PR

市役所で取れる「身分証明書」とは?取り方・費用・用途・住民票との違いを完全解説

手続き
スポンサーリンク

「身分証明書を市役所で取ってきてください」と言われたが、どこの窓口に行けばいい?「住民票と身分証明書って何が違うの?」「身分証明書って運転免許証やパスポートのことじゃないの?」

「身分証明書」という言葉は日常的に使われますが、実は2つの全く異なる意味を持ちます。ひとつは「運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど自分が誰であるかを示す書類(本人確認書類)」、もうひとつが「市役所が戸籍情報に基づいて発行する公的な身分証明書(戸籍法上の証明書)」です。

本記事では後者——戸籍法第10条の2に基づき市役所が発行する法的な「身分証明書」について、取り方・費用・用途・住民票との違いまで、詳しく解説します。

この記事でわかること

  • 市役所が発行する「身分証明書」の正確な意味と記載内容
  • 「住民票」「戸籍謄本」「身分証明書」の違いと使い分け
  • 身分証明書が必要になる主なシーンと用途
  • 市役所窓口・郵便申請・コンビニ交付での取り方と費用
  • 代理人が取得できるケースと委任状の書き方
  • よくある誤解:「身分証明書=運転免許証・マイナンバーカード」ではない
スポンサーリンク

「身分証明書」の2つの意味を整理する

日常語の「身分証明書」と法的な「身分証明書」は別物

「身分証明書を出してください」という要求には、以下の2つの意味があります。

種類 内容 発行者
①本人確認書類(日常語の身分証明書) 運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど、自分が誰であるかを証明するもの 公安委員会・デジタル庁等
②戸籍法上の「身分証明書」 禁治産・準禁治産の宣告・成年被後見の審判の有無などを証明する公的書類 本籍地の市区町村

重要なのは、②の「戸籍法上の身分証明書」は市役所が発行する公文書であり、運転免許証などとは全く異なる書類です。

就職・資格取得・各種許認可申請などで「身分証明書を取ってきてください」と言われた場合、それが①なのか②なのかを事前に確認することが最初のステップです。

本記事で解説するのは②の戸籍法上の身分証明書です。

市役所が発行する身分証明書とは何か?記載内容と法的根拠

法的根拠

市役所が発行する「身分証明書」は、戸籍法第10条の2に基づく証明書です。この証明書は「本籍地の市区町村長」が発行します。

証明書に記載される内容

市役所発行の身分証明書には、以下の事項についての証明が記載されます。

記載事項 内容
禁治産または準禁治産の宣告の有無 旧民法(2000年以前)に基づく行為能力の制限の有無
後見の登記の有無 成年後見・保佐・補助の審判を受けているかどうか
破産宣告・破産手続き開始決定の有無 破産手続き中または免責されていない破産者でないか

つまり、この「身分証明書」は「この人物は行為能力に制限がなく、破産状態でもない、法的に有効な意思決定ができる人物です」ということを市区町村が公的に証明する書類です。

誰のどの情報が記載されるか

身分証明書は、請求した本人の戸籍上の情報に基づいて発行されます。本籍地の市区町村が管理する戸籍情報と、後見登記・破産情報に基づいて作成されます。

身分証明書が必要になる主なシーン

市役所発行の身分証明書は、以下のような場面で求められます。

シーン なぜ必要か
各種資格・免許の申請 薬剤師・弁護士・建築士・不動産業者登録など
許認可・登録の申請 宅地建物取引業・古物商・警備業・貸金業者等
就職時の提出 一部の業種・職種での採用書類として
成年後見関係の手続き 後見開始申立等
相続手続き 遺産分割・法定相続手続きの一部で
金融機関等の手続き 高額取引・融資の審査等
不動産取引 売買・抵当権設定等の重要手続き

最も利用が多いのは各種資格・免許・許認可申請です。国家資格や行政の許認可を取得するための申請書類として「身分証明書」が添付書類として指定されているケースが多くあります。

「身分証明書」「住民票」「戸籍謄本」「戸籍抄本」の違いと使い分け

4種類の証明書の違いを一覧で整理

市役所で取得できる主な証明書の種類と特徴を整理します。

証明書名 証明する内容 発行できる役所 手数料目安
身分証明書 禁治産・後見・破産の有無(欠格事由なし) 本籍地の市区町村のみ 200〜400円
住民票の写し 現在の住所・氏名・世帯構成等 現住所の市区町村 200〜300円
戸籍謄本(全部事項証明書) 出生・婚姻・親族関係の全員分の記録 本籍地の市区町村のみ 450円
戸籍抄本(個人事項証明書) 出生・婚姻・親族関係の個人分の記録 本籍地の市区町村のみ 450円

重要な違い:取得できる場所が異なる

住民票は現住所の市区町村で取得できますが、身分証明書・戸籍謄本・戸籍抄本は本籍地の市区町村でしか取得できません。現住所と本籍地が異なる場合は注意が必要です。

どちらが必要か迷ったときは提出先に確認

「就職の際に身分証明書を提出してください」と言われた場合、それが「運転免許証などの本人確認書類」なのか「市役所発行の身分証明書(戸籍法上)」なのかを、提出先に確認しましょう。

特に資格取得・行政手続きの申請書類として「身分証明書」と記載されている場合は、ほぼ間違いなく市役所発行の戸籍法上の身分証明書が求められています。

市役所窓口での取り方【手順・必要書類・費用】

取得できる窓口

身分証明書は本籍地がある市区町村の市役所・役場で発行してもらえます。現住所の市役所では取得できない点に注意してください。

担当窓口は「戸籍住民課・市民課・市民窓口課」などです。

市役所で戸籍謄本を取るには?取り方・費用・郵便申請・コンビニ取得を完全解説
「戸籍謄本を取ってきてください」と言われたけど、どこに行けばいい?「謄本と抄本の違いは?」「本籍地が遠方なんだけど、どうやって取ればいい?」「コンビニでも取れると聞いたが、何が必要?」婚姻届の提出・相続手続き・パスポートの申請・就職時の身元...

窓口での手続きの流れ

  1. 本籍地の市区町村の役所窓口へ行く
  2. 「身分証明書交付申請書」に必要事項を記入する(窓口に備え付け)
  3. 本人確認書類を提示する
  4. 手数料を支払う
  5. 身分証明書を受け取る(即日発行)

申請書に記入する主な内容

記入項目 内容
本籍地 正確な本籍地の住所
筆頭者の氏名 戸籍の筆頭者(世帯主と異なる場合がある)
請求者の氏名・住所 申請者本人の情報
必要枚数 何通必要か
使用目的 資格取得・就職・許認可申請等

「筆頭者の氏名」がわからない場合は、住民票(本籍・筆頭者の記載あり)で確認できます。

必要な本人確認書類

本人確認書類 備考
運転免許証 最も一般的
マイナンバーカード 顔写真付き・有効なもの
パスポート 有効なもの
健康保険証+補助書類 顔写真なし証明書の場合は補助書類も

手数料(費用)

証明書の種類 1通あたりの手数料(目安)
身分証明書 200〜400円程度

自治体によって手数料が異なります。取得前に各市区町村のウェブサイトで確認してください。

所要時間

書類に問題がなければ申請から受け取りまで10〜20分程度です。混雑時はもう少し時間がかかる場合があります。

郵便(郵送)で身分証明書を申請する方法

本籍地が遠方の場合は郵便申請が有効

本籍地の市区町村が遠方にある場合、郵便(郵送)で身分証明書を申請・受取することができます。

郵便申請に必要なもの

準備するもの 詳細
身分証明書交付申請書 本籍地の市区町村のウェブサイトからダウンロード・記入
本人確認書類のコピー 運転免許証・マイナンバーカード等(表裏両面コピー)
手数料分の定額小為替 郵便局で購入(1通分の手数料相当、200〜400円分)
返信用封筒 自分の住所・宛名を記入し切手を貼ったもの

郵便申請の手順

  1. 本籍地の市区町村のウェブサイトで申請書をダウンロードし、必要事項を正確に記入
  2. 本人確認書類のコピーを用意
  3. 郵便局で手数料分の「定額小為替(ていがくこがわせ)」を購入
  4. 申請書・本人確認コピー・定額小為替・返信用封筒を封筒に入れ、本籍地市区町村の「戸籍担当課」宛に郵送
  5. 数日〜1週間程度で自宅に身分証明書が届く

郵便申請の注意点

  • 急ぎの場合は速達を活用する(往復速達で3〜5日程度)
  • 定額小為替の有効期限は6ヶ月。早めに使用する
  • 本籍地・筆頭者氏名の記入を正確に:間違えると返送される
  • 提出期限が迫っている場合は余裕を持って申請する

コンビニで身分証明書は取れる?

結論:身分証明書はコンビニ交付できない

住民票・印鑑証明書・課税証明書などはマイナンバーカードを使ってコンビニのマルチコピー機から取得できますが、戸籍法上の「身分証明書」はコンビニ交付の対象外です。

コンビニ交付に対応している主な証明書は以下の通りです。

証明書 コンビニ交付可否
住民票の写し ✅ 可能
印鑑登録証明書 ✅ 可能
戸籍謄本・抄本 ✅ 一部自治体のみ対応
課税証明書 ✅ 可能
身分証明書(戸籍法上) コンビニ交付不可

身分証明書が必要な場合は、窓口来庁または郵便申請のいずれかで取得する必要があります。

代理人が身分証明書を取得できるケース

本人以外が取得できる範囲

身分証明書は本人の戸籍情報に基づく証明書であるため、取得できる人の範囲が定められています。

取得できる人 委任状の要否
本人 不要
配偶者 不要(本人との関係を証明できれば)
直系血族(親・子・祖父母・孫等) 不要
兄弟姉妹 委任状が必要な場合が多い
上記以外の第三者 委任状が必要

委任状が必要な場合の書き方

直系血族以外の方が代理で取得する場合は委任状が必要です。

市役所の委任状の書き方を完全解説|テンプレート・記載例・よくある失敗まで
「親が高齢で市役所に行けないので、代わりに手続きをしたい」「急用で本人が行けないが、住民票が今日中に必要」「委任状をどう書けばいいかわからなくて困っている」市役所の手続きは原則として本人が行うものですが、病気・高齢・遠方・多忙などの事情で本...

委任状の主な記載事項:

  • 委任する手続きの内容(「○○市役所において身分証明書○通の交付申請および受領」と明記)
  • 代理人の氏名・住所
  • 委任者(本人)の氏名・住所・自筆署名・押印
  • 作成日付
  • 提出先(○○市役所 市民課御中)

身分証明書に記載される「禁治産・準禁治産」とは?

現在は「成年後見制度」に移行している

証明書に記載される「禁治産者・準禁治産者」という言葉は、2000年以前の旧民法における行為能力制限の制度です。現在は「成年後見制度」(後見・保佐・補助)に移行しています。

旧制度(2000年以前) 現行制度(2000年以降)
禁治産者 成年被後見人(後見の審判を受けた者)
準禁治産者 被保佐人(保佐の審判を受けた者)

身分証明書に「記録なし」と記載される場合

後見登記・破産手続き・旧制度上の禁治産宣告等のいずれも受けていない場合、身分証明書には「記録なし」または「該当事項なし」と記載されます。これが通常の状態であり、各種申請に使用できる証明書です。

各種資格・許認可申請で提出する身分証明書は、この「記録なし」という証明が求められており、「自分はこれらの欠格事由に該当していない」ことを公的に証明するために使用されます。

よくある質問(FAQ)

Q. 「身分証明書を持ってきてください」と言われたが、運転免許証を持っていけばいい?

A. 状況によって異なります。就職の採用手続き・資格申請・許認可申請などで「身分証明書を提出してください」と書類リストに記載されている場合は、市役所が発行する戸籍法上の身分証明書を指していることがほとんどです。提出先に「運転免許証でいいですか?」と確認することをおすすめします。

Q. 身分証明書は本籍地が遠い。今住んでいる市役所では取れない?

A. 取れません。身分証明書は本籍地の市区町村のみが発行できます。本籍地が遠い場合は郵便申請を活用してください。

Q. 本籍地はどこかわからない。どうやって調べる?

A. 現住所の市役所で「本籍の記載あり」の住民票を申請すれば、本籍地が確認できます。または、マイナポータルからも確認できます。

Q. 身分証明書の有効期限はどのくらい?

A. 法定の有効期限はありませんが、提出先(各種申請先)が独自の有効期限(「発行後3ヶ月以内」等)を定めていることが多いです。提出先に確認したうえで、使用する直前に取得することをおすすめします。

Q. 破産したことがあるが、身分証明書に記載される?

A. 破産手続きが終了し「免責決定」を受けた後は、身分証明書への記載が消えます(「記録なし」となります)。ただし免責されていない場合や、免責後も一定期間は記載が残る場合があります。詳細は本籍地の市区町村または弁護士に確認してください。

Q. 外国籍の方も身分証明書を取得できる?

A. 外国籍の方は日本の戸籍制度に登録されていないため、戸籍法上の「身分証明書」を取得することはできません。外国籍の方に身分証明書が求められる場合は、代替書類(在留カード・パスポート等)で対応できるか提出先に確認してください。

Q. 資格申請に「身分証明書」が必要と書いてあるが、いつ取ればいい?

A. 申請書類の提出期限から逆算して取得しましょう。窓口取得なら当日可能、郵便申請は1〜2週間かかります。有効期限が「3ヶ月以内」に設定されていることが多いため、申請書提出の直前(1〜2週間前)に取得するのが最も確実です。

まとめ

市役所で取得できる「身分証明書(戸籍法上)」について、重要なポイントを整理します。

  • 「身分証明書」には「運転免許証等の本人確認書類」と「市役所発行の戸籍法上の証明書」の2種類があり、提出先への確認が最初のステップ
  • 市役所発行の身分証明書は「禁治産・後見・破産の有無」を証明する公文書
  • 取得できるのは本籍地の市区町村のみ(現住所の市役所では不可)
  • 資格取得・許認可申請・就職書類として広く使われ、取得後の状態が「記録なし」であることを証明する
  • 窓口取得は即日可能・費用は1通200〜400円程度
  • 本籍地が遠い場合は郵便申請が有効(申請書・本人確認コピー・定額小為替・返信用封筒を郵送)
  • コンビニ交付には対応していないため、窓口または郵送での取得が必要
  • 直系血族であれば委任状なしで代理取得が可能

「身分証明書を取ってきてください」と言われたらまず「それは戸籍法上の身分証明書ですか?」と確認し、必要であれば本籍地の市区町村の窓口または郵便申請で取得しましょう。

タイトルとURLをコピーしました