市議会議員は、市民の代表として行政をチェックし、市政をより良い方向へ導く重要な役割を担っています。
しかし、議員という立場には大きな権限がある一方で、厳しい制限や「やってはいけないこと」も数多く存在します。
本記事では、市議会議員がやってはいけないことについて、法律・政治倫理・過去のトラブル事例などを踏まえながら、わかりやすく解説します。
これから議員を目指す人、議員活動の透明化を目指す自治体関係者、そして市民として議員の役割を理解したい人にとっても役立つ内容となっています。
■ 市議会議員に求められる基本的なルールとは?

市議会議員が遵守しなければならないルールは、大きく分けて以下の3つです。
- 法律(公職選挙法、地方自治法、政治資金規正法など)
- 自治体ごとの条例(政治倫理条例・議会基本条例など)
- 議員としての倫理規範
特に自治体独自の「政治倫理条例」では、公正性・透明性・利益相反の管理など、多くの制限が課されています。
これらに違反すると、議員辞職勧告や懲罰の対象となることがあります。
■ 市議会議員が絶対にやってはいけないこと一覧

1. 公金の私的流用(政務活動費の不正使用)
市議会議員の不祥事で最も多いのが政務活動費の不正請求・水増し請求です。
禁止されているケース例:
- 架空の領収書を作って費用を請求する
- 私的な飲食代を政務活動費に計上する
- 家族旅行を「視察」と偽って経費請求する
政務活動費は「市民の税金」であるため、不正が発覚した場合は返還だけでなく、刑事事件になるケースもあります。
● 2. 反社会勢力との関係を持つこと
議員は反社会勢力と関係を持つことが厳しく禁じられています。
- 選挙の応援を依頼する
- 会合に参加する
- 便宜供与や口利きを行う
反社との接点が報じられただけで、議員辞職勧告が出されることもあります。
● 3. 官庁や企業への不当な「口利き」
議員の権限を利用した圧力・口利きは、明確に禁止されています。
- 市の業者選定に介入する
- 親族の企業に有利な契約を結ばせる
- 建築許可・入札などへ政治的圧力をかける
利益相反に該当する場合は議会での発言・議決から外れる(除斥)義務があります。
● 4. 市職員や他議員へのハラスメント
議員によるパワハラ・セクハラは全国で問題になっています。
- 市職員に暴言を吐く
- 不当な業務指示や威圧行為
- 女性職員への性的発言
自治体の「政治倫理審査会」にかけられ、議員辞職や謝罪勧告が出る場合もあります。
● 5. 選挙での買収・寄付行為
公職選挙法により、選挙運動には厳しい制限があります。
- 有権者に金品を渡す(飲食も含む)
- 後援会が行う違法な寄付
- 見返りを期待した利益供与
選挙違反は刑事罰の対象で、失職につながります。
● 6. 市民の個人情報を外部に漏らす
議会活動で得た個人情報は厳重に守る必要があります。
- 相談者の情報をSNSや他の市民に話す
- 個人情報を政治活動に利用する
自治体の個人情報保護条例違反に該当し、懲戒を受ける場合があります。
● 7. 虚偽の報告・隠蔽行為
議員は説明責任があり、虚偽説明は重大な問題になります。
- 疑惑を隠すために嘘をつく
- 政務活動費の不正の隠蔽
- SNSでの虚偽発信
信頼失墜により、議会からの厳しい処分が行われます。
● 8. 名誉毀損・誹謗中傷
特にSNS時代では、発言の責任が重くなっています。
- 他議員や市長をSNSで揶揄する
- 事実に基づかない批判を拡散する
- 市民への攻撃的な返信
議員の発言は公的な立場として扱われ、責任が問われやすくなります。
■ 市議会議員がやってしまいがちな“グレー行為”とは?

明確に違法とまでは言えないものの、問題になりやすい行為もあります。
● 市職員への過度な要求
調査要望は許されますが、「締め切り前日に大量の資料要求」などは問題視されます。
● 政務活動費の基準が曖昧
政務活動費の基準が緩いため、私的利用との線引きが問題になります。
● 後援会活動と政治活動の境界が曖昧
地域行事への差し入れなども誤解を生むリスクがあります。
■ 市議会議員が「やるべきこと」とは?

逆に、議員が積極的に取り組むべき行動もあります。
- 行政チェック(議会の本来の役割)
- 市民の声を集めて施策に反映する
- 議会の透明化・情報公開を推進する
- 利益相反の管理を徹底する
- 説明責任を果たし、市民に情報を届ける
「市民のための議会」を実現するには、日々の行動が最も重要です。
■ まとめ|市議会議員の不祥事を防ぐには“透明性”が鍵

市議会議員には大きな権限があり、その分「やってはいけないこと」も多く定められています。
本記事で解説したように、議員が注意すべきポイントは以下の通りです。
- 公金の不正利用をしない
- 口利き・利益供与をしない
- ハラスメントを行わない
- 選挙違反をしない
- 個人情報を漏らさない
- SNSで虚偽や誹謗中傷をしない
市議会議員の不祥事は全国で問題になっていますが、透明性の高い議会運営を行うことで信頼は回復できます。
市民が政治に関心を持ち、議員が適切に職務を果たせる環境づくりが、より良い自治体運営につながります。
本記事が、市議会議員の役割や倫理について理解を深めるための一助となれば幸いです。

