「市役所の面接で『何か質問はありますか?』と聞かれたら何を言えばいい?」「逆質問で合否が変わるって本当?」「何を聞いたら面接官に好印象を与えられる?」
市役所(地方自治体)の採用面接において、最後に必ずと言っていいほど設けられる「逆質問(質問はありますか?)」の時間。ここで「特にありません」と答えてしまうと、それだけで評価が大きく下がることがあります。
実は逆質問は、志望度の高さ・行政への理解度・コミュニケーション力・入庁後のビジョンを一度に示せる、面接の中で最もコストパフォーマンスの高い時間です。
本記事では、市役所面接の逆質問について、面接官が逆質問で何を評価しているか・好印象を与える質問例20選・絶対に避けるべきNG質問・状況別の使い分けまで、合格に直結する情報を徹底解説します。
なぜ市役所の面接で「逆質問」が重要なのか

面接官が逆質問で見ているポイント
「何か質問はありますか?」という問いは、単なる「時間調整」ではありません。面接官はこの質問を通じて、以下の要素を評価しています。
| 評価ポイント | 評価の視点 |
|---|---|
| 志望度の高さ | この市・この仕事をどれだけ真剣に調べているか |
| 行政・市への理解度 | 市の課題・施策・方針を把握したうえで質問しているか |
| 入庁後のビジョン | 具体的にどんな仕事をしたいかが見える質問かどうか |
| コミュニケーション力 | 相手の立場を考えた適切な質問ができるか |
| 素直さ・成長意欲 | 仕事を通じて何を学びたいかへの関心があるか |
| 論理的思考力 | 質問の背景・意図が整理されているか |
採用担当者の本音: 「逆質問がない受験者は、本当にこの市で働きたいのか疑問を感じる。質問の内容よりも『質問がある・ない』の差が大きい」という声は、全国の自治体の採用担当者から共通して聞かれます。
逆質問は「最後の自己PR」の機会
面接の本体(志望動機・自己PR・ストレス耐性など)で伝えきれなかったことを、逆質問の中で補完することができます。
例えば「○○の業務に関心があるため確認したいのですが……」という形で質問することで、自然に自分の関心・強みを面接官の記憶に残すことができます。
逆質問は単なる情報収集ではなく、「最後の自己PR」として機能させることが理想です。
市役所面接で好印象を与える逆質問例20選

以下は、市役所採用面接で実際に使える逆質問の例です。状況・段階別に整理しています。
カテゴリー①:業務・仕事内容に関する質問(5例)
【質問例1】配属後に最初に取り組むことになる業務はどのような内容が多いでしょうか?
意図:入庁後の業務を具体的にイメージしていることを示す。受け身でなく準備しようとしている姿勢が伝わる。
【質問例2】現在、○○課(志望する部署)が特に力を入れている取り組みや課題はどのようなものでしょうか?
意図:特定の部署への関心と事前調査の積み重ねを示す。「この市を具体的に調べてきた」ことが伝わる。
【質問例3】職員の方が日々の業務でやりがいを感じる瞬間はどのような場面でしょうか?
意図:行政の仕事のリアルを知りたいという純粋な関心と、長く働く意欲が伝わる。面接官が自分の経験を話しやすく、会話が弾みやすい。
【質問例4】デジタル化・DX推進が進むなかで、窓口業務の役割はどのように変化していくとお考えでしょうか?
意図:行政の最新動向(DX推進)を理解していることを示す。変化に対して積極的に向き合う姿勢が伝わる。
【質問例5】部署異動のサイクルや、職員がキャリアを形成していくうえで大切にしていることを教えていただけますか?
意図:長期的なキャリア形成への関心と定着意欲を示す。人事担当者や管理職が面接官にいる場合に特に有効。
カテゴリー②:市の施策・地域課題に関する質問(5例)
【質問例6】○○市の総合計画で掲げている○○施策について、現時点での進捗や課題をお聞かせいただけますか?
意図:事前に市の総合計画を読み込んでいることを具体的に示す。最も「この市を真剣に調べた」という印象を与えられる質問。
【質問例7】少子高齢化・人口減少が課題となっていますが、職員として最前線で感じている実態はいかがでしょうか?
意図:地域課題への関心と、行政側の現場感覚を知りたいという意欲が伝わる。社会問題への理解度も示せる。
【質問例8】近年、○○市が力を入れている移住・定住促進策について、現場からどのような反響がありますか?
意図:市の最新施策を調べていることを示しながら、現場の声を聞く姿勢が好印象を与える。
【質問例9】行政DXの推進において、住民への浸透・理解という点でどのような課題があると感じていらっしゃいますか?
意図:DX・デジタル化という時事的テーマへの関心と、住民目線での問題意識を示す。
【質問例10】○○市の財政状況を拝見したところ、○○の分野に重点投資されていると感じました。その背景にある考え方をお聞かせいただけますか?
意図:財政・予算という行政の根幹に関心を持っていることを示す。一歩踏み込んだ質問として差別化できる。
カテゴリー③:職場環境・組織文化に関する質問(5例)
【質問例11】○○市で長く活躍されている職員の方に共通する特徴や強みはどのようなものでしょうか?
意図:長期定着への意欲と、「自分もそうなりたい」という前向きな姿勢が伝わる。面接官が答えやすく会話が盛り上がる。
【質問例12】職員同士の連携・コミュニケーションを大切にするうえで、○○市が工夫されていることはありますか?
意図:組織の一員としての適応力・協調性への関心を示す。
【質問例13】新入職員が入庁後に感じるギャップや、乗り越えるまでに苦労する点があれば教えていただけますか?
意図:リアルな職場環境を事前に理解しようとする誠実さが伝わる。「入庁後に頑張る覚悟がある」という意欲も示せる。
【質問例14】研修制度・自己啓発支援について、実際に活用されている職員の方が多い制度はどのようなものでしょうか?
意図:入庁後の成長意欲・学習意欲を示す。自己啓発に積極的な姿勢は高評価につながる。
【質問例15】部署間の横連携(縦割りを超えた協力体制)について、○○市ではどのような取り組みをされていますか?
意図:行政の「縦割り問題」を認識したうえで、改善・連携に関心があることを示す。現状への批判ではなく建設的な関心として伝えることがポイント。
カテゴリー④:面接官自身の経験・経験を活かした質問(5例)
【質問例16】○○さん(面接官)がこの市役所に入ってよかったと感じる瞬間はどのようなときですか?
意図:面接官個人の経験・感情に寄り添う質問は、場の雰囲気を和ませ好印象を与える。面接官自身が語りやすい質問でもある。
【質問例17】ご担当の部署では、どのような人物が活躍されていると感じますか?
意図:「自分がその特徴を持っているか確認したい」という真剣さと、活躍イメージを明確にしたい意欲が伝わる。
【質問例18】入庁して最初の数年間で、特に意識してほしいことや身につけておくべきことはありますか?
意図:先輩職員としての視点からのアドバイスを求める姿勢が、素直な学習意欲として高評価につながる。
【質問例19】これまでのご経歴のなかで、行政職員として最も印象に残っている業務やプロジェクトはありますか?(差し支えなければ)
意図:面接官の実体験を引き出す質問は、面接全体を通じて最も記憶に残る逆質問になり得る。ただし「差し支えなければ」という配慮の一言が重要。
【質問例20】採用後に最も期待されているスキル・経験はどのようなものでしょうか?私が入庁前に準備しておくべきことはありますか?
意図:「内定を前提に準備を始めたい」という強い志望意欲が伝わる。合格への自信と積極性を示す上級の質問。
絶対に避けるべき「NG逆質問」

NG①:「特にありません」「大丈夫です」
最も避けるべき回答です。「この市への関心がない」「面接を早く終わらせたい」という印象を与え、評価が急落します。どんな状況でも最低1〜2問は準備しておきましょう。
NG②:給与・残業・休日に関する待遇の質問
- 「残業はどのくらいありますか?」
- 「給与はどれくらいもらえますか?」
- 「有給は取りやすいですか?」
これらは調べれば分かる情報であり、逆質問で聞くと「待遇目的で入庁を考えている」という消極的な印象を与えます。待遇は市の採用案内・給与条例で事前に確認しておきましょう。
NG③:市のホームページや広報誌に載っている情報を聞く
- 「○○市の人口はどのくらいですか?」
- 「部署はいくつありますか?」
事前調査で分かる情報を逆質問で聞くことは、「研究不足」という強い印象を与えます。逆質問の前に市の総合計画・広報誌・ホームページは必ず読み込んでおきましょう。
NG④:否定的・批判的なニュアンスを含む質問
- 「市役所はお役所仕事と言われていますが、実際はどうなのですか?」
- 「縦割り行政の問題はどう解決するつもりですか?」
面接の場で行政批判・組織批判につながる質問は、どれだけ問題意識があっても「扱いにくい人材」という印象を与えます。同じ関心でも「連携を強化するための取り組みについて教えてください」という建設的な表現に変えることで好印象になります。
NG⑤:個人的すぎる・場違いな質問
- 「職場に面白い人はいますか?」
- 「仕事終わりに飲み会はありますか?」
親しみやすさを出そうとした質問でも、採用面接では場違いな印象を与えます。「公の場にふさわしい質問か」を自問してから発言しましょう。
逆質問の準備と当日の使い方

事前準備:5〜7問を用意しておく
面接当日は緊張から頭が真っ白になることがあります。あらかじめ5〜7問の逆質問を準備し、メモして臨むことをおすすめします。
準備のステップ:
- 市の総合計画・広報誌・市長のメッセージを読む → 市の課題・施策・方向性を把握する
- 志望する部署の業務内容を調べる → 「○○課の○○業務について」という具体的な質問を作る
- OB/OG訪問・採用説明会で得た情報を質問に変換する → 「説明会でお聞きした○○について、詳しくお聞かせください」という形にする
- 「自分が最も知りたいこと」と「面接官が答えやすいこと」の交差点を探す → 難しすぎる質問(機密性の高い政策判断など)は避ける
当日の使い方:2〜3問を状況に応じて選ぶ
準備した5〜7問のうち、当日の面接の流れを見て2〜3問を選んで質問します。
選ぶ基準:
- 面接でまだ触れられていないテーマ(すでに話した内容は避ける)
- 面接官の経験・立場に合った質問(採用担当なら職場環境系、現場管理職なら業務系)
- 自分の強み・関心を自然に盛り込める質問
質問の仕方:
- 「先ほどのお話で○○とおっしゃっていましたが……」という形で面接の内容につなげると自然
- 1問ごとに面接官の回答を受け止め、「ありがとうございます。参考になりました」と丁寧に反応する
- 回答に対して「それは○○という意味でしょうか」と確認する姿勢も好印象
オンライン面接での逆質問の注意点
近年はオンライン面接(Zoom・Teams等)を実施する自治体も増えています。オンラインでの逆質問では以下の点に注意しましょう。
- カメラを見て話す(画面を見がちだがカメラを意識する)
- やや大きめの声・ゆっくりとしたテンポで話す(音声が聞き取りにくい環境への配慮)
- メモを見ながらでも不自然でない(オンラインならメモを手元に置くことを事前に断れば問題ない)
よくある質問(FAQ)

Q. 逆質問は何問すればいい?
A. 2〜3問が理想的です。1問だけでは「それしか気になることがないのか」という印象になることがあり、4問以上になると面接官の時間を圧迫します。用意した5〜7問の中から当日の状況に合わせて2〜3問を選びましょう。
Q. 既に説明会・インターンで聞いた内容を逆質問してもいい?
A. 同じ内容を繰り返すのは避けてください。ただし「説明会で○○とお聞きしましたが、もう少し詳しく教えていただけますか?」という形で深掘りするのは有効です。「説明会に参加していた」という事実も自然にアピールできます。
Q. 逆質問の時間がないと言われたらどうする?
A. 「時間がない」と言われた場合は、1問だけ短く質問することを試みてください。「1点だけ確認させてください」と前置きして聞くことは問題ありません。どうしても時間がない場合は「また機会があればお聞きしたいと思います」と伝えるだけでも、関心を示すことができます。
Q. 一次面接と二次面接で逆質問を変えるべき?
A. 変えることをおすすめします。 一次面接(人事担当・若手職員が担当することが多い)では職場環境・業務内容・成長機会について聞き、二次面接(管理職・幹部が担当することが多い)では市の施策・組織の方向性・リーダーシップ観について聞くと、それぞれの面接官にとって答えやすく、評価も高くなります。
まとめ:市役所面接の逆質問は「最後の自己PR」として準備しよう

本記事の重要ポイントをまとめます。
- 逆質問は「特にありません」が最悪の回答。最低2〜3問は準備することが大前提
- 面接官は逆質問で志望度・行政への理解度・コミュニケーション力・入庁後ビジョンを評価している
- 好印象を与える質問は業務内容・市の施策・職場環境・面接官の経験に関するもの
- NG質問は「特にない」「待遇に関する質問」「調べれば分かること」「批判的なニュアンス」
- 事前に市の総合計画・広報誌・採用案内を熟読することで質問の質が飛躍的に向上する
- 5〜7問準備して、当日の状況に応じて2〜3問を選ぶのが最も安全で効果的な戦略
- 逆質問は「情報収集」ではなく「最後の自己PR・熱意の証明」として活用する
逆質問は面接全体の中でわずか数分ですが、そこで見せる「この市で働きたい」という本気の姿勢が、面接官の記憶に最後まで残ります。準備に時間をかけるほど、面接全体の印象が底上げされます。ぜひ本記事の質問例を参考に、自分らしい逆質問を磨き上げてください。
