令和2年4月1日から全国の市町村で会計年度任用職員制度が始まりました。
会計年度任用職員制度により、市役所で働く非正規職員(パート・アルバイト)の給料や休暇等の各種制度がガラリと変わりました。
そこで、このページでは、会計年度任用職員のボーナス(期末手当・勤勉手当)について詳しくご紹介します。
会計年度任用職員になりパートタイムでもボーナスが発生
会計年度任用職員には
・フルタイム会計年度任用職員
・パートタイム会計年度任用職員
の2種類あります。
一般的なイメージとしては、なるための条件が厳しいフルタイム会計年度任用職員にしかボーナス(期末手当・勤勉手当)が出ないのではないか?と思うのではないでしょうか。
しかし、安心してください。
パートタイム会計年度任用職員にもボーナス(期末手当・勤勉手当)は支給されます。
勤務時間や勤務期間があまりにも短い場合は、ボーナスの支給がない場合もありますが、原則として、会計年度任用職員であればフルタイムでもパートタイムでもボーナス(期末手当・勤勉手当)は出ます。
ボーナスの支給金額は自治体によって異なる
ボーナスの算定根拠はどこの自治体でも同じで
【支給額】 = 期末手当基礎額 ✕ 期別支給割合 ✕ 在職期間別割合
と言う計算式で算出されます。
ただし、算定根拠となる基礎額等は自治体によってバラバラのため、当然、ボーナス(期末手当・勤勉手当)の支給金額にも差が出てきます。
それでは、それぞれの項目がどういうものかご説明します。
ちなみに・・・
結論から言うと、当たり前ですが、都会の自治体ほど時給単価も高いため、ボーナス(期末手当・勤勉手当)の支給金額も高くなります。
これは、会計年度任用職員に限らず、正規の職員でも同様で、自治体によって年収に大きな差が出ます。
詳しくは、下記のページを御覧ください。
期末手当基礎額とは
期末手当基礎額とはフルタイム会計年度任用職員の場合は給料月額、パートタイム会計年度任用職員の場合は直近6ヶ月間の報酬月額の平均を指します。
【期末手当基礎額】期末手当基礎額 = 給料月額 or 直近6か月間の報酬月額の平均
当然、地域によって時給が違うため、給料月額も報酬月額も都会の自治体ほど高くなります。
また、都会の自治体だと地域手当もつきます。
この地域手当と言うのは、田舎にはなく、都会にのみある制度で給料に対して最大20%も地域手当がつきます。
例えば、給与水準が20万円、地域手当が20%の場合
20万円 ✕ 4% = 4万円
となるため、地域手当として4万円が給料に加算され給料月額は24万円となります。
そして、この例だと給料月額として支給される24万円が期末手当基礎額となります。
このように、都会の自治体ほど、もともとの給与水準も高く、地域手当ももらえるため、より多くのボーナス(期末手当・勤勉手当)がもらえます。
期別支給割合とは
期別支給割合とは、ボーナス(期末手当・勤勉手当)として何ヶ月分支給するのかを指します。
これも自治体によってバラバラで
年間1.45月分~年間2.6月分
とかなり差があります。
ボーナス(期末手当・勤勉手当)は年2回支給するため、実際に支給金額を計算する場合は上記の半分
0.725月分~1.3月分
を期別支給割合として計算することになります。
これも、もちろん田舎の自治体ほど少なく、都会の自治体ほど多くなります。
在職期間別割合とは
在職期間別割合は、算定期間である
・6月~11月
・12月~5月
の各6ヶ月間の在職期間によって変わります。
詳しくは下記表のとおりとなります。
6か月 | 100% |
5か月以上6か月未満 | 80% |
3か月以上5か月未満 | 60% |
3か月未満 | 30% |
例えば新規で4月に採用された職員の場合、最初のボーナスである6月分は、在職期間が4月1日から基準日である6月1日までの3か月未満となるため、在職期間別割合は「100分の30」となります。
在職期間別割合については、関係があるのは最初のボーナスだけなので、あまり気にする必要はありません。
ボーナスの支給日は6月と12月
ボーナス(期末手当・勤勉手当)の支給月は6月と12月です。
支給月は、どこの自治体でも同じですが、支給日については、自治体によって異なりますが大抵20日頃の支給になります。
ボーナスの支給により毎月の給料・報酬はカット
ボーナス(期末手当・勤勉手当)が支給されるようになったからと言って、良いことばかりではありません。
ボーナス(期末手当・勤勉手当)が支給される分、毎月の給料・報酬は以前の制度と比べるとカットされています。
理由としては単純で、予算がないからです。
会計年度任用職員全員分のボーナス(期末手当・勤勉手当)を払うだけの余力は地方自治体はおろか、国にもありません。
しかし、国は会計年度任用職員制度を導入したため、地方自治体はボーナスを必ず支給しなければいけません。
では、国からの追加の交付税もない地方自治体はどうするのか?
公共事業を減らすわけにはいかないため、ボーナスを支給する分、勤務時間を減らし、毎月の給料・報酬を下げるしかありませんでした。
ボーナスを含めた総支給額はアップしている
毎月の給料・報酬がカットされたのなら、ボーナス(期末手当・勤勉手当)が支給されるようになっても、差し引き0、もしくはマイナスなのでは?と疑問に思われた方もいるのではないでしょうか。
安心してください。
ボーナス(期末手当・勤勉手当)を含めた年間の総支給額は増えています。
つまり、会計年度任用職員に変わった結果、年収は増えています。
ただ、支給時期の関係から、採用されてからボーナス(期末手当・勤勉手当)が満額支給される12月までは、苦しい生活を強いられるため、気をつけましょう。
公務員の給料が減れば会計年度任用職員も給料もカット
公務員の給料・ボーナスは人事院勧告によって毎年変わります。
当然、増えることもありますが、減ることもあります。
新型コロナウイルス感染症の影響で、一部の企業を除き、景気は悪化しています。
それの影響を受けて、公務員のボーナス(期末手当・勤勉手当)は0.15月下がることが決定しています。
今回の人事院勧告は会計年度任用職員のボーナス(期末手当・勤勉手当)まで影響は及ばないようですが、今後も、このままの景気状態が続けば、会計年度任用職員の給料・報酬・ボーナス(期末手当・勤勉手当)にも影響が出る可能性があります。
つまり、公務員の給料が下がれば必然的に会計年度任用職員の給料も下がるので、ニュース等はチェックしておきましょう。
まとめ
以上、会計年度任用職員のボーナスの支給日やいくらもらえるのか?
その他、ボーナスが支給されることになって毎月の給料・報酬がカットされるなどのマイナス面についてもご説明させていただきました。
実際に会計年度任用職員の方にお話を聞いたところ、やはり最初にボーナスを満額で貰えるまでは、多少生活が苦しいところがあるようです。
ただ、年収そのものは増えており、1日の勤務時間も減ったことから、会計年度任用職員制度に変わって良かったという声が多いです。
その他、会計年度任用職員のメリット・デメリットについては、下記のページを御覧ください。