令和2年4月1日から全国の市町村で会計年度任用職員制度が始まり、市役所で働く非正規職員(パート・アルバイト)の給料や休暇等の各種制度がガラリと変わりました。
大きな変更点としては、会計年度任用職員にもボーナスが支給されるようになったことですが、来年(令和6年度)からは、さらに、しかも大幅にボーナス支給額が増える予定となっています。
不安定な国際情勢の中、原材料・原油価格の高騰により、食品から生活用品等、ありとあらゆる商品の物価が高騰している社会状況の中で、ボーナスの支給額が増えることは会計年度任用職員として働く方にとっては非常にありがたい話ですよね。
ただ、なぜボーナスの支給額が増えるのか?一体いくらボーナスが増えるのか?いつからボーナスが増えるのか?気になるところだと思います。
そこで、このページでは令和6年度からの会計年度任用職員に対するボーナス改定の詳細についてご説明します。
令和6年度から勤勉手当の支給が開始される
ボーナスの支給金額が上がる要因として、最も代表的な例がベースアップ、つまり毎月の給与額が増加することですが、今回の会計年度任用職員の場合、毎月の給与額は変わりません。
今回のボーナス支給金額が増える最大の要因は勤勉手当の支給が開始されるようになるからです。
正規職員である公務員のボーナスは期末手当と勤勉手当の2つの手当の合計金額が支給されます。
しかし、会計年度任用職員のボーナスは今まで期末手当のみで、勤勉手当は含まれていませんでした。
それが今回の条例改正により、勤勉手当の支給が開始されるようになるため、ボーナス支給金額が大幅にアップします。
ボーナスの支給額はおよそ1月分増加する
では、勤勉手当がつくことで、会計年度任用職員のボーナス支給金額がいくら増えるのか?と言いますと、年間0.975ヶ月分、つまり約給料1ヶ月分増えることになります。
例えば、月額16万円で雇用されている会計年度任用職員の場合
改正前支給金額 | 改正後支給金額 | 差額 | |
6月分 | 108,000円 | 188,000円 | 80,000円 |
12月分 | 108,000円 | 188,000円 | 80,000円 |
年間 | 216,000円 | 376,000円 | 160,000円 |
上表のように、ボーナス支給金額が6月と12月でそれぞれ8万円ずつ増え、年間で16万円も支給金額が増えることになります。
もちろん、これは一例であり、都会で働く会計年度任用職員の場合は、基本給が高く、さらに地域手当も付くため、より大幅にボーナス支給金額がアップすることになります。
会計年度任用職員のボーナスが増えるには議会での議決が必要
国は、会計年度任用職員に勤勉手当を支給する方針を出しています。
地方自治体の方でも令和6年度の予算案は会計年度任用職員のボーナスが増える前提で予算の調製をしています。
しかし、会計年度任用職員のボーナスが増えることは、まだ確定はしていません。
なぜなら、会計年度任用職員の給料・ボーナスを増やす(又は減らす)場合は、条例を改正しなければいけないからです。
そして、条例を改正するには、議会の議決が必要になります。
基本的に会計年度任用職員=市民のため、自らの票を減らすようなことを議員がすることは、まずありませんが、何が起こるかわからないのが議会のため、条例案が否決される可能性も十分あります。
もしも条例が否決されてしまった場合は、その自治体に勤める会計年度任用職員のボーナスは現状どおりで、アップしないことになってしまいます。
ちなみに、会計年度任用職員のボーナスをアップさせるための条例案の上程は、どこの自治体も令和5年12月議会に上程されることが予想されます。
会計年度任用職員として働く以上、政治と無関係と言うわけにはいかないため、気になる方は議会の動向をチェックしましょう。
議会で否決されたらどうなる?
「12月定例会で条例案が否決された場合はどうなるの?」と心配な方もいるでしょうが、安心してください。
今回の条例案の施行日は令和6年4月1日からのため、仮に12月議会で否決されたとしても令和6年3月議会で可決されれば大丈夫です。
なお、「条例案が通っても当初予算案が否決されたらボーナスが増えないのでは?」と心配になる方もいるかもしれませんが、当初予算は否決されても人件費等は暫定予算として必ず支給されるものなので、条例案さえ通ればボーナスアップは確定となります。
正職員の公務員のボーナス支給額は変わりません
会計年度任用職員のボーナスがアップされるなら、正職員の公務員のボーナスもアップするのでは?と期待もしくは危惧される方もいるかもしれませんが、残念ながら今回のボーナスアップに正職員は一切関係がなく、ボーナスの大幅アップもありません。
なぜなら、正規職員である公務員に関しては、元々勤勉手当が支給されているからです。
もちろん、景気変動や物価高騰の影響により、今回は正職員のボーナスも増える予定ですが、あくまで微増するだけで、会計年度任用職員のような大幅アップはありません。
まとめ
会計年度任用職員に対するボーナス改定について詳しく説明させていただきました。
議会の議決が取れるまでは確定ではありませんが、令和6年4月1日から会計年度任用職員にも勤勉手当が付くようになり、ボーナスの支給金額が大幅にアップします。
今回のボーナスアップにより、会計年度任用職員の収入が年間で約給料一月分も増えるため、嬉しい反面、扶養の範囲内で働いている方は扶養の壁を超えないように気をつけましょう。