会計年度任用職員の志望動機の書き方完全ガイド|受かる例文と7つのNG表現を徹底解説

会計年度任用職員の履歴書を書く際、最も悩むのが「志望動機」ではないでしょうか。

「どう書けば採用されやすいのか」「何を書いてはいけないのか」—本記事では、面接官に響く志望動機の書き方から、職種別の例文、絶対に避けるべきNG表現まで詳しく解説します。

会計年度任用職員の志望動機で押さえるべき2つの基本
1. 基本1:自分を採用するメリットを伝える
2. 基本2:仕事に対する意欲と熱意を伝える
志望動機の効果的な構成方法
職種別:志望動機の例文集
絶対に避けるべきNG志望動機7選
志望動機作成時の5つのポイント
面接で志望動機を聞かれた場合の答え方
よくある質問と回答
まとめ:志望動機で合格を勝ち取るために

会計年度任用職員の志望動機で押さえるべき2つの基本

志望動機を作成する前に、まず基本的な考え方を理解しておきましょう。

基本1:自分を採用するメリットを伝える

面接官が志望動機を聞く最大の理由は、「なぜあなたを採用しなければならないのか」を知りたいからです。

面接官自身も、上司に対して採用理由を説明する必要があります。

そのため、面接官が納得できる「採用するメリット」を提供することが重要です。

採用メリットの具体例

前職で培ったスキルが募集業務に直結する
必要な資格や経験を持っている
地域や業務への深い理解がある
即戦力として貢献できる能力がある

基本2:仕事に対する意欲と熱意を伝える

同じスキルを持つ応募者が複数いた場合、最終的に採用されるのは仕事への意欲や熱意が感じられる人です。

ただし、単に「やる気があります」と述べるだけでは不十分です。

具体的なエピソードや根拠を示すことで、意欲や熱意が本物であることを証明する必要があります。

志望動機の効果的な構成方法

志望動機は、以下の4つのステップで構成すると論理的でわかりやすくなります。

ステップ1:募集業務への従事意欲を表明

冒頭で、募集要項に記載された業務に従事したい意思を明確に述べます。

記載例

「貴自治体の○○課で募集されている一般事務職として、地域住民の皆様を支える業務に従事したいと考えております」
「保育士として、子どもたちの健やかな成長を支援する仕事に携わりたく応募いたしました」

募集要項に記載されているレベルの業務内容を具体的に書くことがポイントです。

ステップ2:その業務を希望する理由を説明

なぜその業務に魅力を感じたのか、具体的な理由を述べます。

記載例

「以前から地域社会に貢献できる仕事に興味があり、特に市民の方々と直接接する窓口業務に魅力を感じました」
「公立保育施設での勤務を通じて、地域の子育て支援により深く関わりたいと考えるようになりました」

自分の価値観や経験と結びつけることで、説得力が増します。

ステップ3:自分のスキル・経験が業務に合致することを説明

募集業務で求められる人材やスキルと、自分の持つ能力が合致していることを具体的に示します。

事務職の例

求められるスキル:パソコン操作、ワード・エクセル、窓口対応
自分の経験:前職で5年間事務職として書類作成やデータ管理を担当し、Microsoft Officeを日常的に使用してきた

窓口業務の例

求められるスキル:コミュニケーション能力、柔軟な対応力
自分の経験:小売業で10年間接客業務に従事し、幅広い年代の方々への丁寧な対応を心がけてきた

ステップ4:貢献したい意欲で締めくくる

最後に、自分のスキルや経験を活かして貢献したいという意欲を述べて完結させます。

記載例

「これまでの経験を活かし、正確で効率的な業務遂行を通じて、自治体の円滑な運営に貢献したいと考えております」
「私の保育経験を活かし、子どもたちの成長と保護者の皆様の期待に応える保育士として尽力いたします」

職種別:志望動機の例文集

実際の志望動機の例文を職種別に紹介します。

例文1:一般事務職(経験者)

貴市の○○課で募集されている一般事務職として、地域住民の皆様を支える業務に従事したいと考え、応募いたしました。

私は前職で5年間、民間企業の総務部で事務職を担当し、書類作成、データ管理、来客対応などの業務を経験してまいりました。特にExcelでのデータ集計やWordでの文書作成には習熟しており、正確で効率的な業務遂行を心がけてきました。

行政の仕事を通じて地域の発展に貢献したいという思いが以前からあり、今回の募集を知り、これまでの事務経験を活かせる機会だと感じました。市民の方々と接する機会も多いと伺っており、丁寧でわかりやすい対応を心がけ、信頼される職員を目指します。

前職で培ったスキルと真摯な姿勢で、貴市の円滑な行政運営に貢献できるよう、精一杯努めてまいります。

例文2:窓口業務(接客業からの転職)

貴市の市民課で募集されている窓口業務の任用職員として、地域住民の皆様の生活を支える仕事に携わりたく応募いたしました。

人と接することが好きで、前職では小売業で10年間接客業務に従事してまいりました。様々なご要望を持つお客様に対し、丁寧で明るい対応を心がけ、お客様満足度向上に貢献してまいりました。クレーム対応の経験も豊富で、どのような状況でも冷静に対応する力を身につけています。

以前から地域に密着した仕事に興味があり、特に市民の方々の困りごとを直接解決できる窓口業務に魅力を感じました。行政手続きは複雑なことも多く、不安を抱える方もいらっしゃると思いますが、わかりやすく丁寧に説明し、安心していただける対応を心がけたいと考えています。

これまでの接客経験で培ったコミュニケーション能力を活かし、市民の方々に信頼される窓口職員として貢献できるよう努力いたします。

例文3:保育士(公立保育施設希望)

貴自治体の公立保育所で募集されている保育士として、子どもたちの健やかな成長を支援する仕事に従事したく応募いたしました。

私は民間の保育施設で5年間、正職員として勤務し、0歳児から5歳児までの保育に携わってまいりました。一人ひとりの個性を尊重し、発達段階に応じた保育を実践することを心がけ、保護者の方々からも信頼をいただいてきました。

今回、公立保育施設での勤務を希望した理由は、地域の子育て支援により深く関わりたいと考えたためです。公立施設ならではの運営方針や教育方法、また地域社会へ貢献できることに大きな魅力を感じました。特に貴自治体の保育所は、地域の保護者の方々からの評価も高く、私の専門性をさらに高める絶好の機会だと捉えております。

これまでの保育経験を活かし、子どもたちの笑顔あふれる毎日と、保護者の皆様の期待に応える保育士として全力を尽くす所存です。

例文4:図書館職員

貴市立図書館で募集されている図書館業務の任用職員として、市民の皆様の学びと読書活動を支援する仕事に携わりたく応募いたしました。

本が好きで、大学時代から図書館でアルバイトをし、貸出返却業務、配架作業、レファレンスサービスなどを経験してまいりました。利用者の方から「探していた本が見つかった」「良い本を紹介してもらえた」と感謝されることに大きなやりがいを感じてきました。

図書館は地域の知の拠点であり、子どもからお年寄りまで幅広い世代の方々が利用する公共施設です。一人ひとりの利用目的やニーズに合わせた丁寧な対応を心がけ、図書館をより身近に感じていただける環境づくりに貢献したいと考えています。

これまでの経験で身につけた図書館業務の知識とサービス精神を活かし、市民の皆様の読書活動と生涯学習を支える職員として尽力いたします。

例文5:学校事務職(子育て経験あり)

貴市立小学校で募集されている学校事務職として、教育現場を支える仕事に従事したく応募いたしました。

私自身の子育てを通じて、子どもたちの成長を支えることに喜びと充実感を感じ、教育現場での仕事に興味を持つようになりました。前職では一般企業で5年間事務職を担当し、庶務業務、経理補助、データ管理などを経験してまいりました。

学校事務職として、直接子どもたちと関わる機会は多くないかもしれませんが、事務業務を通じて教育活動を支え、間接的にでも子どもたちの成長に貢献できることに大きな魅力を感じています。子どもたちの元気な声が溢れる場所で働けることを楽しみにしています。

これまでの事務経験で培った正確で丁寧な業務遂行能力を活かし、学校運営の円滑化と教職員の皆様のサポートに全力を尽くす所存です。

例文6:未経験からの応募

貴市の○○課で募集されている一般事務職として、地域社会に貢献できる仕事に従事したく応募いたしました。

事務職としての経験はございませんが、前職では販売職として5年間勤務し、在庫管理、売上データの集計、顧客対応などを担当してまいりました。特にパソコンを使ったデータ入力や集計作業には慣れており、基本的なWord・Excelの操作は問題なく行えます。

以前から地域に密着した仕事に興味があり、住民の方々の生活を直接支える行政の仕事に魅力を感じていました。未経験の分野ではありますが、前職で培った正確性と責任感、そして何事にも真摯に取り組む姿勢を活かし、一日でも早く戦力となれるよう努力する覚悟です。

わからないことは積極的に学び、周囲の方々と協力しながら、地域住民の皆様のお役に立てる職員を目指します。

絶対に避けるべきNG志望動機7選

志望動機として書いてはいけない内容を理解しておきましょう。

NG1:福利厚生が理由

NG例

「福利厚生が充実しているから」
「社会保険に加入できるから」
「有給休暇が取得しやすいから」

面接官も応募者がこうした本音を持っていることは承知していますが、これらは採用の加点要素にはなりません。

他の応募者との差別化にもならないため、志望動機には盛り込まないようにしましょう。

NG2:ホワイトな職場を求めている

NG例

「残業が少ない職場で働きたいから」
「ワークライフバランスを重視したいから」
「精神的に楽な仕事をしたいから」

働きやすさを求める気持ちは理解できますが、志望動機としては不適切です。

仕事への意欲が低いと判断される可能性があります。

NG3:通勤の便利さ

NG例

「自宅から近いから」
「通勤時間が短いから」
「駐車場があるから」

立地条件は確かに重要ですが、それだけを理由にすると「どこでもいい」という印象を与えてしまいます。

NG4:つなぎの仕事として

NG例

「次の就職先を見つけるまでのつなぎとして」
「正社員の仕事が見つかるまで働きたい」
「転職活動と並行して働きたい」

任期途中で辞める可能性が高いと判断され、採用されにくくなります。

会計年度任用職員は最長3年間働ける制度であり、任期満了まで働く意欲を示すことが重要です。

会計年度任用職員に定年はある？何歳まで働くことができる？

地方公務員法・地方自治法の改正により、全国すべての市町村で令和2年4月1日から「会計年度任用職員制度」が始まりました。ボーナスや退職手当が出るようになったり、有給休暇の使い勝手がよくなったりと待遇は以前の臨時的任用職員と比べて、かなり改善さ...

NG5:公務員だから安定している

NG例

「公務員は安定しているから」
「倒産の心配がないから」

会計年度任用職員は非常勤職員であり、正規の公務員とは異なります。

また、安定性だけを求める姿勢は、仕事への意欲が感じられません。

NG6:抽象的で具体性がない

NG例

「地域のために働きたいから」(理由が不明確)
「やりがいのある仕事だと思ったから」(何に対してやりがいを感じるのか不明)
「興味があったから」(興味の理由が説明されていない)

抽象的な表現は誰にでも当てはまるため、あなたを採用する理由になりません。

必ず具体的なエピソードや理由を添えましょう。

NG7:正職員になれなかったから(消極的理由)

NG例

「正職員試験に落ちたから」
「正職員の募集がなかったから」(否定的なニュアンス)

正職員を目指していたことは問題ありませんが、会計年度任用職員を「次善の策」として消極的に選んだという印象を与えないよう注意が必要です。

より良い表現: 「正職員の募集時期を逃してしまいましたが、会計年度任用職員として貴自治体の業務に従事することに大きな魅力を感じています。実際に現場で経験を積むことで、将来的に正職員を目指す際にも役立つと考えています」

このように前向きな表現に変換しましょう。

志望動機作成時の5つのポイント

より効果的な志望動機を作成するためのポイントを押さえておきましょう。

ポイント1:募集要項を熟読する

募集要項には業務内容、求める人物像、必要なスキルなどが記載されています。

これらの情報をもとに、自分の経験やスキルがどのように活かせるかを考えましょう。

確認すべき項目

配属先の部署
具体的な業務内容
必要な資格やスキル
勤務時間・勤務日
任期と更新の可能性

ポイント2:自治体の特色を調べる

応募先の自治体がどのような施策や取り組みを行っているか調べることで、志望動機に具体性を持たせることができます。

調べる方法

自治体の公式ウェブサイト
広報誌
地方新聞
議会議事録
SNS公式アカウント

ポイント3:自分の言葉で書く

テンプレートをそのまま使うのではなく、自分の経験や価値観に基づいた言葉で書くことが重要です。

面接で志望動機について深掘りされた際、自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。

ポイント4:丁寧に書く

特に事務職に応募する場合、履歴書の仕上がりは「仕事の丁寧さ」を示す重要な材料になります。

丁寧な履歴書のポイント

字が下手でも構わない、丁寧に書くことが重要
誤字脱字がないか複数回確認
修正液は使わず、間違えたら書き直す
志望動機欄をできるだけ文字で埋める

履歴書1枚を仕上げるのに1時間程度かけても構いません。

丁寧に作られた履歴書は、仕事への真摯な姿勢を示します。

ポイント5:空回りを恐れない

「会計年度任用職員は正職員の補助だから、大げさな志望動機を書くと空回りするのでは?」と心配する方もいますが、そのような心配は不要です。

現場で働く職員は、志望度が高く優秀な方に入庁してもらい、共に働きたいと切実に思っています。

しっかりとした志望動機は、面接の採点で有利に働きます。

もし心配であれば、履歴書にはきちんとした志望動機を書き、面接当日は面接官の雰囲気や質問の真意を見極めながら、どの程度詳しく伝えるかを調整すれば良いでしょう。

面接で志望動機を聞かれた場合の答え方

履歴書に書いた志望動機は、面接でも質問される可能性が高いため、口頭で説明できるよう準備しておきましょう。

基本的な答え方

時間配分

1~2分程度で簡潔に説明
長すぎると冗長になり、短すぎると意欲不足に見える

構成

結論(何の業務に従事したいか)
理由(なぜその業務を希望するのか)
自分のスキル・経験
貢献したい意欲

深掘り質問への対応

志望動機について、さらに以下のような質問をされることがあります。

「正職員ではなく、なぜ会計年度任用職員を志望するのですか?」

良い回答例: 「会計年度任用職員の募集を知った時点では、正職員の募集は終了しておりました。ただし、会計年度任用職員として実際に現場で経験を積むことで、行政の仕事への理解が深まり、将来的に正職員を目指す際にも大きく役立つと考えています。まずは会計年度任用職員として採用されることが目標であり、実際に働いてから正職員を目指すかどうかはじっくり検討したいと考えています」

「任期は最長3年ですが、それまで働く意思はありますか?」

良い回答例: 「はい、もちろんです。任期満了まで責任を持って業務に取り組む覚悟です。また、更新が可能であれば、ぜひ継続して働かせていただきたいと考えています」