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市議会議員選挙の供託金はいくら?没収される条件・返還ラインを完全解説

公務員
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「市議会議員選挙の供託金は何円?」「供託金が没収される基準は?」「何票取れば供託金は返ってくる?」「なぜ選挙に供託金が必要なの?」

市議会議員選挙に立候補しようとすると、必ず「供託金(きょうたくきん)」の準備が必要です。この供託金は、選挙結果によっては返還されず「没収(不返還)」されることがあります。

立候補を考えている方にとって「供託金がいくらかかり、何票取れば返ってくるのか」は、選挙戦略を立てるうえで非常に重要な情報です。本記事では、市議会議員選挙の供託金の金額・没収される条件・返還基準の計算方法・供託金制度の意義まで、徹底的に解説します。

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市議会議員選挙の供託金とは?基本的な仕組み

供託金とは何か

供託金とは、選挙に立候補する際に法務局(供託所)に預ける一定額のお金です。公職選挙法第92条に規定されており、立候補の届出と同時に納付することが義務づけられています。

供託金の目的: 供託金制度の主な目的は「売名・いたずら立候補を防止すること」です。誰でも無制限に立候補できると、選挙が混乱したり、真剣でない候補者が多数立候補して選挙の質が低下したりする恐れがあります。供託金は、選挙に真剣に取り組む意思がある候補者かどうかを確認する「入場料」的な役割を果たしています。

市議会議員選挙の供託金:30万円

市区町村議会議員選挙(市議会・区議会・町村議会議員選挙)の供託金は以下のとおりです。

公職選挙法第92条第1項:

市(特別区を含む)の議会の議員の選挙:30万円 町村議会の議員の選挙:15万円

つまり市議会議員選挙の供託金は30万円です。

他の選挙との比較:

選挙の種類 供託金額
衆議院議員(小選挙区) 300万円
衆議院議員(比例代表) 600万円(1名あたり)
参議院議員(選挙区) 300万円
参議院議員(比例代表) 600万円(1名あたり)
都道府県知事 300万円
都道府県議会議員 60万円
市長 100万円
市議会議員 30万円
町村長 50万円
町村議会議員 15万円

市議会議員選挙の供託金30万円は、国政選挙・都道府県知事選挙と比べると大幅に低く設定されています。これは地方の基礎自治体議員選挙が「最も住民に身近な選挙」という位置づけを反映しています。

供託金の納付方法

STEP 1:法務局(供託所)での現金納付または国債証書の差し入れ

立候補予定者は、選挙を管轄する市区町村の近隣にある法務局(供託所)に30万円を現金で納付します。現金以外に一定の国債証書による代替も認められています。

STEP 2:供託証明書(供託書正本)の受け取り

納付が完了すると、法務局から「供託書正本(供託証明書)」が交付されます。

STEP 3:告示日当日の立候補届出時に提出

選挙の告示日当日、選挙管理委員会が設置する立候補届出所に、立候補届出書類とともに供託証明書を提出することで手続きが完了します。

注意: 供託証明書がなければ立候補届出が受理されません。告示日前に必ず法務局での納付を完了させておく必要があります。法務局の開庁時間は平日9〜17時が基本のため、告示日が月曜日の場合は前の週の金曜日までに完了させる必要があります。

供託金が「没収(不返還)」される条件

没収の基準:法定得票数(供託物没収点)

供託金が没収(返還されない)かどうかは、選挙で獲得した得票数によって決まります。

公職選挙法第93条に規定される「供託物没収点(法定得票数)」:

市議会議員選挙の没収点(返還基準):

有効投票の総数 ÷ 議員定数 × 1/10

この計算で算出された票数(小数点以下切り捨て)を「法定得票数(供託物没収点)」と呼び、この得票数を下回った候補者の供託金は没収されます。

没収の計算例

例1:定数20人・有効投票総数10万票の選挙の場合

100,000票 ÷ 20 × 1/10 = 500票

500票未満の候補者の供託金が没収

つまり、499票以下しか取れなかった候補者は30万円の供託金を失います。

例2:定数30人・有効投票総数15万票の選挙の場合

150,000票 ÷ 30 × 1/10 = 500票

500票未満の候補者の供託金が没収

例3:定数10人・有効投票総数5万票の選挙の場合

50,000票 ÷ 10 × 1/10 = 500票

500票未満の候補者の供託金が没収

重要な気づき: 定数と有効投票数の比率が同じ場合、没収点は同じになります。これは市の規模(大都市か小規模市か)に関わらず、**「定数1人あたりの有効投票数の1/10」**が基準になるという点を意味します。

実際の没収点の目安(都市規模別)

自治体の規模目安 定数 有効投票数(概算) 没収点(概算)
政令指定都市(横浜市など) 90人前後 約100〜120万票 約1,100〜1,300票
中核市(人口30万人) 40人前後 約10〜15万票 約250〜375票
一般市(人口10万人) 24人前後 約4〜6万票 約167〜250票
一般市(人口5万人) 18人前後 約2〜3万票 約111〜167票
小規模市(人口2万人) 14人前後 約0.8〜1.2万票 約57〜86票

重要: これらはあくまで概算です。実際の有効投票数・定数は選挙ごとに異なるため、立候補前に前回の選挙結果(選挙管理委員会ホームページで公開)を確認して自分で計算することをおすすめします。

当選した場合でも供託金は返還される

当然ながら、当選した場合(法定得票数を大幅に超える)は供託金は返還されます。また、落選した場合でも法定得票数(没収点)以上の票を獲得すれば供託金は返還されます。

供託金の返還条件のまとめ:

  • 当選した場合: 全額返還
  • 落選したが法定得票数以上を獲得した場合: 全額返還
  • 法定得票数未満の得票だった場合: 没収(不返還)

供託金の返還手続き

返還の流れ

選挙が終了し当選者が確定すると、選挙管理委員会から法務局に対して「供託物の返還または没収」に関する通知が行われます。

返還される場合の手続き:

  1. 選挙管理委員会から返還通知を受け取る
  2. 法務局(供託所)に返還請求書を提出
  3. 指定口座への振込または窓口での現金受け取り

返還までの期間: 通常、選挙終了後1〜3か月以内に手続きが完了します。

没収の場合: 法定得票数未満だった場合は、特段の手続きは不要で、預けた30万円が自動的に国庫(または自治体の収入)に帰属します。

供託金没収が問題になるケース

「泡沫候補」と供託金没収

選挙には、組織的な支援がなく当選の見込みが薄い候補者(俗に「泡沫候補」)も立候補します。こうした候補者の多くが法定得票数を下回り、供託金が没収されます。

没収が多いケース:

  • 初出馬で地盤(支持者組織)がない候補者
  • 政党・組織の支援なしに個人で立候補した候補者
  • 売名目的・抗議目的で立候補した候補者
  • 地域での知名度が低い候補者

供託金制度への批判と擁護

批判:「参政権を財産で制限している」 供託金は立候補のための財産的要件であり、30万円を用意できない人物が立候補できないことは、財産による参政権の制限という批判があります。

日本の供託金額は国際的に見て高い水準にあるとも指摘されており、「金銭的に恵まれた人しか政治に参加できない障壁を作っている」という意見もあります。

「ファストファッション製品のように、供託金制度は政治への参入を経済力で制限している」という批判的な見方は一定数の有権者・研究者から表明されています。

擁護:「本気の候補者だけが立候補することで選挙の質が担保される」 供託金がなければ、数千人が立候補して選挙管理・有権者の混乱が生じるというリスクがあります。一定の真剣さを担保する機能として、供託金制度は必要だという考え方です。

供託金と選挙費用:立候補にかかる全体コスト

供託金は選挙費用の一部に過ぎない

市議会議員選挙の供託金30万円は、選挙全体にかかる費用の一部です。実際の選挙では供託金以外にも多くの費用がかかります。

市議会議員選挙の総費用目安(人口10万人規模の市・初出馬):

費用項目 費用の目安 公費補助の有無
供託金 30万円 一定得票で返還
選挙ポスター制作・印刷 10〜30万円 一部公費補助あり
選挙ビラ制作・印刷 10〜25万円 一部公費補助あり
選挙カー(レンタル・燃料) 10〜25万円 一部公費補助あり
選挙ハガキ(印刷・郵送) 5〜15万円 公費補助あり
選挙事務所費 5〜20万円 なし
合計(概算) 70〜145万円 一部は公費補助

公費補助(選挙公営)を活用した場合の実質負担: 選挙公営制度を活用することで、ポスター・ビラ・選挙カー・ハガキの一部は公費(税金)で補助されます。この制度を最大限活用すると、実質的な自己負担は供託金を含めて50〜90万円程度に抑えられるケースがあります。

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公費補助の受給条件: 公費補助は法定得票数(没収点)以上の票を得た候補者に支給される場合が多いため、得票数が非常に少ない候補者は公費補助を受けられない場合があります。

過去の選挙データから見る「没収」の実態

市議会議員選挙での没収率

全国の市議会議員選挙において、供託金が没収される候補者はどのくらいいるのでしょうか。

選挙の種類・自治体の規模・競争状況によって大きく異なりますが、以下の傾向があります。

没収が多いケース:

  • 大都市の市議会選挙:競争が激しく、個人立候補者が多い。没収点も高くなりやすい
  • 売名目的の候補者:当初から当選を目指していない
  • 組織票のない初出馬の新人:支持基盤がなく票が集まりにくい

没収が少ないケース:

  • 定数に対して立候補者数が少ない選挙(競争が緩い)
  • 組織・政党の強力な支援がある候補者
  • 現職議員の再選選挙

市議会議員選挙に立候補する前に確認すべきこと

過去の選挙データで没収点を試算する

立候補を検討している方は、選挙管理委員会のホームページに公開されている「過去の選挙結果」を確認することを強くおすすめします。

確認すべき情報:

  • 直近の選挙の有効投票総数
  • 議員定数
  • 最下位当選者の得票数
  • 落選者の最高得票数と最低得票数

これらのデータから「自分がどのくらいの票を取れば当選できるか」「供託金を返還されるにはどのくらいの票が必要か」を具体的に試算できます。

試算の計算式:

没収点 = 有効投票総数 ÷ 定数 ÷ 10(端数切り捨て)

選挙管理委員会への事前相談

立候補前に選挙管理委員会に相談することで、以下の情報を入手できます。

  • 次回選挙の告示日・投票日(予定)
  • 現在の定数と予想される立候補者数
  • 供託金の納付方法・タイムライン
  • 選挙公営(公費補助)の対象と申請方法

「立候補を検討しているが、供託金の詳細を知りたい」と伝えるだけで、丁寧に案内してもらえます。

よくある質問(FAQ)

Q. 供託金30万円を用意するのが難しい場合はどうすればいい?

A. 公職選挙法上、供託金の免除・減額制度は存在しません。立候補するためには必ず30万円を法務局に預ける必要があります。ただし、返還条件(法定得票数以上の得票)を満たせば全額が戻ってくるため、「担保として一時的に預けるもの」という意識で準備することをおすすめします。

Q. 供託金を銀行ローンや借金で用意してもいいの?

A. 法律上、供託金の原資に制限はありません。借入れによって供託金を準備することも可能です。ただし、没収される場合は30万円が返ってこないため、返済能力を考慮したうえで判断してください。なお、選挙資金の借入れ・調達については政治資金規正法・公職選挙法の規定を確認する必要があります。

Q. 供託金が没収されるとどこに行く?

A. 没収された供託金は国庫(供託物が国債の場合は国の収入、現金の場合は国庫)に帰属します。自治体の歳入や選挙経費に充当されるわけではなく、国の歳入になります(公職選挙法第93条)。

Q. 複数の市の選挙に同時に立候補できる?供託金はそれぞれ必要?

A. 原則として同一期日に行われる複数の選挙に重複立候補することは公職選挙法上禁止されています(同一選挙区内の例外を除く)。したがって、複数の市の選挙に同時に出馬することは通常できません。ただし、異なる期日の選挙であれば時期をずらして複数の選挙に立候補することは可能で、その場合はそれぞれの選挙に供託金が必要です。

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まとめ:市議会議員選挙の供託金・没収のすべて

本記事の重要ポイントをまとめます。

  • 市議会議員選挙の供託金は公職選挙法第92条に基づく30万円(町村議会は15万円)
  • 供託金は告示日当日の立候補届出前に法務局(供託所)で納付し、供託証明書を提出
  • 没収(不返還)の基準は「有効投票総数 ÷ 定数 × 1/10」で算出される法定得票数
  • 法定得票数以上を獲得すれば当落に関わらず全額返還される
  • 没収された供託金は国庫に帰属(自治体の収入ではない)
  • 供託金は選挙費用の一部。全体では70〜145万円程度かかるが公費補助(選挙公営)で実質負担を軽減できる
  • 立候補前に過去の選挙データで没収点を試算し、選挙戦略の現実的な判断材料にすることが重要

市議会議員選挙への立候補を考えているなら、供託金の仕組みと没収の基準を正確に理解したうえで準備を進めてください。まずは選挙管理委員会への事前相談と、過去の選挙データの確認からスタートしましょう。

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