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議員が議会中に居眠りや内職、読書をする理由とは?

公務員
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議会中に居眠りや内職、読書等をするのは良くないことだと議員本人も重々承知のはずです。

議員の居眠りや内職に対して罰則はないの?
昔から問題になっていますが、議会中に居眠りをしていたり、議論を聞かずに内職や読書等に勤しんでいる議員がいます。 最近だと広島県安芸高田市の石丸市長が居眠りをしていた議員に対して「恥を知れ!恥を!」と議場で言い放った事がニュース等で取り上げら...

それなのに、議会中に居眠りや内職、読書等をしてしまうのは、なぜでしょうか?このページでは、その理由について、詳しくご説明します。

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議員が居眠り等をするのは一般質問中

議会中と一言で言っても、様々な議事があります。

具体的には、

  • 議案の上程
  • 提案理由の説明
  • 一般質問
  • 議案に対する質疑
  • 委員会付託
  • 委員会報告
  • 議案に対する討論
  • 議案の採決

等があり、各議会によって、多少次第は変わりますが、基本的には、上記の順番で議事が進行していきます。

そして、議員が居眠り等をしているのは、一般質問中です。

一般質問とは、議員が市の一般事務について、執行状況や将来の方針、政策的提言、行政の課題などを市長などの執行機関に直接質すことです。

一般質問により所信を問うことによって、市長等の執行機関の政治姿勢や政治責任を明確にさせ、結果として現行の政策を変更・是正させたり、または新規の政策を採用させる等の目的と効果があります。

そのため、議会の役割・権能の中でも、一般質問は最も重要なものの1つです。

それほど重要な一般質問中に、なぜ議員は居眠りや内職、読書等をしてしまうのでしょうか?

台本通りだからつまらないわけではない


一般質問の流れとして、はじめに議員から執行部に対して通告を行い、その通告をもとに執行部が
答弁書を作成します。

つまり、実際に一般質問をする際には、どういう質問をして、どう回答するのかのやり取りの台本が
出来上がっています。

この台本が出来上がっているため、一般質問はつまらない、とよく言われますが、実際はそんなことはありません。

なぜなら、普通に考えたらわかりますが、ドラマやアニメ、小説、ミュージカル等、基本的に台本通りですが、十分楽しむことができるからです。

聞く内容をみんな知っている、つまり、ネタばれしているから、つまらないのでは?と思う方もいるかもしれませんが、台本を知っているのは、当該一般質問を行う議員と執行部のみのため、他の議員や傍聴者は台本の中身について一切知りません。

仮にネタばれがあったとしても、本当に面白い作品であればリピートして見るため、台本通りであることが、つまらない原因ではなく、単純に台本そのものがつまらないから、つまらないんです。

議員の中には「筋書きのない一般質問の方が臨場感があって面白い!」と豪語して、執行部の聞き取りを拒否する議員もいます。

一見正しい主張のように聞こえますが、実際は、思いつきで話すため中身がなく、また、執行部の回答も具体的な数字や根拠のない回答になるため、議論が非常に抽象的になり、台本のある一般質問よりも、さらに酷い内容になります。

以上の理由により、台本通りだから一般質問がつまらないわけではなく、台本そのものがつまらないから、つまらないんです。

つまらない一般質問のパターン

つまらない一般質問には、いくつかパターンがあります。

下記では、代表的な6つのつまらない一般質問のパターンをご紹介します。

個別要求をする一般質問

市議会議員になった以上、本来であれば市全体のことを考えた政策論争を繰り広げるべきですが、大抵の市議会議員は自身の支援者のために個別要求をしがちです。

例えば出身校区の学校、公民館、道路の工事を要求したり、支援してくれた団体や企業が有利になる施策(税控除、工事の発注、支援金の交付、条例整備)等を要求します。

「応援してくれた人にお礼をするのは当たり前では?」と思う方もいるかもしれません。

確かに一般的には何かをしてくれたらお礼をするのは当たり前です。

しかし、選挙は別です。

市政を良くすることこそが、自身に投票してくれた人への恩返しであり、個別要求をすることは恩返しではなく、ただの権利の乱用です。

確認するだけの一般質問

市の情報は市報やホームページ等で公開されています。

また、各種制度の中身について、わからない場合は、窓口に聞きに行けば市職員が懇切丁寧に教えて
くれます。

市民に対してそうなので、議員であれば尚更です。

自身が普段から情報収集や勉強していればわかる内容を般質問の場ですることは、禁止されてはいませんが、一般質問の主旨から考えると、おかしいことです。

特に普段から、よく勉強している議員や市民からすると、確認するだけの一般質問は、聞く価値がありません。

ひたすら持論や自慢話を述べる一般質問

「私だったらこうする!」「行政はこうするべきだ!」と持論を述べたり、「私はこういう活動をしていたので○○事業には見識が深い」「私が国や県に働き掛けたから実現できた」等、自慢話を述べる議員がいます。

そこから建設的な議論に発展すれば良いですが、ただひたらすら持論や自慢話を述べて終わる議員がいます。

一般質問とは「質問」とあるように、質問に対する回答までがセットです。

質疑ではないため、自身の意見や思いを自由に述べても良いですが、回答までもわらなければ質問ではありません。

加えて、議会には議決権しかなく、提案権は市長にしかないため、何らかの事業を実施してもらうには、市長に提案してもらう必要があります。

そのため、良い一般質問とは、自身が望む事業等に関して、前向きな発言を執行部から引き出すことです。

しかし、大抵の議員は何を勘違いしているのか、一般質問を自身の政策や活動をアピールする場だと思っているため、持論や自慢話をひたすら述べて終わることが多々あります。

他人の空想話や自慢話ほど聞いていて、つまらないものはありません。

批判をしたいだけの一般質問

最近は特にいろんな市議会において反市長派が台頭し、市長が行うあらゆる政策等に対してとにかく批判的な一般質問をする市議会議員が増えています。

そもそも、ヒト、モノ、カネ、それから時間の制約により、みんながみんな満足するような政策を打ち出すことは不可能です。

そのため、批判をしようと思えばいくらでも批判をすることが可能です。

例えば「A事業の予算をB事業に回した方が事業効果が高い。なぜなら・・・」のように具体的で、その批判が建設的な批判であれば良いですが、「○○事業はおかしい!」「ちゃんとしてくださいよ!」と言ったように、中身のないただただ市長を非難したいだけの一般質問が散見されます。

一般質問とは政策論争であり、子どものケンカではないため、中身のない批判はつまらないですし、聞いていて気持ちの良いものではありません。

何度も同じ質問が繰り返される一般質問

一般質問の内容が議員同士で被ることが多々あります。

例えば災害があった時は災害についての一般質問が増えるため、通告内容が被ります。

一般質問は市長等の執行機関の政治姿勢や政治責任を明確にすることが目的のため、誰かが先に質問をして回答を得たのであれば、以降の議員は同じ回答しかもらえないため、当該質問を取りやめるべきです。

しかし、実際は自身が質問をしたと言う実績が欲しいため、もしくは聞いていないために、前の議員が質問した内容と同じ質問を繰り返します。

特にコロナ禍の時は酷くて、どこの自治体も、ほぼ全議員がコロナ禍について一般質問をしており、何度も何度も同じ質問を繰り返す無駄なことをしています。

国の政策に関する一般質問

生活保護制度やマイナンバー制度、外国人への脱退一時金制度等は市の一般事務にも関係することなので一般質問をすること自体は可能ですが、国の政策なので、市がどうこうできるものではありません。

そのため、国の政策に関することに一般質問をしてもハッキリ言って意味がありません。

市議会議員の中には「国の政策にも市から意見を言うべきだ!」と言って一般質問をする議員がいますが、議会は地方自治法第99条を根拠に国会に対して意見書を提出することができるため、国の政策に対しては、一般質問ではなく意見書を出すべきです。

国の政策に何ら意見を述べることができない市長の意見なんて聞くだけ無駄です。

市議会の広報誌を見れば議会の質がわかる

自分の住んでいる自治体の議会はちゃんとしているのだろうか?と不安になった方もいるのではないでしょうか?

最近の自治体はユーチューブ等で一般質問を録画配信しているため、その配信を見ることで議会の質を確認することもできますが、そんな時間はないと言う方に朗報です。

市議会が発行している広報紙を見れば議会の質が一発でわかります。

どこを見るかと言うと、一般質問に関するページの文字数です。

文字数が少なければ少ないほど質の良い議会で、逆に文字数が多ければ多いほど質の悪い議会と判断して間違いありません。

文字数が少ないと言うことは、一般質問の論点が明確であり、また、市政に興味のない人にも読んでもらえるように工夫していると言うことです。

逆に文字数が多いと言うことは、一般質問の論点が不明確のため長々とした説明が必要であり、また、自身の支援者・後援者等、政治に関心の高い人にしか相手にしていないと言うことです。

文字数が多い中でも、特にその記載内容の大半が議員の述べた内容であれば、その議会の質は最悪です。

一般質問を市政を良くするためではなく、プロパガンダとして利用しているため、実際の一般質問も自己アピールばかりのつまらないものになっています。

本当かな?と気になる方は、ぜひ市議会の広報紙を見て、配信サービス等で実際の一般質問を見てみてください。

一般質問はしなくても良い

一般質問は議員の権利であり、当然行使するべきものだと思っている議員が多いですが、義務ではないため、本当は一般質問しなくても良いです。

実際に議員になってから、一度も一般質問をしたことがない議員もいます。

では、一般質問をしない議員が悪い議員かと言うと、そんなことはありません。

一般質問の対応にも莫大な税金(職員の人件費)が掛かっているため、論点の絞れていない一般質問をする議員のほうが、税金を無駄遣いしている分、むしろ問題です。

それに、議員には一般質問よりも重要な議案審査と言う仕事があります。

どこにどんな予算を付けるか等、市政を左右する非常に重要な判断を議会はしなければいけないため、本来は議案審査の方に力を入れ、必要に応じて一般質問の検討をするべきです。

まとめ


議会中に居眠りや内職、読書等をするのは良くないことですが、同様に眠くなるようなつまらない一般質問をする議員にも責任があります。

どちらにせよ、議員の質であったりモラルの欠如が問題のため、私たちが政治家を選ぶときは、
見た目やポピュリズムに騙されないように誰に投票するべきか、よく検討する必要があります。

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