国家公務員は2024年8月8日に人事院勧告が出されました。
勧告の中には月給とボーナスの引き上げの他、2026年度までに配偶者扶養手当を廃止することについても盛り込まれていました。
では、地方公務員の扶養手当はどうなるのでしょうか?国会公務員と同様に扶養手当は廃止されるのでしょうか?そこで、このページでは、今後の地方公務員の扶養手当について詳しくご説明します。
地方公務員の扶養手当の現状
地方公務員の扶養手当は、現在、国家公務員と同様に
- 配偶者がいる職員に対しては配偶者扶養手当として月6,500円
- 満22歳到達後最初の3月31日までの子どもがいる職員に対しては子ども扶養手当として一人につき月10,000円
支給されています。
例えば配偶者と子ども2人の4人家族の場合、配偶者手当が月6,500円、子ども手当が月20,000円(2人分)、合計で月26,500円扶養手当が支給される計算になります。
ただし、扶養手当の対象は配偶者・子ども共に年収130万円未満であることが条件であるため、配偶者が働いている場合や大学生の子どもがアルバイトをして年収130万円を超えるような場合は扶養手当の対象から外れます。
例えば働いていて年収130万円を超えている配偶者と20歳の子ども1人、中学生1人の場合、上記の例と同様に4人家族ですが、配偶者と20歳の子どもは扶養手当の対象とならないことから、扶養手当は子ども手当月10,000円(1人分)のみとなります。
地方公務員の配偶者扶養手当は2025年度に廃止
国家公務員の場合、配偶者扶養手当を現在の月6,500円から2025年にまず月3,000円に減額し、翌年2026年に廃止と、段階的に廃止する予定としています。
それに対して地方公務員の場合は、配偶者手当を現在の月6,500円から、2025年に即刻廃止予定となります。
配偶者扶養手当が廃止されるのは国家公務員も地方公務員も一緒ですが、廃止時期については、地方公務員の方が1年早く廃止となります。
子ども扶養手当は1人につき月3,000円増額
国家公務員、地方公務員どちらも配偶者扶養手当が廃止される代わりに子ども扶養手当が増額されます。
国家公務員の場合、子ども扶養手当を現在の月10,000円から2025年にまず1,500円増額し、月11,500円とし、翌年2026年にもう1,500円増額し、月13,000円と、段階的に増額する予定としています。
それに対して、地方公務員の場合は、2025年に即刻配偶者扶養手当が廃止されることから、子ども扶養手当を現在の月10,000円から2025年に3,000円増額し、月13,000円とする予定としています。
ちなみに、最終的に国家公務員も地方公務員も配偶者扶養手当を廃止し、子ども手当を13,000円に増額しますが、段階的な分、国家公務員の方が月1,500円、年間18,000円有利となります。
実質2025年度以降は地方公務員の扶養手当は減額される
配偶者手当は廃止されるけど、子ども手当が増額されるのであれば、実質扶養手当は増えるの?減るの?どっちなの?と気になるところだと思いますが、結論から申し上げますと実質扶養手当は減額となります。
例えば配偶者と子ども2人の4人家族の場合、現行制度では、配偶者手当が月6,500円、子ども手当が月20,000円(2人分)、合計で月26,500円扶養手当が支給される計算になります。
それが、配偶者と子ども2人の4人家族の場合、2025年度以降の地方公務員の扶養手当の支給額は、配偶者手当は廃止されるため0円、子ども手当が月26,000円(2人分)、合計で月26,000円扶養手当が支給されるようになるため、現行制度と比べて月500円減額される計算になります。
子どもが3人であれば現行制度だと36,500円(配偶者+子ども2人)、2025年度以降39,000円(子ども3人)となるため、月2,500円扶養手当が増額される計算になります。
以上のことから、子どもが3人以上であれば月々の扶養手当の支給金額は増額されますが、子どもが2人以下であれば扶養手当の支給金額は減額となります。
ただし、短期的に見れば子どもが3人以上であれば扶養手当の支給金額は増額されますが、長期的に見ると、子どもが3人以上であっても扶養手当は実質減額されています。
なぜなら、現行制度であれば子どもが22歳を超えて対象外になっても配偶者手当が月6,500円ずっと支給され続けていましたが、2025年度以降は配偶者扶養手当が廃止されるため、子どもが22歳を超えれば扶養手当は0円になってしまうからです。
そのため、今回の制度改正により、例え子どもが3人以上であっても扶養手当は実質減額されることになります。
まとめ
公務員の扶養手当について、ご紹介させていただきました。
国家公務員・地方公務員ともに時期は多少違いますが、配偶者扶養手当は廃止されます。
配偶者扶養手当廃止に伴い、子ども扶養手当は増額されますが、実質的な扶養手当は減額となります。
女性にも社会進出をしてもらいたいと言う思いと、人口増のために子どもを増やして欲しいと言う思いから、今回のような扶養手当の変更を行うのでしょうが、私のように配偶者が専業主婦(夫)の公務員は収入が減り、家計が非常に厳しくなります。