「地方公務員の手取りって実際いくらなの?」「給料から何が引かれているの?」「民間企業と比べて多いの?少ないの?」地方公務員を目指す方や、すでに働いている方にとって、実際の手取り額は非常に気になる情報です。
地方公務員の給料は「給料表」に基づいて決定されますが、実際に口座に振り込まれる手取り額は、額面給与から様々な控除が引かれた金額です。

控除項目は多岐にわたり、税金、社会保険料、共済組合費など、総額で額面の20〜25%程度が差し引かれるのが一般的です。
本記事では、地方公務員の手取りについて、年齢別・職種別の具体例から控除項目の詳細、手取りを増やす方法まで、すべてを網羅的に解説します。
この記事を読むことで、以下のことが分かります。
- 年齢別・経験年数別の具体的な手取り額
- 額面給与から手取りまでの計算方法と控除項目
- 独身・既婚・子どもありなど家族構成別の手取り
- 職種別・自治体別の手取りの違い
- ボーナス(期末・勤勉手当)の手取り額
- 手取りを増やすための具体的な方法
- 民間企業との手取り比較
給料明細を正しく理解し、将来の生活設計に役立てましょう。
地方公務員の手取りとは?基本を理解する

額面給与と手取りの違い
地方公務員の給与を理解する上で、まず「額面」と「手取り」の違いを正確に把握することが重要です。
額面給与(総支給額)
- 給料表に基づいて決定される基本給
- 各種手当(地域手当、扶養手当、住居手当など)
- 残業代(時間外勤務手当)
- すべてを合計した金額
手取り(差引支給額)
- 額面給与から各種控除を引いた金額
- 実際に銀行口座に振り込まれる金額
- 生活に使える実質的な収入
基本的な計算式
手取り = 額面給与 - 控除合計
一般的に、地方公務員の手取りは額面の75〜80%程度になります。つまり、額面30万円の場合、手取りは約22.5〜24万円となります。
控除される項目の全体像
給料から控除される項目は、大きく分けて3つのカテゴリーに分類されます。
1. 税金(所得税・住民税)
- 所得税:国に納める税金(源泉徴収)
- 住民税:都道府県・市区町村に納める税金
2. 社会保険料
- 共済組合掛金(年金・医療保険)
- 雇用保険料(該当する場合)
3. その他の控除
- 互助会費
- 職員団体費(労働組合費)
- 財形貯蓄(任意)
- 共済貸付返済(該当する場合)
これらの控除項目について、次の章で詳しく解説していきます。
給料明細の見方
実際の給料明細には、以下のような項目が記載されています。
【支給欄】
- 給料月額
- 地域手当
- 扶養手当
- 住居手当
- 通勤手当
- 時間外勤務手当
- 総支給額
【控除欄】
- 所得税
- 住民税
- 共済組合掛金(短期・長期)
- 互助会費
- その他控除
- 控除合計
【差引支給額】
- 総支給額 – 控除合計 = 手取り額
給料明細を正確に読み解くことで、自分の給与構成と将来の収入見込みが理解できます。
控除項目の詳細と計算方法

所得税の計算
所得税は、課税所得に応じて段階的に税率が上がる累進課税制度です。
所得税の計算ステップ
- 課税所得の算出
課税所得 = 年収 - 給与所得控除 - 各種所得控除
- 税額の計算 所得税は以下の税率表に基づきます。
| 課税所得 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 195万円以下 | 5% | 0円 |
| 195万円超~330万円以下 | 10% | 97,500円 |
| 330万円超~695万円以下 | 20% | 427,500円 |
| 695万円超~900万円以下 | 23% | 636,000円 |
| 900万円超~1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
具体例:年収450万円、独身の場合
- 給与所得控除:約135万円
- 基礎控除:48万円
- 社会保険料控除:約65万円
- 課税所得:450万円 – 135万円 – 48万円 – 65万円 = 202万円
- 所得税:202万円 × 10% – 97,500円 = 約12.5万円
- 月額所得税:約10,400円
源泉徴収の仕組み: 毎月の給与から概算で所得税が引かれ、年末調整で過不足を精算します。
住民税の計算
住民税は、前年の所得に基づいて計算され、当年6月から翌年5月まで分割して徴収されます。
住民税の構成
- 所得割:課税所得の10%(都道府県民税4% + 市区町村民税6%)
- 均等割:年額約5,000円(自治体により異なる)
計算例:課税所得200万円の場合
- 所得割:200万円 × 10% = 20万円
- 均等割:5,000円
- 年間住民税:約20.5万円
- 月額住民税:約17,000円
注意点
- 1年目(新卒)は前年所得がないため住民税なし
- 2年目の6月から徴収開始
- 退職時も引き続き徴収される
共済組合掛金(社会保険料)
地方公務員は、民間企業の厚生年金・健康保険に相当する「共済組合」に加入します。

共済組合掛金の種類
1. 長期掛金(年金相当)
- 標準報酬月額 × 9.15%(令和6年度)
- 将来の年金の財源
- 事業主(自治体)も同額負担
2. 短期掛金(医療保険相当)
- 標準報酬月額 × 約5%(共済組合により異なる)
- 医療費の財源
- 事業主(自治体)も同額負担
3. 介護保険料(40歳以上)
- 標準報酬月額 × 約0.8%
- 介護保険の財源
計算例:給料月額30万円の場合
- 標準報酬月額:30万円(おおむね給料月額と同じ)
- 長期掛金:30万円 × 9.15% = 27,450円
- 短期掛金:30万円 × 5% = 15,000円
- 介護保険料(40歳以上):30万円 × 0.8% = 2,400円
- 合計:約44,850円
民間との比較: 共済組合の掛金率は、厚生年金・健康保険の合計とほぼ同水準ですが、福利厚生が充実している点が特徴です。
その他の控除
互助会費
- 月額:500〜2,000円程度
- 福利厚生事業の財源
- 結婚祝い金、弔慰金などに使われる
職員団体費(労働組合費)
- 月額:1,000〜3,000円程度
- 加入は任意だが、多くの職員が加入
財形貯蓄
- 任意の積立貯蓄
- 給与から天引き
- 住宅取得や老後資金の準備
これらを合計すると、月額2,000〜5,000円程度の控除となります。
年齢別・経験年数別の手取り額

新卒1年目(22歳)の手取り
基本データ
- 給料月額:約180,000円
- 地域手当(東京都特別区20%):約36,000円
- 通勤手当:15,000円
- 総支給額:約231,000円
控除内訳
- 所得税:約3,000円(1年目は低額)
- 住民税:0円(前年所得なし)
- 共済組合掛金:約32,000円
- その他控除:約2,000円
- 控除合計:約37,000円
手取り額:約194,000円
1年目の特徴
- 住民税がないため手取りが比較的多い
- 2年目から住民税が加わり手取りが減る
- ボーナスは満額支給されない場合がある

入庁5年目(26〜27歳)の手取り
基本データ
- 給料月額:約230,000円
- 地域手当(16%):約36,800円
- 住居手当:28,000円
- 通勤手当:15,000円
- 総支給額:約309,800円
控除内訳
- 所得税:約7,000円
- 住民税:約15,000円
- 共済組合掛金:約40,000円
- その他控除:約3,000円
- 控除合計:約65,000円
手取り額:約244,800円
5年目の特徴
- 昇給により給料月額が上昇
- 住民税の負担が本格化
- 住居手当で手取りが増える場合も
入庁10年目(32〜33歳)の手取り
【独身の場合】
基本データ
- 給料月額:約280,000円
- 地域手当(16%):約44,800円
- 住居手当:28,000円
- 通勤手当:15,000円
- 総支給額:約367,800円
控除内訳
- 所得税:約11,000円
- 住民税:約20,000円
- 共済組合掛金:約50,000円
- その他控除:約3,000円
- 控除合計:約84,000円
手取り額:約283,800円
【既婚・配偶者扶養・子ども1人の場合】
基本データ
- 給料月額:約280,000円
- 地域手当(16%):約46,600円(扶養手当にも地域手当がかかる)
- 扶養手当:16,500円(配偶者6,500円 + 子10,000円)
- 通勤手当:15,000円
- 総支給額:約358,100円 ※住居手当は配偶者扶養の場合、受給できないケースあり
控除内訳
- 所得税:約7,000円(扶養控除により減額)
- 住民税:約15,000円(扶養控除により減額)
- 共済組合掛金:約49,000円
- その他控除:約3,000円
- 控除合計:約74,000円
手取り額:約284,100円
既婚者の特徴
- 扶養控除により税金が減る
- 扶養手当により総支給額が増える
- 結果として独身とほぼ同等または若干多い手取りに

入庁15年目(37〜38歳)の手取り
基本データ
- 給料月額:約350,000円
- 地域手当(16%):約58,600円(扶養手当含む)
- 扶養手当:26,500円(配偶者 + 子2人)
- 通勤手当:15,000円
- 総支給額:約450,100円
控除内訳
- 所得税:約12,000円
- 住民税:約20,000円
- 共済組合掛金:約65,000円
- その他控除:約3,000円
- 控除合計:約100,000円
手取り額:約350,100円

入庁20年目(42〜43歳)の手取り
【課長級(管理職)の場合】
基本データ
- 給料月額:約450,000円
- 地域手当(16%):約76,000円(扶養手当含む)
- 管理職手当:60,000円
- 扶養手当:26,500円
- 通勤手当:15,000円
- 総支給額:約627,500円
控除内訳
- 所得税:約30,000円
- 住民税:約35,000円
- 共済組合掛金:約90,000円
- 介護保険料:約3,600円(40歳以上)
- その他控除:約3,000円
- 控除合計:約161,600円
手取り額:約465,900円
管理職の特徴
- 管理職手当により総支給額が大幅増
- ただし残業代は支給されない
- 税金・社会保険料の負担も増加

入庁30年目(52〜53歳)の手取り
【部長級の場合】
基本データ
- 給料月額:約550,000円
- 地域手当(16%):約91,600円
- 管理職手当:90,000円
- 扶養手当:10,000円(子が独立)
- 通勤手当:15,000円
- 総支給額:約756,600円
控除内訳
- 所得税:約55,000円
- 住民税:約50,000円
- 共済組合掛金:約115,000円
- 介護保険料:約4,400円
- その他控除:約3,000円
- 控除合計:約227,400円
手取り額:約529,200円
ボーナス(期末・勤勉手当)の手取り

ボーナスの計算方法
地方公務員のボーナスは、「期末手当」と「勤勉手当」の2つで構成されます。
年間支給月数(令和5年度標準)
- 期末手当:年2.6ヶ月分
- 勤勉手当:年1.9ヶ月分
- 合計:年4.5ヶ月分
計算基礎額
計算基礎額 = 給料月額 + 地域手当 + 扶養手当
支給額の計算
期末手当 = 計算基礎額 × 支給月数 × 在職期間別割合
勤勉手当 = 計算基礎額 × 支給月数 × 成績率
具体的なボーナス手取り額
入庁10年目、給料月額28万円、既婚・子1人の場合
【夏季ボーナス(6月)】
総支給額の計算
- 計算基礎額:280,000円 + 46,600円 + 16,500円 = 343,100円
- 期末手当:343,100円 × 1.3ヶ月 = 446,030円
- 勤勉手当:343,100円 × 0.95ヶ月 = 325,945円
- 総支給額:約772,000円
控除内訳
- 所得税:約40,000円(ボーナスは税率が高い)
- 住民税:0円(ボーナスからは引かれない)
- 共済組合掛金:約110,000円
- その他控除:0円
- 控除合計:約150,000円
手取り額:約622,000円
【冬季ボーナス(12月)】
同様の計算で、手取り額:約622,000円
年間ボーナス手取り:約124万円
ボーナスの控除率: 通常の月給より控除率が低く、約80%が手取りとなります。

1年目のボーナス
新規採用職員のボーナスは、在職期間に応じて減額されます。
6月支給分
- 4月採用の場合、在職期間が短いため大幅減額
- 通常の30〜50%程度
12月支給分
- 6ヶ月在職で約80%支給
- ほぼ満額に近い
1年目のボーナス手取り例
- 6月:約15万円
- 12月:約40万円
- 年間:約55万円
職種別・自治体別の手取りの違い

職種による手取りの違い
同じ自治体でも、職種によって給料表が異なり、手取りにも差が出ます。


【行政職】
- 基準となる給料表
- 最も一般的
【技術職(土木・建築等)】
- 行政職とほぼ同じ給料表
- 手当に若干の違いがある場合も
【医療職(医師)】
- 大幅に高い給料表
- 初任給から高額
- 例:医師5年目で手取り50〜70万円
【医療職(看護師・保健師)】
- 行政職より若干高い給料表
- 夜勤手当などで手取りが増える
- 例:看護師5年目で手取り28〜32万円
【教育職(教員)
- 教職調整額(給料の4%)が加算
- 残業代は出ない
- 例:教員5年目で手取り25〜28万円
【警察官・消防士】
- 特殊勤務手当が多い
- 24時間勤務による手当
- 例:消防士5年目で手取り27〜30万円
自治体による手取りの違い
同じ職種・経験年数でも、自治体によって手取りが大きく異なります。
地域手当の影響が最大
東京都特別区(20%)の入庁10年目
- 給料月額:280,000円
- 地域手当:56,000円
- その他手当:43,000円
- 総支給額:379,000円
- 手取り:約295,000円
地方都市・地域手当なし(0%)の入庁10年目
- 給料月額:280,000円
- 地域手当:0円
- その他手当:43,000円
- 総支給額:323,000円
- 手取り:約255,000円
差額:約4万円/月(年間約48万円)
都道府県別の傾向
- 東京都:最も高い
- 大阪府・神奈川県:高い
- 愛知県・福岡県:中程度
- 地方県:低め
ただし、物価や生活費も考慮する必要があります。


政令指定都市と一般市の違い
政令指定都市
- 給料水準が高め
- 地域手当が高い(10〜16%)
- 例:横浜市、大阪市、名古屋市
中核市
- 政令市よりやや低い
- 地域手当は中程度(3〜10%)
- 例:金沢市、岡山市、熊本市
一般市
- 給料水準は低め
- 地域手当なし、または低率(0〜6%)
- ただし生活費も安い
小規模町村
- 給料水準は最も低い
- 地域手当なし
- ただし物価も安く、実質的な生活水準は悪くない場合も
手取りを増やす方法

扶養家族を増やす
扶養家族がいると、税金が減り、手当が増えるため、手取りが増加します。
扶養控除による減税効果
- 配偶者控除:所得税・住民税が年間約5〜7万円減
- 扶養控除(子ども):1人あたり年間約5〜7万円減
- 16歳以上の子どもが対象
扶養手当による収入増
- 配偶者:月6,500円(年間78,000円)
- 子ども:1人月10,000円(年間120,000円)
例:子ども2人を扶養している場合
- 扶養手当増:年間24万円
- 税金減:年間10〜14万円
- 合計:年間34〜38万円の手取り増
住居手当を活用する
自己所有でない住宅に住むと、住居手当が支給されます。
住居手当の最大活用
- 家賃月額7万円以上の物件に住む
- 手当:最大月28,000円(年間336,000円)
- 実質家賃負担が大幅に減る
注意点
- 配偶者が世帯主の場合、受給できないケースあり
- 自治体により支給条件が異なる
通勤手当を最適化する
通勤手当は非課税限度額(月15万円)まで課税されません。
通勤方法による違い通勤手当は非課税限度額
- 公共交通機関:実費(月15万円まで非課税)
- 自動車・バイク:距離に応じた定額
- 自転車・徒歩:支給なし
最適化の例
- 少し遠くても公共交通機関を利用
- 月2万円の定期代なら、全額非課税で受給
- 自動車通勤より手取りが増える場合も
iDeCo(個人型確定拠出年金)を活用する
iDeCoは、掛金が全額所得控除となり、大きな節税効果があります。
公務員のiDeCo掛金上限
- 月額12,000円(年間144,000円)
節税効果の例(年収500万円の場合)
- 所得税・住民税の軽減:年間約28,000円
- 運用益も非課税
- 60歳まで引き出せないが、老後資金に
ふるさと納税を活用する
ふるさと納税は、実質2,000円の負担で返礼品を受け取れる制度です。
手取りへの直接的な影響
- 翌年の住民税が減額される
- 実質的に返礼品分が「手取り増」と同等の効果
例:年収500万円の場合
- 控除上限額:約6万円
- 実質負担:2,000円
- 返礼品:約18,000円相当(3割還元の場合)
- 実質的な利益:約16,000円
時間外勤務手当を確実に申請する
サービス残業をせず、正当な残業代を受け取ることも重要です。
時間外勤務手当の単価
時間外単価 = 給料月額 ÷ 月平均勤務時間 × 1.25
例:給料月額28万円の場合
- 月平均勤務時間:約160時間
- 時間外単価:280,000円 ÷ 160時間 × 1.25 = 約2,190円
- 月20時間残業:約43,800円(手取り約35,000円増)
注意点
- 管理職は残業代が出ない
- 自治体により上限時間がある
民間企業との手取り比較

年齢別の比較
入庁5年目(27歳)の比較
| 項目 | 地方公務員 | 民間大企業 | 民間中小企業 |
|---|---|---|---|
| 額面年収 | 約420万円 | 約450万円 | 約380万円 |
| 手取り年収 | 約335万円 | 約360万円 | 約310万円 |
| 月給手取り | 約24.5万円 | 約26万円 | 約23万円 |
| ボーナス手取り | 約40万円 ×2 | 約48万円 ×2 | 約30万円 ×2 |
入庁15年目(37歳)の比較
| 項目 | 地方公務員 | 民間大企業 | 民間中小企業 |
|---|---|---|---|
| 額面年収 | 約600万円 | 約650万円 | 約480万円 |
| 手取り年収 | 約470万円 | 約505万円 | 約385万円 |
| 月給手取り | 約35万円 | 約37万円 | 約28万円 |
| ボーナス手取り | 約55万円 ×2 | 約65万円 ×2 | 約38万円 ×2 |
安定性と福利厚生の価値
手取り額だけでなく、以下の要素も考慮すべきです。
地方公務員の優位性
- 雇用の安定性
- リストラがない
- 倒産リスクゼロ
- 精神的安心感の価値
- 退職金の充実
- 勤続35年で約2,000〜2,500万円
- 民間より高額な傾向
- 年金の優位性
- 共済年金は厚生年金と同等以上
- 長期的な安心
- 福利厚生
- 共済組合の各種給付
- 互助会制度
- 住宅融資の優遇
- ワークライフバランス
- 有給休暇が取りやすい
- 育児・介護休暇の充実
- 残業が比較的少ない
民間企業の優位性
- 若年層の給与
- 20代〜30代前半は民間が高い傾向
- 初任給は民間が上
- 昇給・昇進のスピード
- 実力次第で早期昇進
- 40代で年収1,000万円超も
- インセンティブ
- 成果給、インセンティブ
- 頑張りが直接給与に反映
- 副業の自由
- 副業可能な企業が増加
- 収入源の多様化
生涯年収の比較
地方公務員(大卒、定年まで勤務)
- 22歳~60歳(38年間)
- 推定生涯年収:約2億2,000万円
- 退職金:約2,200万円
- 合計:約2億4,200万円
民間大企業(同条件)
- 推定生涯年収:約2億5,000万円
- 退職金:約2,000万円
- 合計:約2億7,000万円
民間中小企業(同条件)
- 推定生涯年収:約1億8,000万円
- 退職金:約1,000万円
- 合計:約1億9,000万円
結論: 大企業にはやや劣りますが、中小企業よりは優位です。ただし、安定性を加味すると公務員の価値は高いと言えます。
よくある質問と誤解

Q1: 公務員の給料は高すぎるのでは?
A: データで見ると、民間平均とほぼ同水準です。
人事院の「民間給与との比較」によれば、公務員給与は民間企業(従業員50人以上)の平均とほぼ均衡するよう調整されています。
実態
- 大企業と比べると低い
- 中小企業と比べると高い
- 平均すると民間とほぼ同等
Q2: ボーナスが必ず出るのは不公平では?
A: 民間でも多くの企業がボーナスを支給しています。
公務員のボーナスは「期末・勤勉手当」という名称で、人事評価に基づいて支給額が変動します。
実態
- 人事評価により増減あり
- 業績が良くても増えない(民間と逆)
- 景気が悪くても減らない(安定性)
Q3: 手取りが少なくて生活できないのでは?
A: 工夫次第で十分生活できます。
生活のコツ
- 公務員宿舎を利用(家賃2〜4万円)
- 共済組合の福利厚生を活用
- 計画的な貯蓄
- 身の丈に合った生活水準
例: 入庁5年目、手取り24万円の場合
- 家賃(宿舎):3万円
- 食費:4万円
- 光熱費:1万円
- 通信費:1万円
- 交際費:3万円
- 貯蓄:8万円
- その他:4万円
十分に生活でき、貯蓄もできます。
Q4: 民間に転職したら手取りは増える?
A: 年齢や業界により異なります。
20代: 民間の方が手取りが多い可能性が高い
30代前半: 業界による
30代後半以降: 公務員の方が安定して高い傾向
ただし、安定性や福利厚生を失うリスクも考慮が必要です。

まとめ:地方公務員の手取りを理解する

地方公務員の手取りについて、計算方法から年齢別の実態、手取りを増やす方法まで解説してきました。最後に重要なポイントをまとめます。
手取りを理解する7つのポイント
- 手取りは額面の75〜80%
- 額面30万円 → 手取り約22.5〜24万円
- 控除は税金・社会保険料・その他
- 年齢とともに手取りは増加
- 1年目:約19万円
- 10年目:約28万円
- 20年目(管理職):約46万円
- 家族構成で手取りが変わる
- 扶養家族がいると税金が減る
- 扶養手当で総支給額が増える
- 独身より既婚の方が手取りが多い傾向
- ボーナスは年2回、手取り約80%
- 年間4.5ヶ月分支給
- 10年目で年間手取り約120万円
- 自治体・職種で手取りが異なる
- 地域手当の影響が大きい
- 東京都特別区が最も高い
- 地方都市は低めだが物価も安い
- 手取りを増やす方法がある
- 扶養控除の活用
- 住居手当の最大化
- iDeCo、ふるさと納税
- 民間と比較して安定性が強み
- 生涯年収は民間中位
- 雇用の安定性
- 充実した福利厚生
給料明細の見方と活用
毎月の給料明細をしっかり確認し、以下をチェックしましょう。
- 各種手当が正しく支給されているか
- 控除額が適正か
- 年末調整の還付金
- 昇給のタイミング
将来の生活設計
手取り額を正確に把握することで
- 月々の貯蓄額を決定
- 住宅ローンの借入額を判断
- 結婚・出産のタイミング計画
- 老後資金の準備
最も重要なこと
地方公務員の手取りは、決して高額ではありません。しかし、安定性と福利厚生の充実により、計画的な生活設計が可能です。
- 若年層は民間より低めだが、年齢とともに向上
- 40代以降は民間平均を上回る傾向
- 退職金・年金を含めた生涯収入では優位性あり
最後に
手取り額だけでなく、安定性、ワークライフバランス、社会貢献のやりがいなど、総合的に判断することが大切です。
この記事が、地方公務員を目指す方、すでに働いている方の人生設計の一助となれば幸いです。
