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会計年度任用職員が妊娠したら?産休・育休・給付金・契約更新のすべて

会計年度任用職員
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会計年度任用職員として働いている方が妊娠した場合、「産休・育休は取れるの?」「給料はどうなるの?」「契約は更新されるの?」など、多くの不安を抱えることでしょう。

結論から言うと、会計年度任用職員でも産休・育休を取得できます。

ただし、給付金の支給条件や契約更新については、雇用条件によって異なる部分もあります。

本記事では、会計年度任用職員が妊娠した際に知っておくべきすべてのことを、産休・育休の取得条件から給付金、契約更新、職場への報告方法まで、初心者でも理解できるよう徹底的に解説します。

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  1. 妊娠がわかったら、まず最初にすべきこと
    1. 妊娠が分かったらすぐに上司に報告
    2. 雇用条件の確認
  2. 産前産後休暇(産休)の取得
    1. 産休の期間
    2. 産休の取得条件
    3. 産休中の給与
  3. 出産手当金の支給
    1. 出産手当金とは
    2. 出産手当金の支給条件
    3. 出産育児一時金
  4. 育児休業(育休)の取得
    1. 育休の期間
    2. 育休の取得条件
    3. 育休取得の手続き
  5. 育児休業給付金の支給
    1. 育児休業給付金とは
    2. 2025年4月からの制度改正
    3. 育児休業給付金の支給条件
  6. 育休中の期末手当(ボーナス)
    1. ボーナスは支給される?
    2. ボーナスの減額
  7. 契約更新と雇止めの不安
    1. 育休中の契約更新
    2. 育休を理由とした不利益取扱いの禁止
    3. 2024年の制度変更で長期勤務の可能性拡大
  8. 育休明けの職場復帰
    1. 復帰時期の検討
    2. 短時間勤務制度
    3. 子の看護等のための休暇
  9. よくある質問
    1. Q1. パートタイムの会計年度任用職員でも産休・育休は取れますか?
    2. Q2. 産休・育休中の給料はどうなりますか?
    3. Q3. 育休を取ったら契約更新されなくなりますか?
    4. Q4. 出産手当金と育児休業給付金の両方をもらえますか?
    5. Q5. 育休中でもボーナスはもらえますか?
    6. Q6. 妊娠を報告するタイミングはいつがいいですか?
  10. 妊娠・出産に関する各種休暇
    1. 妊娠症状対応休暇
    2. 母子保健健診休暇
    3. 妊婦通勤時間
    4. 育児時間
  11. マタニティハラスメント(マタハラ)への対処
    1. マタハラとは
    2. マタハラを受けたときの対処法
  12. まとめ:安心して妊娠・出産に臨むために
    1. 産休・育休の取得
    2. 給付金・手当
    3. 契約更新
    4. 早めの準備
    5. 困ったときの相談先

妊娠がわかったら、まず最初にすべきこと

妊娠が分かったらすぐに上司に報告

妊娠が判明したら、できるだけ早く直属の上司または人事担当課に報告しましょう。

早期報告のメリット

  • 体調不良時に休みやすい環境を整えられる
  • 業務の引継ぎ準備に時間が取れる
  • 産休・育休の手続きがスムーズになる
  • 母体と赤ちゃんの安全を守れる

安定期に入ってから報告しようと考える方も多いですが、妊娠初期はつわりなど体調が不安定になりやすい時期です。

上司や人事部門には早めに伝えて、体調が悪いときには休むことを理解してもらえるようにしておきましょう。

雇用条件の確認

産休・育休の取得条件は、フルタイムかパートタイムか、勤務日数や時間によって異なります。

確認すべき項目

  • 雇用形態(フルタイム/パートタイム)
  • 週の所定労働時間
  • 契約期間と更新の見込み
  • 雇用保険の加入状況
  • 健康保険の加入状況(共済組合/協会けんぽ)

これらは、産休・育休の取得や各種給付金に影響します。

産前産後休暇(産休)の取得

産休の期間

会計年度任用職員は、産前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)、産後8週間の「産前産後休暇」を取得できます。

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産休の期間

  • 産前休暇:出産予定日の6週間前から(任意)
  • 産後休暇:出産翌日から8週間(必須)
  • 多胎妊娠:産前14週間前から

産前休暇は本人の請求により取得できる任意の休暇ですが、産後休暇は必ず取得しなければならない(働いてはいけない)休暇です。

産休の取得条件

会計年度任用職員が産休を取得するための特別な条件はありません。

雇用形態や雇用期間に関係なく、すべての女性労働者が取得できます。

産休取得に必要な条件

  • 妊娠していること(それだけ)
  • 雇用形態不問(フルタイム/パートタイム)
  • 勤務日数・時間不問
  • 雇用保険や健康保険の加入不問

産休中の給与

産休期間中の給与は「無給」となる場合が多く、収入がなくなる可能性があります。

ただし、給与の代わりに健康保険から「出産手当金」が支給されることがあります。

出産手当金の支給

出産手当金とは

出産手当金とは、健康保険から支給される手当金で、産休中の生活を支えるための制度です。

出産手当金の支給額: 産休前の給与の3分の2に相当する額

計算式: 1日あたりの支給額 = 支給開始日の以前12か月間の各標準報酬月額を平均した額 ÷ 30日 × 2/3

具体例(月給20万円の場合)

  • 標準報酬月額20万円 ÷ 30日 = 6,667円
  • 6,667円 × 2/3 = 4,445円/日
  • 4,445円 × 96日(産前6週+産後8週)= 約43万円

出産手当金の支給条件

出産手当金を受給するには、以下の条件を満たす必要があります。

支給条件

  1. 勤務先の健康保険に加入していること
  2. 妊娠4か月以上で出産したこと
  3. 産休期間中に給与が支払われていないこと

注意点

  • 共済組合または協会けんぽに加入していることが必要
  • 国民健康保険は対象外
  • パートナーの扶養に入っている場合は対象外
  • 勤続1年未満でも受給可能(2022年1月改正)

出産育児一時金

出産時には、出産手当金とは別に「出産育児一時金」も支給されます。

出産育児一時金

  • 子ども1人につき50万円(2023年4月から)
  • 産科医療補償制度非加算の場合は48万8千円
  • 健康保険に加入していれば受給可能

育児休業(育休)の取得

育休の期間

会計年度任用職員の育児休業は、原則として「子どもが1歳に達する日まで」の期間取得できます。

育休の期間

  • 基本:子どもが1歳に達する日まで
  • 延長1:保育所に入れない等の場合は1歳6か月まで
  • 延長2:それでも入れない場合は2歳まで

育休の取得条件

会計年度任用職員が育児休業を取得するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。

育休取得の条件

  1. 雇用保険に加入していること
  2. 週の所定労働時間が20時間以上
  3. 31日以上の雇用見込みがあること
  4. 子どもが1歳6か月に達する日までに労働契約が満了することが明らかでないこと

4つ目の条件が重要です。

つまり、契約の継続や更新の見込みがあることが、育休取得の要件となります。

具体例

  • 4月1日から翌年3月31日までの契約期間中に子どもが生まれる
  • 契約更新の見込みがある
  • この場合、育休を取得できる

育休取得の手続き

育児休業を取得するには、休業開始予定日の1か月前までに申請することが必要です。

手続きの流れ

  1. 妊娠が分かったら上司に報告
  2. 人事担当課で必要書類を入手
  3. 育児休業申出書を記入
  4. 休業開始予定日の1か月前までに提出
  5. 承認後、正式に休業取得

産後8週間は産休があるため、出産後に申請では遅い場合があります。

産休に入る前に予め申請しておきましょう。

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育児休業給付金の支給

育児休業給付金とは

育児休業給付金は、雇用保険から支給される給付金で、育休中の生活を支えるための制度です。

育児休業給付金の支給額

  • 最初の180日間:休業開始前賃金の67%
  • 181日目以降:休業開始前賃金の50%

2025年4月からの制度改正

2025年4月から、育児休業給付金の制度が改正されます。

出生後休業支援給付金(新設)

  • 子どもが生まれた直後の一定期間内
  • 父母それぞれが14日以上の育休を取得する場合
  • 最大28日間、給付金に上乗せして休業開始前賃金の13%が支給
  • つまり、67% + 13% = 80%が支給

育児休業給付金の支給条件

支給条件

  1. 雇用保険に加入していること
  2. 育休開始前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12か月以上あること
  3. 育休期間中に休業開始前の賃金の80%以上が支払われていないこと

育休中の期末手当(ボーナス)

ボーナスは支給される?

会計年度任用職員の期末手当(ボーナス)は、育休中であっても支給される可能性があります。

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ボーナス支給の条件

  • 算定対象期間中に勤務実績があること
  • 支給日に在籍していること

多くの自治体では、期末手当の算定対象期間中に勤務実績があれば、支給日に育休中であっても手当が支給されます。

ボーナスの減額

ただし、支給額は勤務日数に応じて減額されるのが一般的です。

減額の例

  • 算定期間(12月~5月)の全てを勤務:満額支給
  • 算定期間の一部(1~4月)を勤務:4/6の支給
  • 算定期間の全てを育休:支給なし

契約更新と雇止めの不安

育休中の契約更新

会計年度任用職員は原則として任期が1年以内で設定されます。

育休中に任期満了を迎える場合、契約更新されるかどうかが最大の不安となります。

契約更新の可否は以下の条件に左右されます。

  • 勤務成績が良好であること
  • 業務の必要性があること
  • 予算が確保されていること
  • 自治体の方針

育休を理由とした不利益取扱いの禁止

会計年度任用職員であっても、育児・介護休業法により、育児休業を理由とする不利益取扱いは禁止されています。

禁止される不利益取扱い

  • 育休取得を理由とした解雇
  • 育休取得を理由とした契約更新の拒否
  • 育休取得を理由とした降格や減給
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ただし、もともと契約更新が見込まれていない場合、休業中に契約が終了する可能性があります。

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2024年の制度変更で長期勤務の可能性拡大

2024年6月に人事院が「3年目公募」を撤廃したことで、長期勤務の可能性が広がりました。

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制度変更のポイント

  • 従来:公募によらない再任用は最大2回(実質3年間)
  • 現在:再任用回数の上限撤廃
  • 勤務成績が良好なら継続的に再任用可能

これにより、育休を取得しても、その後の契約更新がしやすくなる可能性があります。

育休明けの職場復帰

復帰時期の検討

育休から復帰する時期は、以下の要素を考慮して決定します。

検討事項

  • 保育所の入所状況
  • 子どもの健康状態
  • 家族のサポート体制
  • 経済的状況

短時間勤務制度

育休明けに、いきなりフルタイムで働くことが難しい場合、短時間勤務制度を利用できる可能性があります。

短時間勤務の条件

  • 3歳に満たない子を養育していること
  • 1日の所定労働時間が6時間15分以上であること

ただし、会計年度任用職員の場合、もともとパートタイムの場合は対象外となることがあります。

子の看護等のための休暇

育休明け後も、子どもの病気や健診で休暇が必要な場合があります。

子の看護等休暇

  • 対象:一週間の所定勤務日数が3日以上、または年121日以上の職員
  • 期間:1年間に5日まで(子どもが2人以上の場合は10日)
  • 小学校就学前の子どもが対象

よくある質問

Q1. パートタイムの会計年度任用職員でも産休・育休は取れますか?

A1. 産休はすべての女性労働者が取得できます。育休は雇用保険に加入していること(週20時間以上勤務、31日以上の雇用見込み)が条件です。これらを満たせば、パートタイムでも取得可能です。

Q2. 産休・育休中の給料はどうなりますか?

A2. 産休・育休期間中の給与は原則として無給です。ただし、共済組合または協会けんぽに加入していれば出産手当金(産休中)、雇用保険に加入していれば育児休業給付金(育休中)が支給されます。

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Q3. 育休を取ったら契約更新されなくなりますか?

A3. 育休を理由とした不利益取扱いは法律で禁止されています。勤務成績が良好であれば、育休取得を理由に契約更新を拒否されることは違法です。ただし、もともと契約更新の見込みがなかった場合は別です。

Q4. 出産手当金と育児休業給付金の両方をもらえますか?

A4. はい、もらえます。出産手当金は産休期間(産前6週+産後8週)、育児休業給付金は育休期間(産後8週以降~子が1歳まで)にそれぞれ支給されます。

Q5. 育休中でもボーナスはもらえますか?

A5. 期末手当の算定対象期間中に勤務実績があれば、支給日に育休中でも支給される可能性があります。ただし、勤務日数に応じて減額されることが一般的です。

Q6. 妊娠を報告するタイミングはいつがいいですか?

A6. できるだけ早く報告することをおすすめします。妊娠初期はつわりなど体調が不安定になりやすく、早期報告により配慮を受けやすくなります。遅くとも安定期(妊娠5か月頃)には報告しましょう。

妊娠・出産に関する各種休暇

妊娠症状対応休暇

つわりなどの妊娠に伴う症状のため勤務が困難な場合に取得できる休暇です。

母子保健健診休暇

母子保健法に基づく健康診査や保健指導を受けるための休暇です。

妊婦健診は14回程度あるため、この休暇を活用しましょう。

妊婦通勤時間

通勤ラッシュを避けるなど、妊婦が通勤に必要な時間を確保するための制度です。

始業時刻を遅らせたり、終業時刻を早めたりできます。

育児時間

生後1年未満の子を育てる女性職員は、1日2回、各30分(または1日1回60分)の育児時間を請求できます。

これらの休暇は、週3日以上または年121日以上勤務している職員が対象となります。

マタニティハラスメント(マタハラ)への対処

マタハラとは

マタハラとは、妊娠・出産などをきっかけに雇用主や職場から不利益な取扱いを受けることです。

マタハラの例

  • 妊娠・出産を理由とした解雇
  • 育休取得を妨げる言動
  • 契約更新の拒否
  • 正規職員からパートへの変更を強要
  • 雑用への配置転換

これらは男女雇用機会均等法、育児・介護休業法で禁止されています。

マタハラを受けたときの対処法

相談窓口

  • 職場の人事担当課
  • 所属する労働組合
  • 都道府県労働局の雇用環境・均等部
  • 弁護士

不当な扱いを受けた場合は、一人で悩まず専門家に相談しましょう。

まとめ:安心して妊娠・出産に臨むために

会計年度任用職員が妊娠した際に知っておくべき重要なポイントをまとめます。

産休・育休の取得

  • 産休:すべての女性労働者が取得可能(産前6週+産後8週)
  • 育休:雇用保険加入者で契約更新の見込みがあれば取得可能
  • 期間:原則として子どもが1歳まで、最長2歳まで延長可能

給付金・手当

  • 出産手当金:産休中、給与の2/3(共済組合または協会けんぽ加入者)
  • 出産育児一時金:50万円(健康保険加入者全員)
  • 育児休業給付金:育休中、最初の180日は給与の67%、その後50%
  • 2025年4月から:出生後休業支援給付金で最大80%に

契約更新

  • 不利益取扱いの禁止:育休を理由とした契約更新拒否は違法
  • 2024年の制度変更:再任用回数の上限撤廃で長期勤務の可能性拡大
  • 条件:勤務成績が良好であること

早めの準備

  • 妊娠が分かったらすぐに上司に報告
  • 雇用条件と加入保険を確認
  • 産休・育休の申請は早めに
  • 給付金の手続きを確認

困ったときの相談先

  • 人事担当課
  • 所属する労働組合
  • 都道府県労働局雇用環境・均等部
  • ハローワーク
  • 弁護士・社会保険労務士

会計年度任用職員であっても、安心して妊娠・出産に臨むことができます。

制度を正しく理解し、必要な手続きを適切に行うことで、経済的な不安を軽減し、母子ともに健康な出産を迎えることができます。

不明な点や不安なことがあれば、一人で悩まず、人事担当課や専門家に相談してください。

あなたとお子さんの健康が何より大切です。

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