地方公務員は
・仕事が楽
・定時に出社・退社できる
・休みが多い
と言うイメージを持たれている方が多いと思います。
しかし、そういうぬるま湯に浸かっているイメージの強い公務員ですが、
実はうつ病などの理由で病気休暇をとって休んでいる方が
多いんです。
実際に私の職場にも病気休暇中の方がいて、
その数は二桁超えています。
楽な仕事のはずなのに不思議ですよね。
そこで、このページでは、
地方公務員にうつ病などを理由に病気休暇になる人が多い4つの理由について
詳しくご説明します。
うつ病などで病気休暇になった人の推移
まずは、上記データを御覧ください。
上記データは令和元年度までの
地方公務員の長期病休者数です。
一時期は長期病休者数は減っていましたが、
平成25年度以降は年々増加しています。
長期病休者数の内訳をみると、精神及び行動の障害を理由にしたもの、
つまり、うつ病等を理由にした
長期病休者数は10年前の約1.3倍、15年前の約2.5倍に増加しています。
私の職場でも、うつ病を理由にした長期病休者数が
年々増加傾向にあるので、恐らく、今後さらに長期病休者数は
増加していくと思います。
病気休暇中の手当が手厚い
地方公務員にうつ病など長期病休者が多い理由として
よく挙げられるのが病気休暇中の手当の手厚さですが、
実際かなり手厚いです。
まず病気休暇として3ヶ月間は給料の満額が支給されます。
その後、1年間は分限処分と言う形となり、給料の約80%が支給されます。
さらにその後、1年6ヶ月間は傷病手当と言う形で、給料の約70%が支給されます。
これら全て合わせると、2年9ヶ月間の間は何かしらの支給が出ると
言うことになります。
これだけ見ると、地方公務員だけズルいと思うかもしれませんが、
実を言うと、この病気休暇制度は民間企業にもあるため、
特に地方公務員だけ優遇されているわけではありません。
ただ、優遇されている面と言えば、職場復帰後も普通通り
働けることです。
民間企業だと、病気休暇すると、その原因が癌等であったとしても、
復帰後すぐに辞めさせられる、というような噂話は聞きますが、
公務員は病気休暇を理由に辞めさせられることは絶対にないので、
その点は民間企業と違い優遇されているところだと思います。
これらの理由から、病気休暇制度を悪用する公務員も確かにいますが、
そういう人ばかりではなく、大半は本当に病気になって休んでいる人が多いです。
市民からのクレームが多く、内容もヒドイ
公務員に対するクレームとして、よく言われるのが
「俺は高い税金を払っているんだぞ!」
と言うセリフです。
例えばですが、飲食店に行った時やコンビニに行った時に、
「俺は高い料金払っているんだぞ!」
って言いますか?言わないですよね。
それが、なぜか公務員だと、市民の皆さん言われるんですよね。
それならクレームを言われないような対応をすれば言いのでは?
と思うかもしれませんが、行政はサービス対象者が違うので
そういうわけにもいきません。
例えば民間のサービスだと、
料金を支払う人=窓口に来る人
なので、利用者に対して、ひたすらサービスを
提供すれば良くて、たくさん利用してくれる人は
VIPとして取り扱って、差別化することが可能です。
しかし、行政の場合、
税金を支払う人≠窓口に来る人
のため、税金を払っているからと言う理由で、
特別なサービスを提供することはできません。
例えば、地目は農地でも現況が宅地の場合、
固定資産税は宅地の価格(高い)で課税するんですが、
「地目は農地だから農地の価格(安い)で課税しろ!」
と怒鳴り込んで来たりします。
他にも、税を滞納しているので、督促状を送ると、
「督促状とはどういうことだ?俺たちの払った税金で給料をもらってるくせに!」
とか言われます。
「いや、あんた税金払ってないから督促状なんだろう…。」
と心の中では思いますが、相手は烈火のごとく怒り心頭なので、
相手の怒りをなだめるしかなかったりします。
また、行政サービスはどうやってもクレームが発生します。
例えば新型コロナウイルスのワクチン接種の場合、
ニュースやSNS上でも政府のやり方に問題があると
連日のように
「移動の多い若者から接種させるべきだ!」
「人口の多い都心部から優先するべきだ!」
と報道・投稿されていました。
確かにそうかもしれませんが、若者・都心部から優先していたら、
今度は逆に
「年寄りはどうでも良いのか!?」
「地方を見捨てるのか!?」
と連日報道・投稿されているはずです。
そもそもワクチンの量が足りないわけですから、
どうしても対象から外れる人が出てくるので、クレームが出るわけです。
その他の行政問題についても同様に、予算に限りがあるため、
必ず不平不満が出て、クレームにつながります。
そして、クレームの内容も
人格否定されることが日常茶飯事です。
中には、クレームを言いたいがためだけに
市役所に来る人もいます。
以前、毎月のように、あまりにもヒドイクレームを言う人がいたので、
最終的に警察を呼んで対応してもらったことがありましたが、
警察にクレームの理由を聞かれたら、その方なんて言ったと思います?
「市役所にストレス発散するために来た」
と言ったんですよ。
このように、市役所で働くと、
市民からのクレームが多く、しかも内容が
ヒドイため、精神的に病む人が多いです。
議員によるパワハラ・いじめ
議員による職員に対するパワハラ・いじめは深刻な問題です。
最近はニュース等で取り上げられるようになりましたが、
あんなのは氷山の一角でしかありません。
4ヶ月に1回定例会と呼ばれる議会が開催されます。
その議会の中で執行部から提出した議案を審査するんですが、
そこでパワハラ・いじめ・嫌がらせをひたすらにされます。
本来は議案と関係のあるものしか審査できないんですが、
議案と関係のないものであっても、
「資料を出せ!説明しろ!こんな資料じダメだ!作りなおせ!」
と数時間にわたり罵倒されます。
なぜ、そのような事をするのか?
その理由は、自分たちの権力を振りかざして、
自分たちの要望を通すためです。
要望とは、例えば
・自分の支持者を優遇させる
・敵対候補者の支持者を冷遇させる
と言ったことをさせるためです。
具体的には、
・滞納分を不能欠損として処理させる(債権放棄)
・贔屓の業者を使ってもらう
・税金を安くしてもらう
などです。
議員は政治家なので、
「市民のための政治」と謳っても、
本音は「支持者のための政治」しかしません。
そして、支持者のための政治をするためには、
担当課に言うことを聞かせる必要があるため、
言うことを聞かない職員に対しては無茶苦茶な要望を出して
困らせたり、病休にして異動させようと図るわけです。
このように議員の私的な理由により、
精神的に病む人が多いです。
もちろん議員全員がそうだと言うわけではありませんが、
少なからず、そういう議員がいます。
仕事をすればするほど敵が増える
公務員は仕事を一生懸命すればするほど、
クレームが増えます。
生活保護のケースワーカーであれば、
生活保護受給者に就労活動しなさいなどの指導をしない方が
波風が立たず楽です。
そこを仕事をして、生活保護受給者に就職してもらおうと
一生懸命指導すると、ぶつかりますし、最悪の場合、生活保護受給者から
「うつ病になった」「うつ病が悪化した」などと言う理由で
裁判を起こされることもあります。
その他、税の徴収係や市営住宅の係の場合、税金や家賃の滞納分を
取り立てようとすると、議員が出てきて圧力をかけられたり、
嫌がらせを受けたりします。
また、敵は外だけではなく、内側、つまり職員側にもいます。
議員からの圧力や嫌がらせは、当の一生懸命頑張っている職員だけでなく、
周りの職員にもしわ寄せがくるため、周りの職員からも
文句を言われる羽目になります。
このように一生懸命仕事をしていると、敵が増え、
どんどん孤立し、最終的に味方が誰もいなくなるため、
やるせなさから学習性無力感が起こり、うつ病になってしまいます。
まとめ
病気休暇を悪用している人がいるのも事実ですが、
そういう人はごく少数です。
大半の方は、まじめで仕事熱心な人が病気休暇を
利用しています。
現場としても、まじめで仕事熱心な人ほど
ダウンしていき、行政サービスがますます悪くなるため、
今の現状は非常に由々しき事態です。
公務員に対しては何を言っても良いと言う
現在の風潮は公務員に人権がないと言っているのと同じです。
公務員にも人権がありますし、人権を尊重した方が
結果的に市民にも返ってくるので、現在の風潮が是正されることを
切に願うばかりです。