地方公務員になりたい方、もしくは地方公務員になったばかりの方は、年次有給休暇がしっかり取れるのか?気になるところだと思います。
会社によっては、制度上は年次有給休暇はあるけれど、実際は、ほとんど取れない…なんて事もありますよね。
果たして地方公務員はどうなんでしょうか?
このページでは、現役地方公務員が市役所の年休事情についてご紹介します。
年次有給休暇は100%消化できる
結論から言いますと、地方公務員は年次有給休暇を100%消化できます。
年次有給休暇は年に20日間もらえ、勤続年数によって翌年に年次有給休暇を繰り越せるんですが、最大で20日間繰り越せるので、1年間で40日間休むことが可能です。
民間企業だと、年次有給休暇制度はあっても、病気とかの理由がない限り、ほとんど休めないことが多いと思います。
しかし、地方公務員は申請すれば普通に年次有給休暇をとることができます。
さらに、地方公務員には年次有給休暇とは別に夏季休暇もしくはリフレッシュ休暇が付与されます。
これは、お盆期間中も市役所は休みにならないため、その代わりにもらえる休暇です。
この夏季休暇もしくはリフレッシュ休暇の期間は市役所によって異なりますが、大体3日~6日程度付与されるため、地方公務員は最大43日~46日年次有給休暇を取得できる計算になります。
土日祝日とは別にそれだけの休みを地方公務員になれば取得することができます。
その他、育児休暇や子の看護等の特別休暇を取得することもできます。
連休にして旅行に行くこともできる
地方公務員の場合、連休をとることも可能です。
例えばゴールデンウィークやシルバーウィークと絡めたり、年次有給休暇だけで連休を取って国内旅行・海外旅行に行く人も多いです。
今は新型コロナウイルス感染症の影響で旅行に行く人はいませんが、それまでは、毎年連休を取って旅行に行く人が必ずそれぞれの部署に1人から2人はいました。
上記のとおり、地方公務員は年次有給休暇を非常に取りやすい職場ではあるんですが、年次有給休暇を取得しづらい時期や部署もあるので、その点は注意が必要です。
繁忙期は年次有給休暇が取りにくい
年次有給休暇を申請すれば消化率100%も夢じゃない地方公務員ですが、いつでも休みを取れるわけではありません。
やはり、部署ごとに繁忙期があるので、その日は休めないことが多いです。
例えば
・市民税担当部署は確定申告時期
・生活保護担当部署は生活保護の支給日
・会計部署は予算執行の締め日
・住民票を発行する部署は3月から4月
など、部署ごとによって、繁忙期が変わりますが、忙しい時期なので、絶対に休めないわけではありませんが、後々のことを考えると、休まない方が賢明です。
繁忙期がある部署は必ず閑散期があるので、閑散期にまとめて休みを取る人が多いです。
部署によっては年次有給休暇が取りにくい
繁忙期とは関係なく、諸事情により部署によっては、休みづらい部署があるので、ご紹介します。
人数が少ない部署
人員が極端に少ない部署の場合、非常に休みづらいです。
例えば係長と平職員の2名しかいない部署の場合、どちらかが休むと、トイレに行く場合も隣の係の人に電話番をお願いしないといけないので、1人が休むと、残った方がけっこう困ります。
最近は県からの権限移譲により仕事は増えているものの、職員は減らされているため、人員が少ない部署が増えつつあるので、そういう部署に配属されると、休むのに気を遣います。
福祉部門
福祉部門は不景気と高齢化により、ますます忙しくなっています。
また、最近では新型コロナウイルスのワクチン接種もあったと思いますが、それの担当も福祉部門だったので、福祉部門の職員は毎日残業で、休日出勤もあり、とても年次有給休暇を取れるような状況ではありませんでした。
教育部門
少子化により、子どもの数は減少傾向にあるため、仕事がないんじゃないか?と思うかもしれませんが、逆です。
少子化により、子どもに耐性のない学校周辺に住む人達、不妊治療のすえ、ようやく出来た子どもに愛情を注ぐ親達、苦情等を受けて疲弊する先生達、そして、それら全てからクレームやら、各種対応をしなければいけないのが、教育委員会と言う組織です。
最近はICT化に向けた取り組みもしなければならず、議会と先生と親の3方向から板挟み状態になっているため、非常に忙しく、なかなか休みづらい職場です。
議会中開会中は原則休んではいけない
繁忙期・部署とは関係なく、議会開催中は原則休んではいけません。
通年議会は別ですが、大体3月、6月、9月、12月に開催され、約1ヶ月間は一般質問や委員会が行われます。
この期間中は議会が議案について審議する期間のため、議会もしくは委員会から何かしらの要望があればすぐに対応しなければいません。
そのため、どの部署であっても係長級以上は、いつ呼ばれても良いように待機しておかねばならず、平職員であっても、追加資料の要望があれば資料を作成する必要があるため、原則休んではいけません。
議会・委員会ともに事前に日程が組まれており、それぞれの部署が提出した議案審査が終われば、一息つけるんですが、再出席を求められる可能性もあるため、役職が上がるほど、議会中は休めません。
年次有給休暇を100%消化できるかどうかは人による
年次有給休暇の消化率を100%にできます。
休みづらい状況もあると書かせてもらいましたが、そんなの関係なく休む人も多数います。
休むか休まないかは要は、その人次第です。
どの部署に行っても休まない人は休みませんし、休む人は休みます。
休まないから良くて、休むから悪いわけでもありませんし、その逆でもありません。
個人的に思うのは、病気等になる可能性もあるため、繰り越せる分は繰り越して、未消化になる分だけ年間に休む。
つまり、年間最大20日間の年次有給休暇を使うつもりで、年休を取得するのが、一番賢い年次有給休暇の運用方法だと思っています。
なお、年次有給休暇以外の休暇について知りたい方は下記のページをご覧ください。
その他、会計年度任用職員の年休事情については、下記のページをご覧ください。