「会計年度任用職員の給与っていくらもらえるの?」「正規職員との差はどのくらい?」会計年度任用職員として働くことを考えている方にとって、給与は最も気になるポイントですよね。

2025年現在、会計年度任用職員の給与はフルタイムで月給約14万円〜20万円、パートタイムで時給約1,100円〜1,500円が相場となっています。
さらに、2024年度から勤勉手当が新たに支給されるようになり、年収ベースでは大幅な改善が見られます。

この記事では、会計年度任用職員の給与について、給料表の仕組みから具体的な金額例、昇給の条件、ボーナス込みの年収まで、最新データに基づいて徹底解説します。
会計年度任用職員の給与の基本|フルタイムとパートタイムの違い

フルタイムとパートタイムで呼び方が違う
会計年度任用職員の給与は、勤務形態によって呼び方と支給方法が異なります。
フルタイム会計年度任用職員
- 正式名称: 「給料」
- 支給方法: 月給制
- 勤務時間: 週38時間45分(正規職員と同じ)
パートタイム会計年度任用職員
- 正式名称: 「報酬」
- 支給方法: 時給制または月給制
- 勤務時間: 週38時間45分未満
この違いは法律上の名称であり、実質的には両方とも「給与」として理解して問題ありません。
給与決定の基本原則
会計年度任用職員の給与は、地方公務員法に基づき、以下の原則に従って決定されます:
- 職務給の原則: 職務の内容・責任に応じて決定
- 均衡の原則: 正規職員との均衡を考慮
- 地域の実情: 最低賃金や民間給与水準を反映
総務省のガイドラインでは、「常勤職員の給料表を基礎とし、上限を設定する」ことが示されています。

職種別・地域別の具体的な給与

フルタイム会計年度任用職員の月給例
一般事務職
東京都23区(地域手当20%)
- 初任給(大卒・1級17号給): 約164,000円
- 地域手当: 約33,000円
- 合計: 約197,000円
地方都市(地域手当なし)
- 初任給(大卒・1級17号給): 約164,000円
- 合計: 約164,000円
経験者(3年目・1級25号給)
- 基本給: 約181,000円
- 地域手当(20%): 約36,000円
- 合計: 約217,000円
保育士
東京都23区
- 基本給(2級5号給): 約200,000円
- 地域手当(20%): 約40,000円
- 合計: 約240,000円
地方都市
- 基本給(2級5号給): 約200,000円
- 合計: 約200,000円
専門職(司書、看護師など)
図書館司書
- 基本給: 約180,000円〜210,000円
- 地域手当: 自治体による
- 合計: 約180,000円〜250,000円
看護師
- 基本給: 約220,000円〜280,000円
- 地域手当: 自治体による
- 合計: 約220,000円〜320,000円
パートタイム会計年度任用職員の時給例
一般事務補助
東京都23区
- 時給: 1,300円〜1,500円
大阪市
- 時給: 1,200円〜1,400円
地方都市
- 時給: 1,100円〜1,300円
保育補助
都市部
- 時給: 1,400円〜1,700円
地方
- 時給: 1,200円〜1,500円
専門職
学童保育指導員
- 時給: 1,300円〜1,600円
相談員(福祉・教育)
- 時給: 1,500円〜2,000円
地域による給与差の要因
給与に地域差が生じる主な理由
- 地域手当の有無
- 都市部: 0%〜20%支給
- 地方: 支給なしが多い
- 最低賃金の違い
- 東京都: 1,163円(2024年10月〜)
- 地方: 900円台〜1,000円台
- 自治体の財政状況
- 財政に余裕がある自治体ほど高め
昇給はある?給与が上がる条件とタイミング

◆フルタイムには昇給制度がある
法律上、フルタイム会計年度任用職員には昇給制度が設けられています。
- 毎年1号給ずつ上がる
- 人事評価により昇給する
- 上限号給が決まっている
など自治体ごとに違いはありますが、基本的に毎年わずかに昇給する仕組みです。
◆ただし、昇給幅は非常に小さい
多くの自治体では、
- 年に1号給のみ(2,000円〜4,000円程度)
- 上限3〜5号給で打ち止め
という小規模の昇給に留まります。
手当とボーナス|給与以外にもらえるお金
フルタイム会計年度任用職員の手当
フルタイムの場合、基本給以外に以下の手当が支給される可能性があります。
1. 地域手当
支給率:
- 東京都特別区: 20%
- 政令指定都市: 10%〜16%
- その他の地域: 0%〜10%
計算例(月給18万円、地域手当20%の場合): 180,000円 × 0.2 = 36,000円
2. 通勤手当
支給内容:
- 実費相当額を支給
- 上限額は自治体により異なる(月5万円前後が多い)
- 公共交通機関の定期代が基本
3. 時間外勤務手当(残業代)
支給率
- 平日時間外: 基準額の125%
- 休日勤務: 基準額の135%
正規職員と同様に、残業した分は全額支給されます。
4. 期末手当・勤勉手当(ボーナス)
2025年度の支給月数
- 期末手当: 年間2.5月分
- 勤勉手当: 年間2.1月分
- 合計: 年間4.6月分
支給時期:
- 夏: 6月(期末1.25月+勤勉1.05月)
- 冬: 12月(期末1.25月+勤勉1.05月)
計算例(月給20万円の場合):
- 夏のボーナス: 200,000円 × 2.3月 = 460,000円
- 冬のボーナス: 200,000円 × 2.3月 = 460,000円
- 年間: 920,000円

5. 退職手当
支給条件
- 任用期間6ヶ月以上のフルタイム職員
- パートタイムは対象外(原則)
支給額の目安
- 1年勤務: 給料月額 × 約0.15
- 3年勤務: 給料月額 × 約0.6

パートタイム会計年度任用職員の手当
パートタイムの場合、支給される手当は限定的です。
支給される可能性がある手当
- 通勤に係る費用弁償(通勤手当相当)
- 期末手当・勤勉手当(条件あり)
期末手当・勤勉手当の支給条件
- 週の勤務時間が15時間30分以上
- 任用期間が6ヶ月以上
計算例(時給1,300円、週25時間勤務の場合): 月額報酬: 1,300円 × 25時間 × 4週 = 130,000円 年間ボーナス: 130,000円 × 4.6月 = 598,000円
年収シミュレーション|手取りはいくら?

フルタイム会計年度任用職員の年収例
ケース1: 新卒・大卒・事務職(東京都23区)
月給
- 基本給: 164,000円
- 地域手当: 33,000円
- 通勤手当: 15,000円
- 月額合計: 212,000円
年間給与
- 月給 × 12ヶ月: 2,544,000円
- ボーナス: 197,000円 × 4.6月 = 906,200円
- 年収: 3,450,200円
手取り推定
- 社会保険料・税金を引いた手取り: 約280万円
ケース2: 経験3年・事務職(地方都市)
月給
- 基本給: 181,000円
- 通勤手当: 10,000円
- 月額合計: 191,000円
年間給与
- 月給 × 12ヶ月: 2,292,000円
- ボーナス: 181,000円 × 4.6月 = 832,600円
- 年収: 3,124,600円
手取り推定
- 手取り: 約250万円
ケース3: 保育士・5年目(東京都23区)
月給
- 基本給: 220,000円
- 地域手当: 44,000円
- 通勤手当: 15,000円
- 月額合計: 279,000円
年間給与
- 月給 × 12ヶ月: 3,348,000円
- ボーナス: 264,000円 × 4.6月 = 1,214,400円
- 年収: 4,562,400円
手取り推定
- 手取り: 約360万円
パートタイム会計年度任用職員の年収例
ケース1: 週20時間勤務・事務補助(都市部)
時給: 1,300円
月収
- 1,300円 × 20時間 × 4週 = 104,000円
年収
- 月収 × 12ヶ月: 1,248,000円
- ボーナス: 104,000円 × 4.6月 = 478,400円
- 年収: 1,726,400円
手取り推定
- 手取り: 約145万円
ケース2: 週30時間勤務・保育補助(都市部)
時給: 1,500円
月収
- 1,500円 × 30時間 × 4週 = 180,000円
年収
- 月収 × 12ヶ月: 2,160,000円
- ボーナス: 180,000円 × 4.6月 = 828,000円
- 年収: 2,988,000円
手取り推定
- 手取り: 約245万円
手取り額の計算方法
給与から差し引かれるもの
1. 社会保険料(約15%)
- 健康保険料
- 厚生年金保険料
- 雇用保険料
2. 所得税(約5%)
- 収入額に応じて変動
3. 住民税(約10%)
- 前年の収入に基づいて計算
手取りの目安: 額面の約80%〜85%
正規職員との給与比較

初任給の比較
| 項目 | 正規職員 | 会計年度任用職員 |
|---|---|---|
| 大卒初任給 | 約18万円 | 約16万円 |
| 地域手当(東京) | 約3.6万円 | 約3.3万円 |
| 月収合計 | 約21.6万円 | 約19.7万円 |
差額: 月約1.9万円
年収の比較(30代・事務職の場合)
| 項目 | 正規職員 | 会計年度任用職員 |
|---|---|---|
| 月給 | 約30万円 | 約20万円 |
| ボーナス | 約150万円 | 約90万円 |
| 年収 | 約510万円 | 約330万円 |
差額: 年約180万円
生涯賃金の差
| 項目 | 正規職員(22歳〜60歳まで) | 会計年度任用職員(22歳〜60歳まで) |
|---|---|---|
| 生涯賃金 | 約約2億円〜2.5億円 | 約1億円〜1.3億円 |
差額: 約1億円
給与以外の違い
| 項目 | 正規職員 | 会計年度任用職員 |
|---|---|---|
| 昇給 | 毎年あり | 限定的 |
| 退職金 | 数百万円〜2千万円超 | 少額または なし |
| 住居手当 | あり(最大2.8万円) | なし(多くの自治体) |
| 扶養手当 | あり | なし(多くの自治体) |
| 雇用の安定性 | 定年まで | 毎年更新 |
2024年度からの処遇改善|何が変わった?

勤勉手当の支給開始
2024年4月から、会計年度任用職員にも勤勉手当の支給が開始されました。

改正前(2023年度まで)
- 期末手当のみ: 年間2.4月分
- 年間ボーナス例: 18万円 × 2.4月 = 43.2万円
改正後(2024年度から)
- 期末手当: 年間2.5月分
- 勤勉手当: 年間2.1月分
- 合計: 年間4.6月分
- 年間ボーナス例: 18万円 × 4.6月 = 82.8万円
増加額: 年間約40万円!
給与改定の4月遡及
2024年度の給与改定では、多くの自治体で4月に遡って改定が行われました。
実施状況(自治労連調査)
- 4月遡及を実施した自治体: 77.8%
- 実施しなかった自治体: 12.6%
具体例: 9月に給与改定が決定した場合、4月〜8月分の差額が9月の給与と一緒に支給されます。
再任用上限の見直し
従来、多くの自治体で「最大2回まで」とされていた再任用の上限が、見直されつつあります。
改正前
- 最大3年(2回の再任用)で終了
- 継続して働くには再度公募に応募が必要
改正後(一部自治体)
- 再任用回数の上限を撤廃
- 勤務成績が良好であれば継続的に任用可能
実施状況(2024年12月時点)
- 上限撤廃を検討中: 約40%の自治体
- すでに撤廃: 約15%の自治体
よくある質問

Q1: 会計年度任用職員の給与は安すぎませんか?
A: 正規職員と比べると確かに低いですが、以下の点を考慮する必要があります。
- 2024年度から処遇が大幅改善(ボーナスほぼ倍増)
- 民間の非正規職員と比べると平均的〜やや高め
- 安定性や福利厚生を考慮すると相対的に良い条件
ただし、「同一労働同一賃金」の観点から、さらなる改善を求める声も多くあります。
Q2: 給与は自治体によってどのくらい違いますか?
A: 同じ職種でも、自治体により月3万円〜5万円程度の差が出ることがあります。
主な要因
- 地域手当の有無と支給率
- 自治体の財政状況
- 給料表の水準設定
東京都特別区が最も高く、地方の小規模自治体が低い傾向があります。
Q3: 昇給はほとんどないって本当ですか?
A: 完全に「ない」わけではありませんが、限定的です。
昇給のパターン
- 再任用時に号給が上がる(年1回、4号給程度)
- 人事評価による昇給(導入している自治体のみ)
- 全職員対象の給与改定(年により有無が変わる)
正規職員のように毎年確実に昇給するわけではなく、上限も低めに設定されています。
Q4: ボーナスはいつもらえますか?
A: 年2回、6月と12月に支給されます。
支給条件
- 任用期間が6ヶ月以上
- 週の勤務時間が15時間30分以上
- 基準日(6月1日、12月1日)に在職していること
4月1日に新規採用された場合、6月のボーナスは在職期間が短いため減額されます(約30%)。
Q5: 給与から何が引かれますか?手取りはどのくらい?
A: 以下のものが給与から控除されます。
控除項目
- 健康保険料(約5%)
- 厚生年金保険料(約9%)
- 雇用保険料(約0.6%)
- 所得税(約5%)
- 住民税(約10%、2年目から)
手取りの目安
- 1年目: 額面の約85%
- 2年目以降: 額面の約80%
Q6: 正規職員に比べて給与が安いのはなぜ?
A: 以下の理由があります。
- 職務の違い: 補助的業務が中心(企画立案等は少ない)
- 責任の軽重: 重要な意思決定は正規職員が担当
- 昇給の差: 正規職員は定期的に昇給するが、会計年度任用職員は限定的
- 各種手当の差: 住居手当、扶養手当等が支給されないことが多い
ただし、「同一労働同一賃金」の原則に照らして、今後さらなる処遇改善が期待されています。
Q7: 民間企業のパートより給与は良いですか?
A: 職種や地域により異なりますが、総合的には平均的〜やや良い水準です。
会計年度任用職員のメリット
- ボーナスが支給される(大きい!)
- 有給休暇が充実(6ヶ月後に10日付与)
- 社会保険完備
- 雇用が比較的安定
時給だけを比較すると同等ですが、ボーナスや福利厚生を含めると有利な場合が多いです。
まとめ:会計年度任用職員の給与は改善傾向にある

会計年度任用職員の給与|重要ポイント
1. フルタイムの給与水準
- 月給: 14万円〜20万円(初任給)
- 年収: 250万円〜350万円(ボーナス含む)
- 経験者は月給20万円超も可能
2. パートタイムの給与水準
- 時給: 1,100円〜1,500円
- 年収: 週の勤務時間による(150万円〜300万円)
- ボーナスも支給される(条件あり)
3. 2024年度からの大幅改善
- 勤勉手当が新たに支給開始
- ボーナスが約2倍に(年間2.4月→4.6月)
- 年収ベースで40万円超の増加
4. 昇給は限定的
- 正規職員のような毎年の自動昇給はない
- 上限が設定されている
5. 正規職員との差
- 初任給: 月約2万円の差
- 年収: 年約180万円の差(30代比較)
- 生涯賃金: 約1億円の差
6. 給与以外のメリット
- ボーナス支給
- 社会保険完備
- 有給休暇充実
- 雇用の安定性
給与面で知っておくべきこと
給与が高い傾向
- 大都市圏(東京、大阪など)
- 地域手当が高い自治体
- 専門職(保育士、看護師、司書など)
給与が低い傾向:
- 地方の小規模自治体
- 地域手当がない地域
- 一般事務補助
給与を上げる方法:
- 継続して働き、経験を積む
- 専門資格を取得する
- 正規職員の採用試験に挑戦する
2025年の展望
会計年度任用職員の処遇は、今後さらに改善が進むと予想されています。
期待される改善
- 給与水準のさらなる引き上げ
- 昇給制度の充実
- 再任用上限の撤廃拡大
- 各種手当の拡充(住居手当、扶養手当など)
課題
- 正規職員との格差是正
- 雇用の安定性向上
- キャリアアップの機会拡大
最後に
会計年度任用職員の給与は、2024年度の勤勉手当導入により大幅に改善されました。
ボーナスが実質2倍になったことで、年収ベースでは40万円以上の増加となっています。
正規職員と比較すると給与は低めですが、民間の非正規雇用と比較すれば、ボーナスや福利厚生を含めた総合的な待遇は決して悪くありません。
自分が希望する働き方、ライフスタイル、キャリアプランに合わせて、会計年度任用職員という選択肢を検討してみてください。
給与の詳細や最新情報は、応募を検討している自治体の公式サイトや人事担当課に直接お問い合わせすることをおすすめします。

