「地方公務員の面接って何を聞かれる?」「どう準備すればいい?」「面接で落ちないためのポイントは?」公務員試験を目指す方にとって、筆記試験と同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのが面接試験です。
地方公務員の面接試験は、近年その重要性が高まっており、配点が筆記試験の2倍というケースも珍しくありません。
面接では「志望動機」「自己PR」「公務員としての適性」「コミュニケーション能力」などが評価されます。筆記試験で高得点でも、面接で評価されなければ不合格になる時代です。
本記事では、地方公務員の面接試験について、出題される質問例、対策方法、評価ポイント、合格するためのコツまで、すべてを網羅的に解説します。
この記事を読むことで、以下のことが分かります。
- 地方公務員面接の形式と配点
- 頻出質問50選と模範回答例
- 志望動機の作り方
- 自己PRの効果的な伝え方
- 面接官が見ているポイント
- よくある失敗パターンと対策
- 面接当日の流れと注意点
- 模擬面接の活用法
面接試験を完全攻略し、合格を勝ち取りましょう。
地方公務員面接の基本

面接試験の形式
地方公務員の面接試験には、主に以下の形式があります。
個別面接
- 最も一般的な形式
- 面接官3〜5名 vs 受験者1名
- 時間:20〜40分程度
- 質問形式で評価
集団面接
- 複数の受験者を同時に面接
- 面接官3〜5名 vs 受験者5〜8名
- 時間:40〜60分程度
- 他の受験者と比較される
集団討論(グループディスカッション)
- 受験者5〜8名でテーマについて討論
- 面接官は討論を観察
- 時間:40〜60分程度
- 協調性やリーダーシップを評価
回数
- 1次面接、2次面接、最終面接の3回が一般的
- 自治体により1〜3回
進行: 一次面接では基本的な質問、二次・最終面接では深掘りした質問が中心
面接の配点と重要性
近年、面接試験の配点が大幅に引き上げられています。
配点例(東京都)
- 筆記試験:100点
- 面接試験:200点
- 面接が筆記の2倍
配点例(一般的な自治体)
- 筆記試験:200点
- 面接試験:300点
- 面接が筆記の1.5倍
傾向: 筆記試験で高得点でも、面接で評価されなければ逆転される時代です。
理由
- 人物重視の採用へシフト
- コミュニケーション能力の重視
- 組織への適応力の評価
- 離職率の低減
面接で評価されるポイント
面接官は、以下のポイントを評価しています。
1. コミュニケーション能力
- 質問の意図を理解しているか
- 論理的に話せるか
- 明瞭に話せるか
2. 公務員としての適性
- 公共の利益を考えているか
- 奉仕の精神があるか
- 倫理観があるか
3. 志望意欲
- なぜこの自治体なのか
- 本気で働きたいのか
- 調査・研究しているか
4. 人物・人柄
- 誠実か
- 協調性があるか
- 信頼できるか
5. ストレス耐性
- プレッシャーに強いか
- 冷静に対応できるか
頻出質問と対策

志望動機に関する質問
Q1: なぜ公務員を志望するのですか?
模範回答例: 「私は大学時代、地域ボランティアに参加し、地域社会の課題を肌で感じました。民間企業も考えましたが、利益を超えた公共の福祉に直接貢献できる公務員の仕事に強く惹かれました。特に〇〇市の△△政策に感銘を受け、私もこの政策に携わりたいと思い志望しました。」
ポイント
- 具体的な経験を述べる
- 民間との違いを理解している
- 自治体の政策に言及
NG回答: 「安定しているから」「給料がいいから」
Q2: なぜ民間企業ではなく公務員なのですか?
模範回答例: 「民間企業も魅力的ですが、公務員には利益を超えた公共の利益を追求できる点に惹かれました。すべての住民に公平にサービスを提供し、地域全体を良くしていくという使命に共感しています。」
Q3: なぜこの自治体を志望するのですか?
模範回答例: 「私は〇〇市出身で、この街で育ち、この街の良さも課題も理解しています。特に△△地区の商店街活性化や、××施策に感銘を受けました。私も〇〇市の発展に貢献したいと強く思い、志望しました。」
ポイント
- 自治体の具体的な政策に言及
- 地元愛をアピール(地元の場合)
- 事前調査をしっかり行っている
Q4: 国家公務員ではなく、なぜ地方公務員なのですか?
模範回答例: 「国家公務員も重要な仕事ですが、私は住民に最も近い立場で、直接感謝される仕事がしたいと考えています。地方公務員は住民の顔が見える距離で働け、地域の課題解決に直接携われる点に魅力を感じています。」
Q5: どの部署で働きたいですか?
模範回答例: 「私は福祉部門で働きたいと考えています。大学で社会福祉を学び、高齢者福祉施設でのボランティア経験もあります。超高齢社会において、福祉行政の重要性は増していくと考え、この分野で貢献したいです。ただし、配属はどの部署でも全力で取り組みます。」
ポイント
- 希望部署を述べる
- その理由と経験を説明
- 「配属はどこでも頑張る」と付け加える
自己PRに関する質問
Q6: 自己PRをしてください。
模範回答例: 「私の強みは、粘り強く物事に取り組む力です。大学時代、地域活性化プロジェクトのリーダーを務めました。最初は協力者が集まらず苦労しましたが、一人ひとりに丁寧に説明し、半年かけて20名の協力者を集めました。最終的にイベントには300名が参加し、地域の方々から感謝の言葉をいただきました。この粘り強さを公務員の仕事にも活かしたいと思います。」
構成
- 強みを一言で述べる
- 具体的なエピソード(STAR法)
- 結果・成果
- 公務員の仕事との関連
STAR法
- Situation(状況)
- Task(課題)
- Action(行動)
- Result(結果)
Q7: あなたの長所と短所を教えてください。
長所の例: 「私の長所は、人の話をよく聞くことです。大学のゼミでは、メンバーの意見を丁寧に聞き取り、全員が納得できる方向性をまとめる役割を担っていました。この傾聴力は、住民の声を聞く公務員の仕事に活かせると考えています。」
短所の例: 「私の短所は、完璧主義なところです。資料作成などで細部にこだわりすぎ、時間がかかることがあります。現在は、優先順位をつけて、重要なポイントに集中するよう意識しています。」
ポイント
- 短所は改善努力も述べる
- 短所を長所に言い換えない
Q8: 学生時代に最も力を入れたことは何ですか?
模範回答例: 「私が最も力を入れたのは、留学生支援ボランティアです。大学に来日した留学生の生活サポートを2年間行いました。言葉の壁もあり、彼らの悩みを理解するのに苦労しましたが、根気よく向き合い、10名以上の留学生を支援しました。この経験から、多様な背景を持つ人々と協働する力を学びました。」
公務員としての適性に関する質問
Q9: 公務員に必要な資質は何だと思いますか?
模範回答例: 「公務員に必要な資質は3つあると考えます。第一に、公平性です。すべての住民に平等にサービスを提供する姿勢が重要です。第二に、奉仕の精神です。住民の利益を最優先に考える姿勢が求められます。第三に、継続的な学習意欲です。法令や制度が変わる中、常に学び続ける必要があります。」
Q10: 住民からクレームを受けたらどうしますか?
模範回答例: 「まず、住民の話を最後まで丁寧に聞きます。感情的になっている場合も、冷静に受け止めます。その上で、事実関係を確認し、自治体側に非があれば素直に謝罪します。制度上対応できない場合は、丁寧に説明し、代替案があれば提案します。また、一人で判断せず、上司に報告・相談します。」
Q11: 公務員の不祥事についてどう思いますか?
模範回答例: 「公務員の不祥事は、住民の信頼を大きく損ない、許されないことだと思います。公務員は税金で働いており、高い倫理観が求められます。私自身、常に法令遵守と公正な職務遂行を心がけ、疑われるような行為は絶対にしないよう努めます。」
Q12: 全体の奉仕者とはどういう意味ですか?
模範回答例: 「全体の奉仕者とは、特定の個人や団体ではなく、すべての住民の利益のために働くという意味だと理解しています。たとえ一部の住民から反対があっても、全体の利益を考えて公平に判断することが求められると考えます。」
時事問題・政策に関する質問
Q13: 最近関心のあるニュースは何ですか?
模範回答例: 「最近関心があるのは、少子高齢化対策です。〇〇市でも高齢化率が30%を超え、保育所の待機児童問題も深刻です。子育て支援と高齢者福祉の両立が急務だと考えます。私も公務員として、この課題解決に貢献したいと思います。」
ポイント
- 自治体に関連するニュースを選ぶ
- 単なる事実の説明だけでなく、自分の考えも述べる
Q14: この自治体の課題は何だと思いますか?
模範回答例: 「〇〇市の課題は、人口減少と商店街の衰退だと考えます。若者の流出が進み、中心市街地の活気が失われています。移住促進策や商店街活性化事業など、総合的な対策が必要だと思います。」
注意点: 事前に自治体の総合計画や予算を調べておく
Q15: AIの発展で公務員の仕事はなくなると思いますか?
模範回答例: 「定型業務はAIに置き換わる可能性がありますが、公務員の仕事の本質である『住民に寄り添う』という部分は、人間にしかできないと考えます。むしろAIで効率化できる部分は任せ、公務員はより人間的な判断や対応に注力すべきだと思います。」
その他の頻出質問
Q16: 併願状況を教えてください。
模範回答例: 「〇〇市を第一志望として、近隣の△△市と、国家一般職を併願しています。いずれも地方公務員として地域に貢献したいという思いは同じです。ただし、〇〇市は私の地元でもあり、最も働きたい自治体です。」
ポイント
- 正直に答える
- 第一志望であることを強調
Q17: 最後に何か質問はありますか?(逆質問)
良い質問例
- 「入庁までに勉強しておくべきことはありますか?」
- 「新人職員に期待されることは何ですか?」
- 「〇〇課の仕事のやりがいを教えてください。」
NG質問
- 「給料はいくらですか?」(HPで分かること)
- 「残業は多いですか?」(ネガティブな印象)
- 「特にありません。」(意欲が感じられない)
志望動機の作り方

志望動機の構成
効果的な志望動機は、以下の構成で作ります。
構成
- 結論:なぜ公務員か、なぜこの自治体か
- きっかけ・理由:具体的な経験やエピソード
- 自治体への理解:調査したこと、共感した政策
- 意欲・抱負:どう貢献したいか
例: 「私が〇〇市職員を志望する理由は、地域に根ざした福祉行政に携わりたいからです。(結論)大学時代、祖母の介護を経験し、高齢者福祉の重要性を実感しました。(きっかけ)〇〇市の『地域包括ケアシステム』の先進的な取り組みに感銘を受け、私もこの政策に関わりたいと思いました。(自治体理解)入庁後は、福祉の現場で住民に寄り添い、誰もが安心して暮らせる街づくりに貢献したいと考えています。(意欲)」

自治体研究の方法
説得力のある志望動機には、自治体研究が不可欠です。
調べるべき項目
- 自治体の基本情報(人口、面積、産業)
- 総合計画・基本計画
- 重点政策・施策
- 予算・決算
- 首長の方針
- 最近のニュース
情報源
- 自治体の公式サイト
- 広報誌
- 議会議事録
- 新聞記事
- 実際に訪問
ポイント: 具体的な政策名や数字を盛り込むと説得力が増します。
面接当日の注意点

身だしなみ
第一印象は非常に重要です。
服装
- 男性:黒・紺のリクルートスーツ、白シャツ、ネクタイ
- 女性:黒・紺のリクルートスーツ、白ブラウス
髪型
- 清潔感のある髪型
- 前髪が目にかからない
- 男性:短髪、女性:まとめる
その他
- 靴は磨いておく
- 爪は短く切る
- 派手なアクセサリーは避ける
- 香水は控える
入退室のマナー
入室
- ドアをノックする(3回)
- 「どうぞ」と言われてから入室
- 「失礼します」と言う
- ドアを静かに閉める
- 椅子の横に立ち、「〇〇です。よろしくお願いします」と挨拶
- 「どうぞ」と言われてから着席
退室
- 「本日はありがとうございました」と挨拶
- 椅子の横に立つ
- 一礼
- ドアの前で「失礼します」と一礼
- 静かに退室
話し方のポイント
基本
- ハキハキと明瞭に話す
- 適度な声の大きさ
- 語尾まではっきり
- 早口にならない
視線
- 面接官の目を見る
- 複数いる場合は均等に
- 視線をそらしすぎない
姿勢
- 背筋を伸ばす
- 手は膝の上
- 足を組まない
- 頬杖をつかない
よくある失敗パターンと対策

失敗パターン1:暗記した答えを棒読み
問題点: 機械的で、熱意が伝わらない
対策
- 暗記ではなく、要点を覚える
- 自分の言葉で話す
- 感情を込める
失敗パターン2:質問の意図を理解していない
問題点: 質問とずれた回答をしてしまう
対策
- 質問をよく聞く
- 分からなければ確認する
- 結論から先に述べる
失敗パターン3:ネガティブな発言
問題点: 「前の会社が嫌だったから」「楽そうだから」
対策
- ポジティブな理由を述べる
- 前向きな姿勢を示す
失敗パターン4:自治体研究不足
問題点: 「なぜこの自治体か」に答えられない
対策
- 事前に徹底的に調査
- 具体的な政策に言及
- 実際に訪問する
失敗パターン5:緊張しすぎて言葉が出ない
問題点: 沈黙が続いてしまう
対策
- 模擬面接で場慣れする
- 深呼吸する
- 「少し考えさせてください」と言う
模擬面接の活用

模擬面接の重要性
面接は練習が不可欠です。
効果
- 場慣れできる
- 改善点が分かる
- 自信がつく
- 想定外の質問に対応できる
回数: 最低5回は行う
模擬面接の方法
1. 予備校・専門学校
- プロの指導が受けられる
- 費用:1回5,000円〜10,000円
2. 大学のキャリアセンター
- 無料で利用可能
- 在学生のみ
3. ハローワーク
- 無料で利用可能
- 予約制
4. 友人・家族
- 気軽にできる
- 録画して客観的に見る
フィードバックのポイント
- 話し方
- 視線
- 姿勢
- 回答の内容
- 印象
まとめ:地方公務員面接を完全攻略する

地方公務員の面接試験について、質問例から対策まで解説してきました。最後に重要なポイントをまとめます。
面接攻略の7つのポイント
- 面接の重要性を理解する
- 配点が筆記の1.5〜2倍
- 筆記高得点でも面接で逆転される
- 人物重視の時代
- 頻出質問への準備が不可欠
- 志望動機、自己PR、長所短所
- 時事問題、政策への理解
- 逆質問の準備
- 志望動機は自治体研究が鍵
- 具体的な政策に言及
- なぜこの自治体かを明確に
- 熱意を伝える
- 自己PRはSTAR法で
- 具体的なエピソード
- 数字で成果を示す
- 公務員の仕事との関連
- 第一印象が重要
- 清潔感のある身だしなみ
- 明るい表情
- ハキハキとした話し方
- 失敗パターンを避ける
- 暗記の棒読みNG
- ネガティブ発言NG
- 自治体研究不足NG
- 模擬面接で練習する
- 最低5回は実施
- フィードバックを活かす
- 場慣れが重要
最後に
面接で最も重要なのは、「この人と一緒に働きたい」と思わせることです。
そのため、下記のことを意識して面接試験に挑みましょう。
- 誠実な態度
- 熱意を持って話す
- 自分の言葉で語る
- 公務員としての適性をアピール
面接は練習すれば必ず上達します。模擬面接を繰り返し、自信を持って本番に臨みましょう。
この記事が、地方公務員面接の攻略と合格の一助となれば幸いです。頑張ってください!
