地方公務員になって、初めて給料をもらった時、
「こんなにも給料安いの!?」
と、誰もが愕然とします。
特に高校卒業後、すぐに地方公務員になった場合、
地域手当のない市役所だと、手取りが10万円を切るため、
相当ショックを受けると思うと同時に、
今後の公務員人生に不安を感じる人が多いのではないでしょうか?
そこで、このページでは、公務員の給料が毎年いくらずつ
増えていくのか?について詳しく説明します。
毎年4号給ずつ昇給する
公務員の給料は級と号の組み合わせで決まります。
自分が現在何級何号か知りたい場合は、
初任給の給与明細もしくは、毎年の昇給月の給与明細の中に
入っているので、確認してみてください。
昇給日は自治体によって異なり、
1月1日もしくは4月1日を昇給日としている自治体が多いようです。
そのため、1月1日が昇給日の場合は、1月の給与明細、
4月1日が昇給日の場合は、4月の給与明細を見ればわかります。
そして、普通に勤務をしていたら、昇給日に4号給上がります。
例えば最初が1級12号であれば、翌年には1級16号になります。
この昇給は何歳になっても毎年4号級ずつ上がります。
若いうちほど昇給額は大きい
では、4号給増えると、金額としていくら増えるのか?についてですが、
地域手当がない地域でも、若いうちは年に8,000円ほど増えます。
多少の幅がありますが、30歳くらいまでは毎年7,000円~8,000円ずつ増えます。
基本給等✕支給割合=地域手当
のため、地域手当がある地域だと、さらに昇給額が増えます。
年齢が上がれば上がるほど、昇給額は減ってきますが、
30歳~40歳の間でも毎年5,000円~6,000円ほど増えていきます。
昇格すると、さらに給料が増える
昇給とは別に昇格することで、さらに給料が増えます。
昇格とは級が増えることです。
先程の例で言うと、1級16号から2級16号になるような場合です。
昇格するには、出世するか、もしくは長年勤務することが必要です。
勤続年数に応じて昇格する場合は、昇格に必要な年数が
市役所ごとに違いますが、私の市役所では平職員でも、
5年ほど勤務した頃に昇格しました。
なお、昇格すると、大幅に給料が増えます。
私の場合は、2万円近く給料が増えていました。
仕事ができてもできなくても昇給は変わらない
民間企業のように、業務成績によって昇給が変わらないのか?
と聞かれると、正直難しいところです。
制度としては、勤務態度が優秀な職員に対して、5号級昇給させたり、
勤務態度が悪い職員に対して3号給しか昇給させないといった
勤務評定に応じた昇給は可能です。
ただ、そもそも条例で定めていなければ、差をつけることができませんし、
条例で定めていても実際には差をつけません。
なぜなら、公務員の仕事は評価することができないからです。
例えば税を徴収する係であれば、どれだけ徴収できたかで評価することが可能です。
しかし、住民票を発行する係やケースワーカーなどの福祉関係の部署など、
ほとんどの部署の仕事を定量的に評価することはできません。
そのため、制度としては、昇給に差をつける条例はあっても、
実際は効果を発揮せず、どんな人でも毎年変わらず4号給ずつ昇給します。
病休中は昇給が止まる
毎年4号給ずつ昇給しますが、病休中の方に関しては、
残念ながら昇給しません。
病休から復帰するまでの間は、その時の給料表のままの
給料をもとに、病休中の手当が支給されます。
復帰後もすぐには、昇給しません。
上記で説明した1月1日もしくは4月1日の
昇給日を迎えない限りは、昇給しません。
昇給日を迎えた場合は、今までの年数分も
まとめて昇給されるんですが、病気休暇中の分については、
4号級ではなく、4号給未満の号給しか昇給しません。
例えば当初1級12号の人が1年間病休した場合、
復帰後もしばらくは1級12号のままで、
復帰後初めて迎える昇給日に病気休暇中の3号給と通常の4号給が
まとめて昇給して1級19号になります。
昇給するのは55歳まで
元々は定年退職まで毎年4号給ずつ昇給していましたが、
平成24年に人事院勧告により地方公務員は55歳で
昇給停止措置がとられるようになりました。
つまり、56歳以降については、一切昇給しなくなってしまいました。
今後については、新型コロナウイルス感染症により、
さらに景気が悪化する可能性があるため、
もっと早い段階で昇給がストップするかもしれないため、
我々地方公務員は人事院の動向は要チェックです。
仮に定年が70歳に伸びて、昇給が50歳までとなった場合、
残りの20年間は何をモチベーションに仕事を
頑張ったら良いのか、わかりませんね。
まとめ
若いうちは毎年8,000円ずつ昇給するとは言え、
初任給が安すぎるため、最初の頃は、かなり生活が苦しいのが地方公務員です。
ちなみに私は現在35歳、勤続年数は約10年ですが、扶養手当等の各種手当を含めても手取りは21万円程度です。
都会と田舎の差はあるかもしれませんが、ようやく新卒で民間企業に就職した時の手取りに追いついたくらいなので、多少暮らしや良くなりましたが、まだまだ厳しい状況です。