地元に戻って地域に貢献したい!と思っている学生の方、今の仕事をやめて公務員になろうと考えている社会人の方など、地方公務員になりたい方は数多くいらっしゃいます。
しかし、地方公務員になりたいと思ったら、まずは一次の筆記試験を突破しなければいけません。
この筆記試験に合格するためには、専門学校等に通わないといけないのでしょうか?それとも独学でもなんとかなるのでしょうか?
また、勉強時間はどれくらい掛かるものなのか?いつから始めたら直近の試験に間に合うのか?気になるところだと思います。
そこで、このページでは、地方公務員試験に合格するために実際に私が実践したことをご紹介します。
独学でも合格できる
まず最初に地方公務員試験に合格するために専門学校に通うべきかどうか?についてですが、ハッキリ言って公務員専門学校に通う必要はありません。
実際に私は公務員専門学校に通いませんでしたし、学生時代も地方公務員になるなんて全然思っていなかったので大学の公務員講座も受けていません。
それでも地方公務員になれていますので、独学でも地方公務員試験を突破することは可能です。
また、昔はどうかわかりませんが、現在は逆に公務員専門学校に通わない方が地方公務員試験は合格しやすいのかもしれません。
確かに公務員専門学校に通った方のほうが、筆記試験の点数は高い傾向にありますが、その後の小論文や面接において、機械的な回答しかできず、落とされてしまう人が多い傾向にあります。
機械的な回答の方が、いかにも公務員らしくて良さそうですが、最近の自治体は、人口減少・少子高齢化、自治体DXなど、様々な課題を抱えており、これらを解決できるような新しい考え方を持っている人を求めているため、公務員専門学校に教えている定型的な回答しかできない人は「自分の頭で考えることができない人」と見なされ落とされてしまいます。
公務員一次試験の試験科目
筆記試験は「教養試験」「専門試験」「論文試験」の3つで構成されるのが一般的です。
教養試験の科目は
・文章理解
・数的処理
・社会科学
・自然科学
・人文科学
の5科目
専門試験の科目は
・行政
・法律
・経済
の3科目
論文試験は
・志望動機などの想いや考え
・時事問題
などについて出題されます。
これらの試験で6割から7割程度の点数を獲得することができれば一次試験は突破できます。
以下で具体的な勉強法について、ご紹介します。
集中力を鍛える
現役の学生さんは、ここは呼び飛ばして頂いてかまいません。
就職浪人されている方、社会人経験者の方、まずは集中力を鍛えましょう。
「いやいや集中力あるよ!」と過信しない方が良いです。
嘘だと思うなら、本番さながらの試験時間で過去問等に取り組んでみてください。
恐らく60分間ほどで集中力が途切れてしまうはずです。
実際の試験は
・教養試験[択一式、120~150分、50問]
・専門試験[択一式、120分、40問]
と長丁場です。
市役所によっては、上記の2つに加えて論文試験まであります。
学生時代はいつもテストをしていたので、テストをすることに慣れていますが、一度テストから離れると、思っている以上に集中力が落ちていて持続しません。
そのため、まずは集中力を鍛え直すことから始めましょう。
私の場合は、1年半くらいテストから離れていましたが、およそ1週間ほどでテストに耐えられる集中力を取り戻すことができました。
とにかく過去問を解くのが近道
地方公務員試験の範囲は広範囲です。
1から教科書を一つ一つ読み込んでいってたら、時間がいくらあっても足りません。
そのため、過去問を解いて、とにかく公務員試験に出題される問題に慣れることが重要です。
例えば比較的点数の高い教養試験の文書理解と数的処理は、なぞなぞみたいな問題のため、教科書等は特になく、とにかく慣れるしかありません。
また、専門試験についても、教科書を読み始めるよりも、まずは実際の試験問題を解いてみて、引っ掛け方のパターンとか、どの分野の問題が多いのか等を把握してから教科書を読み込んだ方が圧倒的に知識の定着率が上がります。
以上の理由により、最初は全然解けませんが、それでも兎にも角にも過去問を解くのが合格への近道です。
新聞記事やニュースを見て自分の意見をまとめる
一次試験の論文試験対策にはもちろん、その後に続く集団面接、個人面接に関わってくるので、新聞記事やニュースを見て自分の意見をまとめるトレーニングをしましょう。
最初はネットニュースを見て、その記事に対してツイッター等でコメントを書くくらいで良いですが、少しずつ文章を長くしていき、1500字くらいまで書けるようにしましょう。
実際の論文試験では800字~1200字くらいですが、文章の量を増やさなければ、文章の質は上がりませんので、1500字を目安に最終的には書けるようにトレーニングしましょう。
また、小論文を書くときのコツですが、ある事柄に対して
・問題提起
・反論
・持論
・理由、根拠
・結論
と言う形があるので、この形に合わせて新聞記事やニュースを見て自分の意見をまとめましょう。
ちなみに一番大事なのは、問題に対しての視点を世間一般からズラすことです。
審査員が「そんな一面や考え方もあるのか・・・」と感心せることができたら満点です。
例えば電気自動車がテーマの場合、環境に優しいから良い、とか、電気を作るのに結局二酸化炭素を排出するからエコじゃない、とかよく言われるような内容だけでは駄目です。
電気自動車なら家庭で充電できたり、災害時には非常用電気として使える、とか、エンジンからモーターに変わると、自動車産業の雇用者数が減り、ますます景気が悪くなる、とか、日本を初めてとした湿度の高い国ではバッテリーが劣化しやすく電気自動車は適していない、など少し調べたり、他のニュースと関連付けることで、より踏み込んだ意見を書けるようになります。
そのような力を身につけるためには、ニュースや記事を読んで知識を付けたり、自分なりの考え方をまとめるトレーニングが必要です。
勉強時間の目安
勉強時間の目安ですが、筆記試験に関しては公務員試験の過去問3回分以上、つまり、教養試験120分~150分、専門試験120分、それから間違えたところの復習を3回以上繰り返すので、時間としては約15時間程度で十分だと思います。
実際に過去問をやってみて合格ラインを突破できるかどうかが目安になるので、人によっては2回で済む方もいるでしょうし、4回、5回と解く必要もあります。
論文試験と面接に向けた新聞記事やニュースに対する意見をまとめるトレーニングについては、毎日30分間を目安に取り組みましょう。
論文試験・面接対策に関しては、勉強時間の目安はなく、試験日の直前まで決まったペースでコツコツ続けることがカギです。
公務員試験の勉強はいつから始めるべき?
公務員試験の勉強を始める時期についてですが、早ければ早い方がもちろん良いですが、できれば半年前、遅くても3ヶ月前くらいからは準備をしましょう。
筆記試験の対策そのものは、上記のとおり、そこまで時間が掛かるものではないため、遅くから始めても間に合いますが、論文試験・面接対策は半年前くらいから準備をしないと間に合いません。
論文試験・面接の課題・質問も半年以内の新聞記事やニュース等の時事ネタから出題されることが多いので、少なくとも新聞記事やニュースに目を通す習慣を身につけておきましょう。
筆記試験は落ちないことを最優先する
公務員試験の勉強と言うと、教養試験・専門試験の勉強ばかりする人が多いですが、それは大きな間違いです。
教養試験・専門試験でいくら満点とっても論文・面接が駄目だったら採用試験には落とされます。
筆記試験は落ちないことが最優先なんです。
合格ラインまで得点できるようになったなら、教養試験・専門試験の勉強なんかしなくて良いんです。
それよりも論文試験や面接対策に向けて努力をするべきです。
例えば会計年度任用職員として働いてみたり、パート・アルバイト先で何か新しいことを提案してみたり、何かを制作してみたりとか、そういう経験を積んで、その経験を人に自信を持って話せるようになることが大事です。
なお、第一希望の市役所に会計年度任用職員として働くと、落とされるリスクが高くなるのでオススメしません。
会計年度任用職員として働くなら第一希望以外の市役所にしましょう。
まとめ
地方公務員試験には、独学でも合格することができること、また合格するための勉強法や必要な勉強時間について、ご紹介させていただきました。
一次の筆記試験の準備で最も大事なことは、落ちないための勉強をすることです。
そのためには、とにかく過去問を解いてみることです。
そして、過去問で合格ラインの7割程度が取れるようになったら、それで十分です。
あとは論文試験・面接対策のためにも新聞記事やニュースを見て自分の意見をまとめてみる、仕事等を通じて経験値を高める、と言った活動をすることで地方公務員になることができます。
少なくとも、私はそういう勉強法を実践した結果、独学でも地方公務員になれました。
地方公務員をこれから目指す方は、ぜひ参考にしてみてください。