750円

【ケース3】平均標準報酬月額40万円、勤続25年の場合 400,000円 × 5.481/1000 × 300ヶ月 = 657,720円/年 月額:約54,810円

年金払い退職給付の計算

年金払い退職給付は、2015年10月以降の勤務期間に対して計算されます。

基本的な考え方: 在職中の給付算定基礎額に付与率を乗じて算出

付与率: 給与・ボーナスの約0.5%~0.75%(年度により変動)

受給方法

  • 終身年金:一生涯受け取れる
  • 有期年金:10年または20年の期間限定
  • 一時金:一括で受け取る これらを組み合わせることも可能

具体例: 2015年10月以降23年間勤務(平均給与月額40万円、ボーナス含む年収640万円)の場合:

640万円 × 0.6%(付与率) × 23年 = 約88万円/年分の原資

これを終身年金で受け取る場合: 月額約2万円~3万円(年齢や選択する年金種類による)

旧職域加算(経過措置)

2015年9月以前に地方公務員として勤務していた期間については、旧職域加算が支給されます。

計算式: 職域加算額 = 平均標準報酬月額 × 1.096/1000 × 2015年9月までの加入月数

具体例

2015年9月までに20年(240ヶ月)勤務、平均標準報酬月額35万円の場合
350,000円 × 1.096/1000 × 240ヶ月 = 92,064円/年 月額:約7,672円

民間企業の厚生年金との比較

基本的な制度は同じ

2015年の統合により、基礎年金と厚生年金については、地方公務員と民間企業で同じ制度になりました。

共通点

  • 保険料率:18.3%(同じ)
  • 給付計算式:同じ
  • 受給開始年齢:65歳(同じ)

地方公務員が有利な点

年金払い退職給付がある: 民間企業には存在しない3階部分の年金があり、月額2万円~3万円程度上乗せされます。

給与が安定している: 給与が安定しているため、平均標準報酬月額が予測しやすく、年金額も安定しています。

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民間企業が有利な点

企業年金がある場合: 大企業では企業年金(確定給付企業年金や企業型確定拠出年金)があり、3階部分の年金が充実しているケースもあります。

給与水準が高い場合: 大企業では給与水準が高く、それに比例して厚生年金額も高くなります。

年金額の比較例

地方公務員(勤続38年、平均給与40万円)

  • 基礎年金:6.5万円
  • 厚生年金:9万円
  • 年金払い退職給付:2.5万円
  • 旧職域加算:1万円 合計:約19万円/月

大企業会社員(勤続38年、平均給与50万円、企業年金あり)

  • 基礎年金:6.5万円
  • 厚生年金:11.3万円
  • 企業年金:3万円 合計:約20.8万円/月

中小企業会社員(勤続38年、平均給与35万円、企業年金なし)

  • 基礎年金:6.5万円
  • 厚生年金:7.9万円 合計:約14.4万円/月

このように、大企業には及ばないものの、中小企業よりは有利な水準といえます。

年金の受給開始時期と繰上げ・繰下げ

標準的な受給開始年齢

原則:65歳から

基礎年金も厚生年金も、原則として65歳から受給開始となります。

ただし、経過措置として、生年月日によって「特別支給の老齢厚生年金」が60歳代前半から支給される場合があります。

  • 1961年(昭和36年)4月1日以前生まれの男性
  • 1966年(昭和41年)4月1日以前生まれの女性

これらの世代は、段階的に60歳~64歳から年金を受け取れます。

繰上げ受給

65歳より前に年金を受け取ることを「繰上げ受給」といいます。

受給開始:60歳~64歳の希望する時期

減額率:1ヶ月あたり0.4%(最大24%減)

具体例:本来月額18万円の年金を60歳から繰上げ受給する場合
18万円 × (1 – 0.4% × 60ヶ月) = 18万円 × 0.76 = 13.68万円

メリット

  • 早く年金を受け取れる
  • 健康不安がある場合に有利

デメリット

  • 一生涯減額される
  • 障害年金や遺族年金に制限がかかる場合がある
  • 長生きすると総受給額が少なくなる

繰下げ受給

65歳より後に年金を受け取ることを「繰下げ受給」といいます。

受給開始:66歳~75歳の希望する時期

増額率:1ヶ月あたり0.7%(最大84%増)

具体例: 本来月額18万円の年金を70歳から繰下げ受給する場合
18万円 × (1 + 0.7% × 60ヶ月) = 18万円 × 1.42 = 25.56万円

メリット

  • 年金額が大幅に増える
  • 長生きすると総受給額が増える
  • 働きながら年金を増やせる

デメリット

  • 受給開始が遅れる
  • 早期に亡くなると総受給額が少なくなる
  • 税金や社会保険料の負担が増える

損益分岐点の考え方

繰上げや繰下げの損益分岐点を計算してみましょう。

60歳繰上げ vs 65歳受給: 損益分岐年齢:約76歳~77歳 → 77歳以上生きる見込みなら65歳受給が有利

70歳繰下げ vs 65歳受給: 損益分岐年齢:約81歳~82歳 → 82歳以上生きる見込みなら70歳繰下げが有利

平均寿命(男性約81歳、女性約87歳)を考えると、健康に自信があれば繰下げが有利といえます。

年金だけで老後は暮らせるのか?

老後の生活費

総務省の「家計調査」によると、高齢夫婦世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の無職世帯)の平均支出は以下の通りです。

月額支出:約26.8万円

内訳

  • 食費:約6.8万円
  • 住居費:約1.6万円(持ち家前提)
  • 光熱・水道:約2.1万円
  • 家具・家事用品:約1.0万円
  • 被服費:約0.5万円
  • 保健医療:約1.6万円
  • 交通・通信:約2.8万円
  • 教育・娯楽:約2.1万円
  • その他:約8.3万円

年金だけでは不足する「老後資金2,000万円問題」

夫婦の年金収入:約22万円 (夫の厚生年金18万円+妻の基礎年金6.5万円=24.5万円から、地方公務員OBで試算すると約22万円程度)

月々の不足額:約4.8万円 (26.8万円 – 22万円)

年間不足額:約58万円

30年間の不足額:約1,740万円

これに医療費や介護費用、住宅リフォーム費用などを加えると、約2,000万円~3,000万円の老後資金が必要とされています。

地方公務員の場合の老後資金

地方公務員の場合、以下の資産があります。

退職金:約2,000万円~2,400万円
年金:月額約20万円~24万円
個人的な貯蓄:数百万円~

退職金があるため、「老後資金2,000万円問題」はある程度クリアできる可能性が高いです。

ただし、以下の点に注意が必要です。

住宅ローンが残っている場合: 退職金で完済すると、老後資金が不足する可能性

配偶者が年金なし、または少額の場合: 世帯収入が不足する可能性

医療・介護費用が高額になった場合: 想定以上の支出が発生する可能性

老後資金を増やす方法

確定拠出年金(iDeCo)を活用: 現役時代からiDeCoで積立を行うことで、退職後の資金を増やせます。掛金は所得控除の対象にもなります。

退職金の運用: 退職金を定期預金だけでなく、一部を投資信託などで運用することで、資産を増やせる可能性があります。

働き続ける: 定年後も再任用職員や嘱託職員として働くことで、収入を得ながら年金を繰り下げて増額できます。

生活費を見直す: 住居費、通信費、保険料などの固定費を見直すことで、月々の支出を抑えられます。

年金制度の今後の見通し

年金受給額は減少する見込み

厚生労働省の財政検証によると、将来の年金受給額は現役世代の手取り収入の約50%程度(所得代替率)を維持する見込みですが、実質的には減少傾向にあります。

主な要因

  • 少子高齢化による支え手の減少
  • マクロ経済スライドによる調整
  • 平均寿命の延伸

見通し: 現在40歳の方が65歳で受給開始する頃には、現在の受給者と比べて実質的に約10%~20%減少する可能性があります。

受給開始年齢の引き上げの可能性

現在は65歳が原則ですが、将来的に67歳や70歳に引き上げられる可能性も議論されています。

ただし、選択的繰下げ制度(希望者のみ繰り下げる)の拡充という形で進む可能性が高く、一律の引き上げは当面ないと見られています。

年金払い退職給付の見直し

年金払い退職給付も、将来的に給付水準が見直される可能性があります。

民間企業との均衡を図るため、段階的に縮小される可能性も指摘されています。

対策:年金だけに頼らない資産形成

将来の年金減少に備えて、以下の対策が重要です。

早めの資産形成: 若いうちからiDeCoや積立NISAなどで資産を積み立てる

複数の収入源: 不動産収入、配当収入など、年金以外の収入源を確保する

健康維持: 健康でいることで、医療費を抑え、働き続けることも可能になる

生活のダウンサイジング: 定年前から生活費を抑える習慣をつける

よくある質問(FAQ)

Q1:年金は何歳から受け取れますか?

A:原則65歳からですが、60歳から繰上げ受給、または75歳まで繰下げ受給が可能です。ただし、繰上げると減額、繰下げると増額されます。また、生年月日によっては特別支給の老齢厚生年金が60歳代前半から支給される場合があります。

Q2:退職後も再任用で働く場合、年金はもらえますか?

A:もらえます。ただし、65歳未満で厚生年金に加入しながら働く場合、給与と年金の合計額が一定額を超えると、年金の一部が支給停止される「在職老齢年金」の仕組みが適用されます。65歳以降は、月額47万円を超える部分について調整されます。

Q3:夫婦共働きの場合、年金はどうなりますか?

A:それぞれが自分の加入記録に基づいて年金を受給します。夫婦共に地方公務員でフルキャリアの場合、世帯年金額は40万円~50万円程度になる可能性があり、老後は比較的余裕のある生活ができます。

Q4:離婚した場合、年金はどうなりますか?

A:婚姻期間中の厚生年金記録を分割できる「年金分割制度」があります。2008年4月以降の婚姻期間については、請求により自動的に2分の1ずつ分割されます(3号分割)。それ以前の期間は、合意または裁判所の決定により分割できます(合意分割)。

Q5:年金は物価に応じて変動しますか?

A:はい、年金額は物価や賃金の変動に応じて毎年度改定されます(物価スライド制)。ただし、マクロ経済スライドにより、物価上昇率より低い伸びに抑えられることがあります。

Q6:年金をもらいながら働くと損をしますか?

A:必ずしも損とは限りません。65歳以降は、給与と年金の合計が月47万円までは年金が全額支給されます。また、働くことで厚生年金保険料を払い続けるため、将来の年金額が増えます(在職定時改定)。

Q7:配偶者が亡くなった場合、遺族年金はもらえますか?

A:はい、配偶者が亡くなった場合、遺族厚生年金が支給されます。金額は亡くなった配偶者の厚生年金額の4分の3程度です。ただし、自分の老齢厚生年金と遺族厚生年金の両方がある場合は、調整されます。

まとめ:年金を理解し、計画的な老後設計を

重要ポイントの再確認

受給額は月額約20万円~24万円が標準的で、勤続年数や給与水準によって変動します。民間企業の平均より高めの水準です。

3階建ての年金制度で、基礎年金+厚生年金+年金払い退職給付により、民間企業より手厚い保障があります。

退職金約2,000万円と合わせて老後資金を確保できるため、計画的に使えば安定した老後生活が可能です。

将来の年金減少に備えて、iDeCoやつみたてNISAなど、追加の資産形成も検討すべきです。

繰下げ受給を活用することで、年金額を最大84%増やせます。健康に自信があれば検討する価値があります。

最後に

年金制度は複雑ですが、自分の将来の受給額を把握し、早めに老後の生活設計を立てることが重要です。

年金だけに頼らず、多様な収入源と資産を確保することで、安心できる老後を迎えることができます。

地方公務員として働く方は、定期的に「ねんきん定期便」で自分の加入記録を確認し、将来の年金額を試算してみることをおすすめします。

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