地方公務員法・地方自治法の改正により、全国すべての市町村で令和2年4月1日から「会計年度任用職員制度」が始まりました。
ボーナスや退職手当が出るようになったり、有給休暇の使い勝手がよくなったりと待遇は以前の臨時的任用職員と比べて、かなり改善されました。
もちろん、良いことばかりではなく、様々な問題点を抱えている制度ではあります。
しかし、パート・アルバイトとして働きたい!と思う方からすると、コンビニやスーパーなどで働くよりも、遥かに厚待遇のため、非常に人気があり、今現在働いている人も多くいます。
ただ、いつまで働き続けることができるのか?は気になるところだと思います。
そこで、このページでは、会計年度任用職員には定年があるのか?何歳まで働き続けることができるのか?について詳しくご紹介します。
原則定年はない
結論から言いますと、会計年度任用職員に定年はありません。
会計年度任用職員については、新地方公務員法第28条の2第4項の規定に基づく非常勤職員に当たることから、定年制は適用されず、また、募集に当たり年齢制限を設けることは雇用対策法の趣旨から適切ではない。
と総務省のQ&Aにも記載があることから、定年はなく、理論上は何歳まででも働き続けることが可能です。
定年は65歳が目安
定年制がないとは言え、運用上は定年の目安みたいなものはあります。
その定年の目安とは65歳です。
正規職員が早期退職をしたり、60歳で定年退職した場合に、会計年度任用職員として再雇用される場合が多々あります。
いわゆる天下りと言えば、そうですが、メリットは双方にあり、市役所としては、慣れている人に働いてもらった方が楽ですし、退職した人としては国民健康保険料は前年度の収入を算定根拠とするため、正規職員の給料を基準に国民健康保険料を算定されてしまうと、生活に困るからです。
とは言え、例えば元部長がいつまでも居座って、会計年度任用職員になっても、あれやこれやと偉そうに指示を出されると、面倒なので、再雇用会計年度任用職員には65歳が定年と決められています。
これはあくまで再雇用会計年度任用職員の定年であって、会計年度任用職員全般に適用されるものではありませんが、運用上は65歳を定年と目安に辞めてもらっている自治体が多いと思います。
もちろん、表立って「65歳だから、もう雇用しません。」と言うことはできませんが、65歳を超えたら何かしらの別の理由をつけて、辞めてもらっていると思います。
なお、現在国会で検討されている公務員の定年が延長されれば、再雇用会計年度任用職員の定年も伸びるため、それに応じた年齢まで運用上の定年も伸びると予想されます。
定年まで働き続ける方法
会計年度任用職員は勤務成績が良好な場合は任用期間を更新し、年度を超えて再度任用することができます。
ただし、会計年度任用職員の任用期間の更新回数は2回までと決められているため、最初の1年間+更新2回で合計3年間しか更新することはできません。
とは言え、あくまで更新とは、「採用試験を省略することができる」ことを指すだけなので、3年以上は働けないと言うわけではなく、更新回数が上限に達した後も、最初と同じように履歴書を出して、面接を受ければ、全く同じ場所で会計年度任用職員として、今までどおり働くことは可能です。
注意点としては、会計年度任用職員は公務員のため、労働契約法が適用されない点です。
民間企業であれば、「無期転換ルール」「5年ルール」があり、パート・アルバイト・派遣社員でも5年以上働けば正社員になることができますが、会計年度任用職員には「無期転換ルール」「5年ルール」適用されないため、何年働いても正規職員になることはできません。
そのため、毎年クビになるかもしれないという不安感は残りますが、勤務成績が良好で、3年ごとに採用試験を受ければ定年まで働き続けることができます。
勤務成績の評価は上司によって基準が異なり、相性が悪い上司に当たってしまうと、不当な評価を受けて、クビになってしまう可能性もあるため、会計年度任用職員として長く働き続けたいのであれば、人間関係をしっかりと作っておきましょう。
コネと言うと、悪い印象を持っている人が多いですが、民間企業であれ、公務員であれ、余程、特殊な能力・資格を持っていない限りは、人間関係が物を言うので、変にゴマをすったり、へりくだる必要はありませんが、相談できる人は見つけておきましょう。
まとめ
会計年度任用職員の定年についてご説明しました。
会計年度任用職員の制度上は定年はなく、募集要項にも年齢制限を設けることはできません。
しかし、運用上は再雇用会計年度任用職員が65歳定年であることから、65歳を超えると、何かと理由をつけて不採用・雇止めになる可能性が高いです。
公務員の定年が延長され、再雇用会計年度任用職員の定年も延長されれば、それに合わせて運用上の定年も延長されるでしょうが、現在の目安としては65歳になったら退職になると考えておきましょう。
その他、会計年度任用職員のメリット・デメリットについては、下記のページを御覧ください。