「病気で休みたいけど、会計年度任用職員でも病気休暇は取れるの?」「何日休めて、給料は出るの?」体調を崩したときに知っておきたい病気休暇制度について、初心者にも分かりやすく徹底解説します。
本記事では、取得日数から有給・無給の違い、診断書の要否、申請方法まで詳しく説明します。
会計年度任用職員の病気休暇とは

病気休暇の定義
病気休暇とは、会計年度任用職員が疾病又は負傷のため療養する必要があり、勤務しないことがやむを得ないと認められる場合における休暇です。
病気休暇の特徴
- 法令に基づく制度
- 療養のための休暇
- 年次有給休暇とは別枠
- 診断書が必要(自治体による)
年次有給休暇との違い
病気休暇と年次有給休暇(年休)は、まったく異なる制度です。
| 項目 | 病気休暇 | 年次有給休暇 |
|---|---|---|
| 目的 | 療養 | リフレッシュ・私用 |
| 取得理由 | 病気・怪我のみ | 自由 |
| 日数 | 自治体により異なる | 週5日勤務で10日〜 |
| 診断書 | 必要(自治体による) | 不要 |
| 給与 | 自治体により有給or無給 | 有給 |
病気の時は病気休暇、私用の時は年次有給休暇を使い分けることになります。

取得できる日数

自治体によって大きく異なる
病気休暇の日数は、自治体によって10日〜90日と大きく異なります。
主な自治体の日数
| 自治体 | 病気休暇の日数 |
|---|---|
| 東京都大田区 | 連続90日まで |
| 福岡市 | 60日(公務外の私傷病) |
| 横浜市 | 週5日勤務で20日 |
| 京田辺市 | 1ヶ月(約30日) |
| 墨田区 | 30日 |
会計年度任用職員の病気休暇の期間は、自治体によって様々ですが、原則として週5日勤務程度なら10日間、週4日勤務程度なら7日間、週3日勤務程度なら5日間、週2日勤務程度なら2日間、週1日勤務程度なら1日間です。
上限90日間ではありません。
勤務日数による比例付与
パートタイムで勤務日数が少ない場合、病気休暇の日数も比例して少なくなります。
週の勤務日数別の病気休暇日数(一般的な例)
- 週5日勤務:10日〜90日
- 週4日勤務:7日
- 週3日勤務:5日
- 週2日勤務:2日
- 週1日勤務:1日

任期が6ヶ月以上であることが条件
多くの自治体では、病気休暇を取得できる条件として、以下が設定されています。
取得条件
- 任期が6ヶ月以上
- または6ヶ月以上継続勤務している
- かつ、週の勤務日数が3日以上、月11日以上、年121日以上
任命権者は、会計年度任用職員が疾病又は負傷のため療養する必要があり、勤務しないことがやむを得ないと認められる場合における休暇として、病気休暇を承認するものとする、と規定があります。
また、病気休暇の承認については、当該会計年度任用職員について定められた任用期間が6か月を超え、かつ、1週間の勤務日数が3日以上、1月の勤務日数が11日以上又は1年間の勤務日数が121日以上である場合に限るものとする、と規定があります。
任期6ヶ月未満の会計年度任用職員には、公務上の負傷または疾病の場合を除き、病気休暇が認められない自治体が多いです。
有給か無給か

自治体によって異なる
病気休暇が有給か無給かは、自治体によって大きく異なります。
パターン1:全期間有給(京田辺市など)
- 病気休暇期間中も給与が支払われる
- ただし、公務外の病気は10日を超えたら無給
パターン2:全期間無給(豊中市など)
病気休暇は、無給とする、規定している自治体があります。
パターン3:一部有給(鹿児島市など)
病気休暇のうち第2項第1号に係るものは無給の休暇とし、同項第2号に係るものは有給の休暇とする、と一部有給の自治体もあります。
公務上と公務外で扱いが異なる
多くの自治体では、公務上の負傷・疾病と公務外(私傷病)で扱いが異なります。
公務上の負傷・疾病
- 業務中の怪我
- 業務が原因の病気
- 通勤中の事故 → 多くの場合、有給
公務外の負傷・疾病(私傷病)
- 業務外の怪我や病気
- 風邪、インフルエンザ
- 持病の悪化 → 無給、または一定日数のみ有給
福岡市の場合、公務上の負傷疾病は無制限で有給ですが、その他の負傷疾病は60日まで、ただし前年度から引き続く場合は通算されます。
月額制と日額制の違い
給与の支給形態によっても扱いが異なる場合があります。
月額制(フルタイムなど)
- 有給の場合、月額給与が満額支給
- 無給の場合、病気休暇日数分が減額
日額制・時間額制(パートタイム)
- 有給の場合、勤務したものとして報酬支給
- 無給の場合、勤務しない日は報酬なし
診断書の提出

基本的に診断書が必要
病気休暇を取得する際は、原則として医師の診断書が必要です。
病気休暇を請求するときは、別に定める場合を除き、医師の証明書を示さなければいけません。
診断書に記載すべき内容
- 病名または傷病名
- 療養期間
- 療養の必要性
- 医師の署名・押印
診断書が不要な場合
自治体によっては、以下の場合に診断書が不要となることがあります。
診断書不要のケース
- 3日以内の短期間
- インフルエンザなど一般的な疾病
- 緊急の場合(事後提出可)
診断書の費用負担
診断書の発行費用は、原則として自己負担です。
費用の目安
- 一般的な診断書:2,000円〜5,000円
- 詳細な診断書:5,000円〜10,000円
医療機関によって費用は異なります。
病気休暇の取得単位

1日単位が基本
病気休暇は、基本的に1日単位で取得します。
1日単位の意味
- 丸1日休む
- 半日休暇は認められない場合が多い
- 週休日や休日は含まない
時間単位での取得
一部の自治体では、時間単位での病気休暇取得が認められています。
時間単位の場合の病気休暇の単位は1時間単位です。
時間単位のメリット
- 通院のみで半日出勤できる
- 体調が回復しかけている時に便利
- 柔軟な勤務調整が可能
週休日等の扱い
病気休暇の期間には、週休日、休日、代休日その他の勤務しない日を含む場合と含まない場合があります。
含む場合(京田辺市など)
前2項に定める病気休暇の期間の計算については、週休日、休日及び代休日を含むものとする、と規定されています。
含まない場合 特別休暇の期間の計算については、その期間中に週休日等を含まないものとする、と規定されています。
自治体の規則をよく確認しましょう。
病気休暇の申請方法

申請の流れ
病気休暇を取得するには、以下の手順を踏みます。
ステップ1:医療機関を受診
体調不良を感じたら、速やかに医療機関を受診し、診断を受けます。
ステップ2:上司に連絡
診断結果を上司に報告し、病気休暇の取得を申し出ます。緊急の場合は電話でも可。
ステップ3:診断書の入手
医師に診断書を発行してもらいます。療養期間を明記してもらいましょう。
ステップ4:病気休暇の申請
所定の申請書に必要事項を記入し、診断書を添えて提出します。
ステップ5:承認
任命権者(所属長)が承認すれば、病気休暇が成立します。
事前申請が原則
病気休暇は、原則として事前に申請する必要があります。
事前申請が難しい場合
- 急な発熱や腹痛
- 事故による怪我
- 突然の体調悪化
このような場合は、まず電話で連絡し、事後速やかに申請書と診断書を提出します。
申請書の記載事項
病気休暇申請書には、以下の事項を記載します。
必要記載事項
- 氏名
- 所属
- 病名または傷病名
- 療養期間
- 休暇開始日と終了日
- 診断書の添付
各自治体で所定の様式がありますので、人事担当者に確認しましょう。
病気休暇中の給与

有給の場合
病気休暇が有給の場合、通常の勤務と同様に給与が支払われます。
月額制の場合
- 月額給与が満額支給される
- 欠勤控除なし
日額制・時間額制の場合
- 病気休暇日も勤務したものとして報酬支給
- ただし、自治体によっては無給
無給の場合
病気休暇が無給の場合、休暇日数分の給与は支給されません。
月額制の場合
- 病気休暇日数分が月額給与から減額
- 計算式:(月額給与÷暦日数)×病気休暇日数
日額制・時間額制の場合
- 病気休暇日は報酬なし
- 働いた日数分のみ報酬支給
無給の休暇なので給与もありません。
これは、国家公務員の非常勤職員の病気休暇を基準として定めることとなるためです。
通勤手当の扱い
病気休暇中の通勤手当の扱いも確認が必要です。
通勤手当は、支給単位期間等の全日数を勤務しないと支給停止となりますので注意してください。
病気休暇で1ヶ月間休んだ場合、その月の通勤手当が支給停止になる可能性があります。
病気休暇を使い切ったら

年次有給休暇の利用
病気休暇を使い切った場合、年次有給休暇を利用することができます。
年次有給休暇のメリット
- 必ず有給
- 診断書不要
- 理由を問わない
ただし、年次有給休暇も限りがあるため、計画的に使用する必要があります。
欠勤扱い
年次有給休暇も使い切った場合、欠勤扱いとなります。
欠勤のデメリット
- 無給
- 人事評価に影響
- 更新時の判断材料になる可能性
長期の療養が必要な場合は、休職制度を検討することになります。
休職制度
会計年度任用職員にも休職制度がある自治体があります。
会計年度任用職員の休職の期間は、その任期までとなります。

休職の特徴
- 任期までの期間
- 基本的に無給
- 雇用関係は継続
ただし、会計年度任用職員は年度ごとの任用のため、常勤職員のように長期の休職は認められません。
分限免職の可能性
病気で長期間勤務できない場合、分限免職(地方公務員法第28条第1項第2号)になる可能性があります。
長期療養が必要な場合は、早めに上司や人事担当者に相談することが重要です。
病気休暇取得の注意点

早めの相談
体調が優れない場合は、早めに上司に相談しましょう。
早期相談のメリット
- 業務の引き継ぎがスムーズ
- 無理して悪化させずに済む
- 職場の理解を得やすい
- 適切な休暇制度の選択ができる
療養に専念する
病気休暇中は、しっかりと療養に専念することが大切です。
療養期間の過ごし方
- 医師の指示に従う
- 十分な休息を取る
- 無理な外出は控える
- 規則正しい生活を心がける
中途半端に仕事をすると、回復が遅れ、結果的に長期化する恐れがあります。
診断書の期間を守る
医師が診断書に記載した療養期間を守ることが重要です。
期間の扱い
- 診断書の期間=病気休暇の期間
- 期間を超えて休む場合は再度受診
- 早く回復した場合は復帰を報告
勝手に期間を延長したり短縮したりせず、医師の判断に従いましょう。
職場への連絡
病気休暇中も、適度に職場と連絡を取ることが推奨されます。
連絡すべきタイミング
- 病気休暇開始時
- 診断書の療養期間の途中経過
- 復帰日の確定時
- 療養期間が延長される場合
ただし、重篤な場合や医師が安静を指示している場合は、無理に連絡する必要はありません。
復帰後の対応

段階的な復帰
長期の病気休暇から復帰する際は、段階的な復帰を検討しましょう。
段階的復帰の例
- 最初は短時間勤務
- 軽い業務から始める
- 徐々に業務量を増やす
- 定期的に体調を報告
医師の意見書があれば、職場も配慮しやすくなります。
再発防止
病気の再発を防ぐための対策も重要です。
再発防止策
- 定期的な通院
- 生活習慣の改善
- ストレス管理
- 無理のない働き方
職場に相談し、必要に応じて業務内容や勤務時間の調整を依頼しましょう。
産業医や保健師への相談
自治体によっては、産業医や保健師への相談制度があります。
相談できる内容
- 復帰のタイミング
- 業務上の配慮
- 健康管理のアドバイス
- メンタルヘルスケア
積極的に活用しましょう。
よくある質問

Q1. 風邪で2〜3日休む場合も診断書は必要ですか?
A1. 自治体によって異なります。3日以内は診断書不要とする自治体もあれば、1日でも必要とする自治体もあります。就業規則や上司に確認してください。
Q2. 病気休暇は年次有給休暇の日数から引かれますか?
A2. いいえ、引かれません。病気休暇と年次有給休暇は別の制度です。病気休暇を使っても、年次有給休暇の日数は減りません。
Q3. 通院だけでも病気休暇は取れますか?
A3. 取れます。通院のために勤務できない場合、病気休暇を取得できます。時間単位での取得が認められている自治体では、通院時間分だけ取得することも可能です。
Q4. 家族の看護で病気休暇は使えますか?
A4. 使えません。病気休暇は本人の療養のための休暇です。家族の看護には「子の看護休暇」や「介護休暇」、または年次有給休暇を使用します。
Q5. 病気休暇中に出勤したらどうなりますか?
A5. 病気休暇は療養のための休暇なので、途中で出勤することは原則認められません。体調が回復したら、病気休暇を終了して通常勤務に戻ります。
Q6. メンタルヘルス(うつ病など)でも病気休暇は取れますか?
A6. 取れます。精神疾患も病気休暇の対象です。医師の診断書があれば、身体的疾患と同様に病気休暇を取得できます。
Q7. 病気休暇を取ると更新に影響しますか?
A7. 適切な範囲での病気休暇取得は、更新に直接影響しません。ただし、長期間・頻繁に休む場合は、人事評価や更新判断に影響する可能性があります。
まとめ:病気休暇を適切に利用しよう

重要ポイントの再確認
- 病気休暇は療養のための制度
- 年次有給休暇とは別枠
- 診断書が必要(自治体による)
- 取得条件:任期6ヶ月以上など
- 日数は自治体によって異なる
- 10日〜90日と幅広い
- 週の勤務日数で比例付与
- 公務上と公務外で扱いが異なる
- 有給か無給かは自治体次第
- 全期間有給の自治体
- 全期間無給の自治体
- 一部のみ有給の自治体
- 適切な申請が重要
- 事前申請が原則
- 診断書の添付
- 上司への報告
- 使い切ったら年休や欠勤
- 年次有給休暇の利用
- 欠勤は無給で評価に影響
- 長期なら休職や退職の可能性
最後に
病気休暇は、体調を崩したときに安心して療養できるための重要な制度です。
会計年度任用職員として働く上で、自分の自治体の病気休暇制度を正しく理解しておくことが大切です。
病気になったら
- 無理せず早めに受診
- 上司に速やかに報告
- 診断書を入手して申請
- しっかり療養に専念
- 適切なタイミングで復帰
体調管理は何よりも大切です。
日頃から健康に気をつけ、もし体調を崩した場合は、遠慮なく病気休暇を利用して、しっかりと療養してください。
自分の自治体の具体的な病気休暇制度については、就業規則を確認するか、人事担当者に問い合わせることをおすすめします。

