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公務員の育休期間は?育児休業中の給料はどうなる?

公務員
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公務員は本人もしくは配偶者が妊娠・出産をすると、男性公務員・女性公務員ともに、それぞれが育児休暇をはじめ、様々な特別休暇を取得することができます。

しかし、どんな休暇が取れるのか?どれくらいの期間、育児休暇を取得することができるのか?育児休暇中の給料はどうなるのか?について、あまりご存知ないのではないでしょうか。

そこで、このページでは、出産・育児に関する休暇と、それら休暇期間中の給料がどうなるのか等について、詳しくご説明します。

なお、実際の出産・育児に関する休暇については、自治体ごとに職員の勤務時間、休日及び休暇に関する条例職員の育児休業等に関する条例と言った条例があり、その条例に従って運用されます。

基本的には国・県からの指示によって条例が制定されているため、特別休暇の種類や最低限の休暇日数等は共通ですが、自治体によっては、より職員にとってプラスとなる項目が追加されており、このページでご紹介する内容と日数等が微妙に違う場合があります。

そのため、実際の日数等については、お勤めの自治体の条例を確認するか、総務課にお問い合わせください。

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女性公務員の場合


女性公務員の場合、出産・育児に関する特別休暇は下記のとおり全4種類あります。

  • 妊婦検診のための休暇
  • 産前休暇
  • 産後休暇
  • 育児休暇

それでは、それぞれの特別休暇について、休みの取得できるタイミング、休める期間、休んでいる間の給料はどうなるのか?詳しくご紹介していきます。

妊婦検診のための休暇

妊娠がわかったら定期的に妊婦健診を受ける必要があります。

そして、女性公務員は、妊婦健診のための休暇を利用することができるため、定期的に受診が必要な妊婦健診に関しては、わざわざ休みの土曜日に受診する必要はなく、特別休暇を取得して平日に受けることができます。

なお、特別休暇を受けることができる日数は下記のとおりです。

  • 妊娠初期から23週までの間は4週間に1回
  • 妊娠24週から35週までの間は2週間に1回
  • 妊娠36週から出産までの間は1週間に1回

上記の日数は厚生労働省が推奨している妊婦健診を受ける間隔と同じです。

そのため、同じく厚生労働省のホームページにある妊婦健診Q&Aによると、1回目の妊婦健診が妊娠8週頃とした場合、上記の間隔で定期的に妊婦健診を受けると受診回数は合計14回が目安となっていることから、妊婦健診のための休暇は約14日間取得することができる計算になります。

注意点としては、妊婦健診のための休暇の申請には母子手帳が必要になります。

母子手帳発行後に遡って特別休暇にしてくれる自治体もあるかもしれませんが、遡及ができない場合は、赤ちゃんの心拍確認がとれて、母子手帳を発行されるまでの妊娠6週~10週目頃までは特別休暇が使えないので気をつけましょう。

また、必要に応じて受診する臨時的な妊婦検診については、特別休暇は取得できず、有給休暇やリフレッシュ休暇で対応する必要があるので、気をつけましょう。

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妊婦健診のための休暇を取得した場合の給料については、有給休暇と同じ取扱いとなるため、通常通り満額支給されるため、妊婦健診のための休暇はできるだけ取得した方がお得です。

産前休暇

女性公務員は、妊娠後期になったら、産前休暇が取得できます。

産前休暇は出産予定日の6週間前、双子以上の場合は14週間前から出産日までの間に申請することができます。

取得できる休暇期間は6週間(42日間)、双子以上は14週間(98日間)が目安ですが、実際に出産した日によって休暇期間は増減します。

例えば出産予定日が10月1日の場合、6週間前の8月21日から産前休暇を取得することができます。

なお、実際の出産日が予定より早い場合、産前休暇が短縮されて少なくなります。

上記の例で言うと、9月24日に出産をした場合、出産日である9月24日までが産前休暇の対象となるため、産前休暇期間は5週間(35日間)と少なくなります。

逆に出産日が予定日を過ぎた場合、超過した分については延長されるため、産前休暇が増えます。

上記の例で言うと、10月8日に出産をした場合、産前休暇が予定日である10月1日から10月8日まで延長されるため、産前休暇期間は7週間(49日間)に増えます。

産前休暇期間の給料に関しては、給料・ボーナスは100%支給されますが、通勤手当は支給されませんので、通勤手当分が減額されます。

産後休暇

女性公務員が特別休暇を取得する場合、出産日までは産前休暇が適用され、出産日の翌日から8週間後までの期間は産後休暇が取得できるようになります。

取得できる期間は8週間(56日間)です。

なお、産前休暇と違い、産後休暇に関しては双子以上の出産であっても特別休暇を取得できる期間は変わらず8週間(56日間)となっています。

産後休暇中の給料に関しては産前休暇と同様に、給料・ボーナスは100%支給されますが、通勤手当は支給されませんので、通勤手当分が減額されます。

育児休業

女性公務員は、産後休暇の末日の翌日からは育児休暇を取得することができます。

育児休暇を取得することができる期間は子どもが3歳になるまでです。

育児休暇は原則2回まで取得可能のため、途中職場復帰してから、再び育児休暇を取得することも可能です。

ただし、注意点として、育児休暇は、最長3年間ですが、3年間休みが取れるわけではなく、子どもが3歳になった時点で取得できなくなります。

例えば育児休暇を1年間取得して、夫と入れ替わりで1年間仕事復帰して、再び育児休暇を取得するような場合、子どもが3歳になるまでの期間は残り1年間のため、2回目に取得できる育児休暇の期間は1年間となります。

育児休暇中の給料についてですが、育児休暇中は給料・各種手当は支給されません。

加えて、育児休業の期間に応じて、ボーナス(期末勤勉手当)及び退職手当が減額されます。

※例外として育児休業の期間が1ヶ月未満の場合はボーナス(期末勤勉手当)は減額されません。

「育児休暇中は一切の収入がなくなってしまうの!?」と衝撃を受けた方、ご安心ください。

子どもの1歳の誕生日の前日までは、共済組合から育児休業手当金が支給されます。

育児休業手当金の金額は、休業期間によって異なり、

  • 育児休業期間が180日に達するまでは1日につき標準報酬の日額×67%
  • 育児休業期間が180日経過後~子どもが1歳になるまでは1日につき標準報酬の日額×50%

支給されます。

目安としては、大体手取りの80%相当額がもらえる計算になります。

残念ながら育児休業期間中にもらえる収入は育児休業手当金のみのため、2年以降については、特別休暇は取得できますが、一切の収入がなくなります。

さらに、互助会に加入している場合、勤続年数に応じで金一封がもらえる制度があるんですが、育児休暇期間中は勤続年数に含まれないため、育児休暇を取得した年数分だけ、同期と比べて永年勤続表彰が遅れることにもなります。

男性公務員の場合

男性公務員の場合、出産・育児に関する特別休暇は下記のとおり全4種類あります。

  • 出産補助休暇
  • 育児参加休暇
  • 育児休暇
  • 産後パパ育休(出生時育児休業)

それでは、それぞれの特別休暇について、休みの取得できるタイミング、休める期間、休んでいる間の給料はどうなるのか?詳しくご紹介していきます。

出産補助休暇

男性公務員は、配偶者の出産の日から14日以内であれば出産補助休暇を取得することができます。

出産補助休暇で取得できる休暇期間は最大3日で、1時間単位で休暇を取得することができます。

男性公務員は有給休暇と出産補助休暇を組み合わせて使うことで、出産前の入院準備、出産の立会い、入院中のお見舞い、退院の介助等産前産後に母子に対して必要なあらゆるサポート全て対応することができます。

出産補助休暇を取得した場合の給料については、有給休暇と同じ取扱いとなるため、給料・各種手当どちらも満額支給されます。

育児参加休暇

男性公務員は、配偶者が6週間以内に出産予定又は出産後1年以内(R4.10月改正)で、当該出産にかかる子や小学校就学前までの子を養育する場合、育児参加休暇を取得することができます。

育児参加休暇で取得できる休暇期間は最大5日で、1時間単位で休暇を取得することができます。

少し表現が、わかりづらいかもしれませんが、要するに産まれた子の面倒を見る必要がある場合や、幼稚園・保育園に通っている子の面倒を見る必要がある場合に最大5日間休みを取得することができる制度です。

「子どもの面倒をみる」と言うと、子どもが病気をして、看病が必要な時をイメージされると思いますが、この育児参加休暇は、特段子どもが病気等である必要はなく、妻が買い物等に行っている間に子どものお世話をする、上の子どもを公園等に連れて行ってあげる等の理由でも取得することができます。

ちなみに、子どもが病気等により看病が必要な場合は、子の看護休暇と言う休暇制度が別途あるので、そちらの特別休暇を取得しましょう。

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育児参加休暇を取得した場合の給料については、有給休暇と同じ取扱いとなるため、給料・各種手当どちらも満額支給されます。

育児休業

男性公務員も女性公務員と同様に育児休暇を取得することができます。

育児休暇を取得することができる期間は出産日当日から子どもが3歳になるまでです。

育児休暇の内容は男性公務員と女性公務員とで、ほぼほぼ一緒ですが、唯一、取得開始時期に違いがあります。

女性の場合は出産後、8週間産後休暇があり、産後休暇が終わってから育児休暇を取得することになりますが、男性の場合は出産日当日から育児休暇を取得することができます。

育児休暇中の給料についてですが、育児休暇中は給料・各種手当は支給されません。

加えて、育児休業の期間に応じて、ボーナス(期末勤勉手当)及び退職手当が減額されます。

※例外として育児休業の期間が1ヶ月未満の場合はボーナス(期末勤勉手当)は減額されません。

給料・各種手当は出ませんが、代わりに子どもの1歳の誕生日の前日までは、共済組合から育児休業手当金が支給されます。

育児休業手当金の金額は、休業期間によって異なり、

  • 育児休業期間が180日に達するまでは1日につき標準報酬の日額×67%
  • 育児休業期間が180日経過後~子どもが1歳になるまでは1日につき標準報酬の日額×50%

支給されます。

目安としては、大体手取りの80%相当額がもらえる計算になります。

子どもの1歳の誕生日以降も育児休暇は継続して取得できますが、給料・手当・育児休業手当金の支給はありません。

つまり、一切の収入がなくなります。

さらに、互助会に加入している場合、勤続年数に応じで金一封がもらえる制度があるんですが、育児休暇期間中は勤続年数に含まれないため、育児休暇を取得した年数分だけ、同期と比べて永年勤続表彰が遅れることにもなります。

出産日当日から取得できる期間は子どもが3歳になるまで
子どもの1歳の誕生日の前日まで
給料・手当は支給されませんが、共済組合から育児休業手当金が支給されます
育児休業期間が1ヶ月未満の場合は期末手当は減額されません。

産後パパ育休(出生時育児休業)

男性公務員は、出産の日及び産後8週間の期間内(出産の日から57日間以内)に産後パパ育休(出生時育児休業)と言う特別休暇を取得することができます。

産後パパ育休(出生時育児休業)で取得できる休暇期間は最長4週間(28日間)です。

産後パパ育休(出生時育児休業)を取得した場合の給料については、1日につき標準報酬の日額×67%が支給されます。

ここまでの説明を聞くと、「産後パパ育休(出生時育児休業)って育児休暇と一緒じゃない?手続きが面倒になるだけなら、育児休暇だけを取った方が良いのでは?」と思った方が多いのではないでしょうか?

その疑問は当然ですが、絶対に産後パパ育休(出生時育児休業)は取得した方が良いです。

なぜなら、産後パパ育休(出生時育児休業)を取得した方がもらえるお金が増えるからです。

育児休業手当金は育児休暇は取得してから180日までは1日につき標準報酬の日額×67%もらえますが、180日目から子どもが1歳になるまでは1日につき標準報酬の日額×50%に減額されます。

そのため、仮に出産日から育児休暇を取得した場合、最初の180日は1日につき標準報酬の日額×67%もらえますが、残りの185日は1日につき標準報酬の日額×50%しかもらえません。

しかし、産後パパ育休を使えば、最初の28日間は給料から1日につき標準報酬の日額×67%支給され、29日目から180日間、育児休業手当金から1日につき標準報酬の日額×67%が支給されるため、合計208日間、1日につき標準報酬の日額×67%もらえ、残りの157日間が1日につき標準報酬の日額×50%になります。

たったの28日間、17%多くもらえるだけと思うかもしれませんが、仮に標準報酬の日額が10,000円の場合、47,600円もらえる金額に差が出るため、かなり大きな差だと思います。

また、1ヶ月以上、特別休暇を取得した場合、期末手当(ボーナス)が減額されてしまいますが、産後パパ育休と育児休業を使えば、それぞれの期間で承認期間が1ヶ月未満であれば期末手当(ボーナス)は減額されません。

そのため、両方の制度をうまく使えば、収入を減らすことなく2ヶ月間、特別休暇を取得することも可能です。

育児休業給付金は引き上げ予定

2023年3月17日の記者会見で岸田首相が子ども政策についての会見を開き、育児制度を充実させるための方針を発表しました。

その中で、育児休業給付金の支給額を給与の50%~67%から80%に引き上げ、さらにその間社会保険料の支払いも免除し、実質100%を保障するように制度を改正する見通しであることが発表されました。

手始めに男性の育児休暇取得を促進するために「産後パパ育休」で一時的に給付金を80%へ引き上げる予定で、その後、育児休業にも適用することが検討されています。

具体的な引き上げ時期は未定ですが、引き上げが実施されれば、収入面で育児休業の取得を躊躇っていた人が今後育児休業を取得しやすくなりそうです。

公務員の育休取得率

実際の公務員の育児休業等の取得率ですが、参考までに内閣府が発表している国家公務員の育児休業等の取得状況を見てみましょう。


「国家公務員の育児休業等の取得状況のフォローアップ及び男性国家公務員の育児に伴う休暇・休業の 1 か月以上取得促進に係るフォローアップについて」
※令和2年度以前に子が生まれたものの、当該年度には取得せずに、令和3年度になって新たに取得した職員が含まれるため、取得率が100%を超えることがある。

地方公務員の場合も上記とほぼ同じで、男性公務員の育児休業取得率は、まだまだ低めですが、それ以外の出産補助休暇や育児参加休業等の特別休暇は男性公務員もガンガン取得しています。

休暇を取得しにくいと言ったことは一切なく、育児休暇を3年間取得したとしても、嫌味を言われるようなことはありませんので、公務員は出産・子育ては非常にしやすい職場環境と言えます。

ただ、実際に育児休業を3年間取得するのか?と言うと、2年目以降は収入が一切なくなってしまうため、夫婦共働きであっても子どもが1歳になったら保育園に預けて職場復帰する方が大半です。

まとめ

公務員が取得できる各種育児休暇及び休暇中の収入がどうるなのか?について詳しく説明をさせていただきました。

女性公務員はもちろん、男性公務員にも産前・産後に取得できる特別休暇はありますし、実際、私も全ての子どもの出産に立ち会えているので、職場環境的にも非常に休みを取りやすいです。

育児休業以外の特別休暇は通常の有給休暇と一緒で、一切給料・ボーナスに影響がないため、取らなきゃ損です。

ガンガン休みをとって、子どものために時間を使いましょう。

育児休業だけ収入が減り、退職金も減額され、永年勤続表彰の勤続年数にも加算されないと言ったデメリットがあるため、取得する際には気をつける必要がありますが、育児制度を充実させるとの方針が政府から発表されましたので、今後に期待しましょう。

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