新型コロナの影響を受けた人たちへの支援策をめぐり自民・公明両党は、
18歳以下を対象に現金とクーポンを組み合わせて10万円相当の給付を
実施することで合意したそうです。
10万円の内訳としては、
年内に現金5万円を先行給付し、
来春までに子育て関連に使える5万円相当のクーポンを
支給する方針とのことです。
そもそも論として、今回の給付が
経済対策なのか、困窮者救済対策なのか、
子育て支援対策なのか、目的が全く分かりませんし、
年収960万円の所得制限を導入する意味もわかりません。
しかし、国民全員の総意で選挙で決めた政治家達が
決めた政策なので、10万円給付はバラマキだろうとなんだろうと
公務員として文句は言いません、と言うか言えません。
ただ!ただですよ!
クーポンだけは勘弁していただきたい!
なぜならクーポンの配布はデメリットしかなく、
メリットなんて一つもないからです!
ぜひニュースのコメンテーター他、皆様のお力で
現金もしくはマイナポイントでの配布をしていただきたいので、
クーポン配布のデメリットについて詳しくご説明させていただきます。
使用用途を制限される
クーポン支給にするメリットとして、
使用用途を制限できることが、よく挙げられます。
これって本当にメリットなんでしょうか?
例えば地域を限定するのであれば、クーポンも
地域経済を回すと言う意味では、多少は効果があるかもしれません。
しかし、今回は国民全員に配布するため、
地域を限定できるものではありません。
そして、今回は子育て目的に使途を限定する予定のようですが、
0歳~18歳までの子どもと言えば、かなり範囲が広いため、
用途を限定できるかどうかも不明です。
もちろん、パチンコ、競馬、競艇等のギャンブルに直接的には
使用できないだけ効果はあると言う意見もあるでしょう。
ただ、クーポンの利用範囲が広ければ、
結局、生活費に充てていたお金をギャンブル等に回すだけなので、
使用用途を制限する意味が全くありません。
支給額以上に無駄な税金がかかる
クーポンを発行するものタダじゃありません。
偽造防止のための特殊な印刷が必要です。
そのため、印刷代が大量にかかります。
しかも、この偽造防止のための印刷は、
お札を印刷するほどの高度な印刷ではなく、
銀色のキラキラを貼る程度の印刷です。
それでも、印刷会社は、ここぞとばかりに
多額の印刷費用を請求してくるため、支給額以上に
多額の税金が印刷会社に流れます。
最近は何でもクーポン、クーポン言うため、
印刷業界と政治の関係を疑われないのか?
と心配になるほどです。
また、現金であれば銀行があるため、
銀行に預けて、銀行が各世帯に振り込みをしてくれますが、
クーポンの場合はそうはいきません。
クーポンとは言え、金券のため、現金と取扱いは一緒です。
各自治体は、わざわざクーポン保管を厳重に行うため、
鍵をかけたり、警備会社と契約しなければなりません。
また、各世帯に配布するのにも、市の職員が
1件1件確認しながら袋詰をしなければいけないため、
残業代や新規に雇用する会計年度任用職員の人件費もかかります。
そして、郵送も普通郵便ではなく、書留で送らなければいけないため、
郵送料もかかります。
このように現金であれば振り込み手数料だけで済むところを
印刷代、保管場所の整備費用、人件費、郵送料に無駄に数十億円の
税金が投入されることになります。
それなら、支給対象者を広げたり、支給額を増やす方が
よっぽど生産性が高く、国民のためです。
余計な手間暇がかかり支給が遅くなる
上記でも簡単に説明しましたが、
クーポンを発行するとなると、余計な手間暇がかかります。
もしも現金の場合、
・配布対象者のリストアップ
・銀行に振り込み依頼
たったこれだけで終わります。
しかし、クーポンを発行しようものなら、
・配布対象者のリストアップ
・市内で使える場所のリストアップ
・クーポンに関する仕様書・契約書の作成
・クーポンを発行してもらう印刷会社の選定(競争入札)
・印刷会社と契約
・クーポン保管場所の確保・整備
・セキュリティに関する仕様書・契約書の作成
・セキュリティ会社の選定(競争入札)
・セキュリティ会社と契約
・クーポンの袋詰
・クーポンを各世帯に郵送する手続き
・クーポンに関する問い合わせ・クレーム対応
ざっと挙げただけで、これだけの作業が発生します。
仕事ではありません。作業が発生します。
まとめ
クーポンの発行は、時間も手間もお金も無駄にかかります。
無駄にかかるだけで、効果に差はありません。
我々公務員は国民が選んだ政治家の決めたことを実現するための
手足のため、粛々と言われたことをするだけですが、
無駄な時間も、無駄な労力も、無駄な税金もかけたくないので、
クーポン配布だけは反対の声をもっと挙げていただきたいです。