地方公務員ってどんなイメージ?
と質問をすると、大抵の人が
・残業がない
・仕事が暇そう
・残業しても残業代が満額出そう
と言ったイメージを持っているのではないでしょうか?
確かに基本的には定時で帰ることができますが、
実際は公務員も残業をしています。
しかも部署によっては、土日も出勤しますし、
0時を超えることもあります。
「でも、残業したら残業した分、全額残業代が出るんでしょう?」
と言われそうですが、そんな事もありません。
実は公務員はサービス残業が多いんです。
そこで、このページでは、
・今後サービズ残業は増えるのか?
・サービス残業が特に多い部署はどこか?
などについて、ご紹介します。
残業代が出ないのは予算がないから
地方公務員の残業代が出ない理由は非情にシンプルで、残業代を支払うだけの予算がないからです。
行政の仕事は予算が全てです。
予算さえあれば、いくらでも残業代が出るんですが、残念ながら予算がなく、無い袖は振れないため、いくら残業をしても、その残業は全てサービス残業になってしまいます。
予算は増えるが人件費は年々削られている
借金である地方債を発行してまで毎年予算を増やしているんだから、その中に残業代も含まれているのでは?
と思うかもしれませんが、実際は残業代どころか人件費そのものが年々削られています。
国や地方の予算が毎年増えているのは、高齢化等を原因とした福祉にかかる費用の増加や新たな事業を実施するための費用が予算に上乗せされているため、全体の予算が増えているだけです。
そして、新規事業等に必要な予算が増えた分、その財源をどこからか確保しないといけないんですが、この不景気で税収の増加は見込めないことから、その予算を人件費や残業代を削って捻出しているのが、今の市役所の実態です。
新規事業等を立ち上げるため、仕事量は増えているのにも関わらず人件費は削られる一方です。
この流れは、今の景気動向だと、ますます加速していくことが予測されます。
こういう話をすると、
「税金の無駄遣いをするからいけないんだ!」
「採算の悪い事業ばかりするからダメなんだ!」
とお叱りを受けることが多いんですが、そもそも民間企業が参入しないような利益の出ない分野を行政が補っています。
例えば生活保護制度などは、生活保護受給者が減れば減るほど財政的には良いため、水際作戦をとって申請を拒否したり、無理やり停止・廃止にすることが正しいのか?と言ったら、決してそうではないはずです。
このように行政は、「財政赤字が増えるから」を理由に事業を辞めるわけにはいかないんです。
福祉・教育部門はサービス残業が特に多い
部署によって残業代の予算も違うため、一概に全ての残業がサービス残業になるわけではありません。
例えば税部門などは税収を稼ぐ部門と言うこともあり、残業代がきちんと出ます。
しかし、対象的に福祉部門・教育部門はサービス残業が異常に多いです。
ますます忙しくなるのに残業代が出ない福祉部門
福祉部門は、少子高齢化により、ますます忙しくなっています。
・高齢化による介護保険料の増大
・不景気による生活保護受給者の増大
・女性の社会進出に伴う待機児童の増大
・新型コロナウイルスのワクチン接種
などなど、はっきり言って福祉部門は課題しかありません。
また、福祉部門はただでさえ、市全体予算の半分近くを使うほど、とにかく事業にお金のかかる部署のため、残業代を増やすことはできません。
しかも、仕事をすればするほど、歳出が増え、財政状況が悪化します。
例えばワクチン接種などは、病気を予防するために、市民の皆様に打ってもらわないといけないものですが、ワクチン接種に協力してもらえるように職員が頑張れば頑張るほど、ワクチンを打つための費用が増えていきます。
このように、やればやるほど赤字になる部署のため、「頑張って残業してこい!」とも言えない部署のためサービス残業が常態化しています。
私も福祉部門にいたときは、毎日のように残業していたのにも関わらず一切残業代は出ませんでした。
まあ、それは予算の問題だけでなく、別の問題もあったわけすが…
休日出勤は残業代が高くなるため残業代が出ない教育部門
教育部門は成人式をはじめ、地域のスポーツ大会などを主催・運営をしています。
それらの大会は大抵、土日祝日に開催されているため、教育部門の職員は休日出勤をして働いています。
休日の残業代は平日の残業と比べて割増料金となるため、休出分に残業代を使うと、すぐに予算が枯渇してしまいます。
そこで、代わりに職員には代休が与えらます。
この代休が厄介で、休日出勤した日から8週間以内に使わないと流れて(なくなって)しまいます。
大抵、忙しい時期は重なり、代休を消化することができないため、結局、サービス残業になる、と言うケースが教育部門では多いのが現状です。
まとめ
公務員は残業がない。
残業しても残業代が満額出る。
と言うイメージを私も地方公務員になるまでは、持っていました。
しかし、現実は違い、残業もしっかりありますし、残業代も部署によっては予算がないので全くでません。
公務員を目指す方、新人公務員の方は、公務員と言っても残業もサービス残業もあることを覚悟しておきましょう。
そして、行政の仕事をするうえで予算がいかに大事なのかを覚えましょう。