地方公務員試験の難易度は、区分や自治体によって異なりますが、一般的に合格率は4~5倍程度です。
試験内容は教養試験・専門試験・論文試験・面接試験で構成され、上級(大卒程度)、中級(短大卒程度)、初級(高卒程度)の3つの区分があります。
本記事では、地方公務員試験の詳しい内容、難易度、合格率、勉強時間の目安まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
地方公務員試験の基本情報

地方公務員試験とは
地方公務員試験は、都道府県・政令指定都市・市区町村が独自に実施する採用試験です。
国家公務員試験とは異なり、各自治体が独自の試験を行います。
主な採用区分
- 上級(大卒程度):Ⅰ類、1種
- 中級(短大卒程度):Ⅱ類、2種
- 初級(高卒程度):Ⅲ類、3種
試験日程
統一試験日 ほとんどの地方上級試験は、同一日程で実施されます(例年6月第4日曜)。令和7年度の統一試験日は6月15日でした。
独自日程の自治体
- 東京都、大阪府、北海道など
試験内容を詳しく解説

教養試験(基礎能力試験)
教養試験は、一般知能と一般知識に分かれます。
一般知能(約25問)
- 数的処理:数的推理、判断推理、資料解釈
- 文章理解:現代文、英文
一般知識(約25問)
- 社会科学:政治、経済、社会
- 人文科学:日本史、世界史、地理、思想
- 自然科学:数学、物理、化学、生物、地学
- 時事問題
出題形式 全国型:50問必須回答 関東型:教養試験50問(知能21問+知識29問)
専門試験
一次試験で出題される専門科目は、法律系、経済系、行政系の科目がほぼ均等に出題されます。
法律系科目
- 憲法
- 民法
- 行政法
- 労働法
- 刑法
経済系科目
- 経済原論(ミクロ・マクロ)
- 財政学
- 経営学
行政系科目
- 政治学
- 行政学
- 社会学
- 国際関係
出題数 全国型:40問必須回答
論文試験
各自治体独自の課題が出題されます。
地域の課題や時事問題について、1000~1500字程度で論述します。
評価のポイント
- 論理的思考力
- 問題意識
- 文章構成力
- 知識の活用能力
面接試験
二次試験以降で実施され、人物重視の傾向が強まっています。
面接の種類
- 個別面接
- 集団討論
- グループワーク
- プレゼンテーション
評価のポイント
- コミュニケーション能力
- 協調性
- 積極性
- 志望動機の明確さ
- 自治体への理解
難易度を区分別に解説

地方上級(大卒程度)の難易度
地方上級の試験レベルは、国家公務員一般職と同程度とされています。
学習範囲の広さ
- 教養試験:50問(17科目程度)
- 専門試験:40問(15科目程度)
合計30科目以上の勉強が必要で、学習範囲が非常に広いのが特徴です。
合格ラインの目安
- 教養試験:6割程度
- 専門試験:6割程度
- 足切りライン:各4割
地方中級(短大卒程度)の難易度
地方上級より試験レベルは低いですが、採用人数が少ないため倍率が高くなる傾向があります。
特徴
- 専門試験がない場合が多い
- 教養試験中心
- 面接重視
地方初級(高卒程度)の難易度
試験内容は基礎的ですが、採用枠が少なく倍率は高めです。
特徴
- 高校卒業程度の基礎問題
- 専門試験なし
- 面接と作文が重視される
合格率のデータ

地方上級の合格率
総務省「令和4年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果」によると、地方上級の倍率は約4.2倍でした。
合格率に換算 約24%(4.2人に1人が合格)
区分別の倍率比較
| 区分 | 平均倍率 | 合格率(目安) |
|---|---|---|
| 大卒程度 | 4.2倍 | 約24% |
| 短大卒程度 | 4.9倍 | 約20% |
| 高卒程度 | 5.6倍 | 約18% |
高卒程度の方が倍率が高いのは、採用予定者数が他の区分より少ないためです。
自治体別の倍率
人気自治体
- 東京都:5~10倍
- 神奈川県:5~8倍
- 大阪府:5~8倍
地方自治体
- 地方都市:3~6倍
- 町村:2~5倍
必要な勉強時間

学習時間の目安
地方上級の試験対策には、一般的に1000~1500時間程度の学習が必要とされています。
学習期間別の勉強時間
- 1年間:1日3時間×365日=1095時間
- 8ヶ月間:1日4.5時間×240日=1080時間
- 6ヶ月間:1日6時間×180日=1080時間
科目別の学習時間配分
教養試験:400~500時間
- 数的処理:150時間
- 文章理解:100時間
- 社会科学:80時間
- 人文科学:70時間
- 自然科学:100時間
専門試験:600~800時間
- 法律科目:300時間
- 経済科目:200時間
- 行政科目:100~200時間
論文・面接対策:100~200時間
難易度を下げる勉強法

効率的な学習戦略
1. 出題科目を絞る 選択式の自治体では、得意科目を中心に勉強することで効率化できます。
2. 数的処理を優先 教養試験の25問中、数的処理が約15問を占めます。ここを重点的に対策することで得点が安定します。
3. 過去問演習を徹底 過去問を繰り返し解くことで、出題パターンが見えてきます。
4. 模擬試験を活用 本番の雰囲気に慣れ、時間配分の練習になります。
おすすめの学習スケジュール
1年前~8ヶ月前
- 基礎固め
- テキスト通読
- 基本問題演習
7ヶ月前~4ヶ月前
- 応用力養成
- 過去問演習
- 苦手分野の克服
3ヶ月前~試験直前
- 総仕上げ
- 模擬試験
- 論文対策
- 面接対策
合格率を上げるポイント

筆記試験対策
1. 足切りを避ける 教養・専門ともに4割を切ると足切りになる可能性があります。苦手科目も最低限の対策が必要です。
2. 得意科目を作る 8割以上取れる得意科目を2~3科目作ると、全体の得点が安定します。
3. 時事問題を押さえる 新聞やニュースアプリで日頃から情報収集しましょう。
面接対策
1. 自己分析を徹底
- なぜ公務員なのか
- なぜその自治体なのか
- 自分の強みは何か
2. 自治体研究 志望先の課題や施策を理解し、具体的に語れるようにします。
3. 模擬面接 予備校や大学のキャリアセンターで練習しましょう。
よくある質問

Q1: 地方公務員試験と国家公務員試験はどちらが難しいですか?
A: 地方上級と国家一般職は同レベルとされています。ただし、勤務地や仕事内容が異なるため、自分の志望に合った方を選ぶことが重要です。

Q2: 独学で合格できますか?
A: 可能ですが、学習範囲が広いため計画的な学習が必要です。予備校や通信講座の利用も検討しましょう。

Q3: 高卒でも地方上級を受験できますか?
A: 年齢要件を満たせば受験可能です。学歴要件ではなく、試験レベル(大卒程度)を示しています。

Q4: 倍率が低い自治体は狙い目ですか?
A: 倍率だけでなく、自分の志望や適性を重視すべきです。倍率が低くても、競争は厳しい場合があります。
Q5: 面接はどれくらい重視されますか?
A: 近年は人物重視の傾向が強く、面接の配点が高まっています。筆記試験だけでなく、面接対策も十分に行いましょう。
Q6: 併願はできますか?
A: 統一試験日は併願できませんが、独自日程の自治体や市役所試験との併願は可能です。
まとめ:地方公務員試験を正しく理解する

地方公務員試験は、学習範囲が広く一定の難易度がありますが、計画的に対策すれば合格は十分可能です。
試験内容
- 教養試験:一般知能+一般知識(50問)
- 専門試験:法律・経済・行政(40問)
- 論文試験:1000~1500字
- 面接試験:個別・集団・グループワーク
難易度
- 地方上級:国家一般職と同レベル
- 学習範囲が広い(30科目以上)
- 合格ラインは6割程度
合格率
- 平均倍率:4~5倍程度
- 合格率:20~25%程度
- 一次試験が最大の関門
必要な勉強時間
- 1000~1500時間
- 1日3時間×1年間が目安
- 科目ごとの戦略的な学習が重要
合格のポイント
- 数的処理を優先
- 過去問演習を徹底
- 足切りを避ける
- 面接対策を怠らない
最後に
地方公務員試験は難関ですが、適切な対策と十分な学習時間を確保すれば、合格は決して不可能ではありません。
自分に合った学習方法を見つけ、計画的に準備を進めましょう。
